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一章 変身
16話
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「はい、これで終了っと」
俺は五体目のゴーレムコアを引き抜くと、息を一つ吐いてリコラの方へと視線を向ける。
彼女は倒れたゴーレムの身体を構成していた泥をスコップで掬い上げ、麻袋に入れていた。
なんでも、この泥は魔力が流れやすくなっていて、再利用しやすいんたそうだ。
一体目を倒した後に、出来るだけ泥が残るように倒して欲しいと言われ、俺は手足を斬り飛ばした後に、僅かに残った胴体の部分から魔石を取り出していたんだ。
「おっと、危ない!」
散らばった泥の陰になった部分から、牙ミミズがリコラに近付いて行くのが見えた。
咄嗟に《身体強化》を掛けて、リコラの元へと走り出す。
「ヒヒン」
俺が辿り着く一歩手前、ウマコがリコラと牙ミミズの間に入った。
そのまま牙ミミズを弾き飛ばすと、前脚で踏み潰した。
「あぁっ!?」
リコラが悲痛な声をあげる。
「魔石がぁ………」
どうやら換金出来る魔石を踏み潰された事にショックを受けたようだった。
それにしてもウマコ強いな。
「的確に魔石を踏み砕いてる」
「それが問題なのよ」
ウマコは魔物と戦う時は魔石を狙うようにしてあるのだけど、討伐依頼ならともかく、今回のような採取依頼の場合は魔石や魔物素材を売らないとお金にならないのだ。
錬金術の研究はなかなかにお金がかかるそうなので、小さな額であろうとも取り零したくないらしい。
「今回も中級錬金術師になる試験の為にゴーレム造らなきゃいけないんですけど、予算的にカツカツで………」
「あぁ、そういうこと。なんて強引な人だと思ったよ」
「あわわ、ごめんなさい。この機会を逃したらダメだと思ったらつい」
「ははは、ちょっとビックリしただけだから、別に良いですよ」
昨日の事を思い出して小さくなるリコラ。
なんだか可愛いな。
「それにしても、見た目はちょっとアレですけど、ウマコは優秀ですね」
「そうなのよ!これは私が最初に造ったゴーレムなんだけど、ゴーレムコアにワイルドホースの魔石を合成させて………」
よっぽど愛着があるのか、話し相手が普段いないのか、怒涛の如くウマコの事を語り出すリコラ。
早口過ぎてその内容は半分も聞き取れなかったし、意味も殆ど分からなかったけど、幸せそうな顔で語っていたよ。
しかも、泥を麻袋に入れる作業の手は止まってないんだから凄いよね。
それから俺もリコラを手伝いながら話に相槌を打つのだった。
俺は五体目のゴーレムコアを引き抜くと、息を一つ吐いてリコラの方へと視線を向ける。
彼女は倒れたゴーレムの身体を構成していた泥をスコップで掬い上げ、麻袋に入れていた。
なんでも、この泥は魔力が流れやすくなっていて、再利用しやすいんたそうだ。
一体目を倒した後に、出来るだけ泥が残るように倒して欲しいと言われ、俺は手足を斬り飛ばした後に、僅かに残った胴体の部分から魔石を取り出していたんだ。
「おっと、危ない!」
散らばった泥の陰になった部分から、牙ミミズがリコラに近付いて行くのが見えた。
咄嗟に《身体強化》を掛けて、リコラの元へと走り出す。
「ヒヒン」
俺が辿り着く一歩手前、ウマコがリコラと牙ミミズの間に入った。
そのまま牙ミミズを弾き飛ばすと、前脚で踏み潰した。
「あぁっ!?」
リコラが悲痛な声をあげる。
「魔石がぁ………」
どうやら換金出来る魔石を踏み潰された事にショックを受けたようだった。
それにしてもウマコ強いな。
「的確に魔石を踏み砕いてる」
「それが問題なのよ」
ウマコは魔物と戦う時は魔石を狙うようにしてあるのだけど、討伐依頼ならともかく、今回のような採取依頼の場合は魔石や魔物素材を売らないとお金にならないのだ。
錬金術の研究はなかなかにお金がかかるそうなので、小さな額であろうとも取り零したくないらしい。
「今回も中級錬金術師になる試験の為にゴーレム造らなきゃいけないんですけど、予算的にカツカツで………」
「あぁ、そういうこと。なんて強引な人だと思ったよ」
「あわわ、ごめんなさい。この機会を逃したらダメだと思ったらつい」
「ははは、ちょっとビックリしただけだから、別に良いですよ」
昨日の事を思い出して小さくなるリコラ。
なんだか可愛いな。
「それにしても、見た目はちょっとアレですけど、ウマコは優秀ですね」
「そうなのよ!これは私が最初に造ったゴーレムなんだけど、ゴーレムコアにワイルドホースの魔石を合成させて………」
よっぽど愛着があるのか、話し相手が普段いないのか、怒涛の如くウマコの事を語り出すリコラ。
早口過ぎてその内容は半分も聞き取れなかったし、意味も殆ど分からなかったけど、幸せそうな顔で語っていたよ。
しかも、泥を麻袋に入れる作業の手は止まってないんだから凄いよね。
それから俺もリコラを手伝いながら話に相槌を打つのだった。
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