後輩に貞操を狙われています。

3

反応から察するに、智也は童貞だろう。 
非処女か否かは別だが、そんなことは関係ない。  

沢村は逃げた智也を追いかけ昇降口を出てすぐに、腕を掴み引き止める。

「なぁ、あんたを抱きたい。」

………は？
今、何て？ 抱きたい…ダキタイ？
ぎゅーって？
いや…多分違う意味。

「…えっ？えと…その…」

困惑する智也。
分かりきった反応を示した事に思わず笑いがこみ上げてくる。
アタフタとしているのが面白い。

片手で智也の手を纏め上げ、近くのガラス扉にその体をを押し付ける。
所謂壁ドンだ。
そしてそのまま強引に唇を奪い、頑なに閉じた唇をペロリと舐めてやる。

「やっ、やだ！やめっ…っ…！んっ…ふっ…はな、して」

必死に暴れるも、華奢な智也では大した抵抗にはならない。

「やっ、やめて！！何するんですか！！こ、こういう事は好きな人と！！」

やっと唇が離れ、優希が言った。
全く…どんだけお堅いんだか。

「うるせぇよ、俺はあんたとヤリたいって言ってんの。黙って言う事聞けよ。」

ヤリたい…ヤリタイ…

恥ずかしい話、智也は童貞だ。
先程までキスはおろか手を繋いだ事すら無かったのだ…。

「えっ…あの！離してください！！」

口に出した時には遅く、智也の体は軽々と優希に抱きかかえられていた。

「とりあえず騒がれると面倒だから、家着くまでちょっと眠っててよ…」

鼻と口を覆うようにハンカチを宛てられた… 

「んっ…」

甘い香り…眠くなる…
意識は落ちていった。