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しおりを挟む発情期で身体は昂っているはずなのに、心はどんどん冷たくなってゆく。
小さな頃からずっと一緒に居た蒼斗…一緒に読んだ絵本に出てきた"運命の番"に、自分達はなれるのだと信じて疑わなかった。
運命は残酷なもので蒼斗はαではなくβ、晴人はΩ…互いが番として結ばれる夢は儚く砕け散ったのだ。
────────
先程まで玩具を呑み込んでいた晴人の後孔は、簡単に蒼斗の指を呑み込んだ。
まるで待っていたかのようにヒクついて奥へと誘われる。
「うっ…ぁあっ」
しばらくして指を抜いて、自身を後孔に宛てがいゆっくりと押し進めると前立腺を掠めたようで晴人が甲高い声で鳴いた。
快楽に揺れながら、晴人は冷えた心で考えていた。
蒼斗がαだったら……項を噛んでくれただろうか?番にしてくれただろうか?それとも、俺がβだったらお互いに幸せになれたのかもしれない。
Ωは本能には逆らえない生き物なのだと、発情期を重ねる毎に思い知らされる。
「はぁっ……あぉとぉ……項、噛んでぇ………ゥアッ」
言ってはいけない言葉が零れ落ちてしまった。
どうしようかと顔を背ける。
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