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しおりを挟むいつの間にか気を失っていたらしい。
布団が綺麗に掛けられているから、蒼斗が帰ってきたのだろう。
「ぅあぅ……」
熱がぶり返して、うまく起き上がる事が出来ない。
「ひぅっ…あ…おと……っ」
寝室に一人残されているのが寂しくて涙が溢れた。
発情期にはどうしても、情緒が不安定になってしまう。
ガチャリ
タイミング良く扉が開いて、蒼斗が入ってきた。
ベッドの横に来て髪を撫でてくれる。
「目、覚めたんだね。辛い時に一緒にいれなくてごめんな。」
晴人は、眉を下げて悲しそうな顔をする蒼斗に抱きついた。
「はぅ…あっ……大丈夫だよっ…」
そのままキスを交わし、蒼斗の服に手をかけ脱がせていく。
「んっ…ふっ きもちぃ……」
甘い声があげながら、仔犬のように拙いキスをしてくる晴人が愛おしい。
キスが深くなると共に、形勢逆転して今度は晴人の方がベッドに押し付けられる。
晴人の上に跨り、両手首を掴み頭上に縫い止めた。
「俺がαだったら…晴人を傷付けないで済むのに…番にもなれるのにな…」
無理な事と理解しつつも、本音はそればかりだ。
「すき…大好きだからっ」
手首を拘束されギラついた視線を向ける蒼斗に、少し嬉しい様でいて叶わない願いを思うとまた涙が零れそうだった。
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