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ちょっとしたサプライズ
ちょっとしたサプライズ4
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sideリリアーナ
「ひっぐ、ぐす」
「ちょっとパパ!泣きすぎだよ!」
「うーん覚えがある覚えがある」
「無理だよぐす、子供達とキャッチボールぐす」
「あらあらうふふ」
旦那様がクリスとコレットちゃんとどうしても、キャッチボールというらしい、ボールの投げ渡しをしたいと言い始め、庭でキャッチボールを始めたが、どうやらクリス達も未来で慣れているらしく、危なげなくボールを受けて投げ返している。
「ぐす、自分でも早いと思ってたけど、グローブ作っててよかった!」
「ここの僕らまだ2,3歳なんだけど…」
「準備よすぎるよね。そい」
「ジネットさん。旦那様も気が早いですね」
「……お前クリス達用の服を、何歳まで準備している?」
「5歳ころまでのは作りました」
「人のこと言えんだろう!」
その旦那様は、感激して鼻をすすりながら、コレットちゃんが投げたボールを受け止めている。どうやら子供達と、こうやって遊ぶことが悲願であったらしく、道具一式を既に作っていたのは驚いた。よっぽどやりたかったらしい。
「でも私の寮には、ママ手編みのセーターがある。愛情一杯」
「ほら、ジネットさんだって」
「うぐぐぐ。み、未来の話だ……」
「そう言えばクリス、その服はどこかの制服かしら?」
「え? うんママ。魔法の国の魔法学院の」
「おおすごいぞクリス、コレット!ひょっとして天才!?」
「恥ずかしいから止めてってば!」
「えっへん」
私がちょっと早く作っただけで、未来のジネットさんもコレットちゃんに、手作りの服を送っている様だ。やはり子供に対しての愛情は、私と変わりないらしい。でも絶対に恥ずかしがるので黙っていよう。
そして服で気になっていたが、クリスとコレットちゃんの服は、どこかの制服のようなお揃いの服で、話を聞くとやはり、魔法の国の学院の制服の様だ。コレットちゃんはズボンを履いているが、ジネットさんの感性を受け継いだのだろう。それに随分似合っている。
旦那様とジネットさんと3人で、何度かクリス達の学校について話し合ったことがあるが、その中でも最有力だった魔法学園にそのまま決まったらしい。あそこは非常に教育に力を入れているため、ついこの前も、一度見学に行くという話になっていた。
「クリスは学院始まって以来の、魔法の天才って言われてる。もっと褒めてあげて」
「おや、幾つ言えるんだい?」
「すごいねクリスくん!」
「お婆ちゃん、ソフィアお姉ちゃん止めて……」
「この前4つ唱えてた」
「おやおや、その歳で4つとはやるもんだ」
まあ!10歳を少し過ぎたくらいのクリスが呪文を4つも!
ドロテア様も驚いた顔をされているが、まだまだ幼い息子が、魔法使いとして一流の腕を持っているとは…
「コレット!僕が恥ずかしがるの分かって言ってるでしょ!」
「そんな事はない」
「コレットだって、戦士科じゃ学生どころか講師にだって敵なしでしょ!」
「もっと褒めていいよ」
「ああもう……」
「あらコレット、武器は何を使ってるの?」
「ママ譲りの短剣」
「まあ。ふふ」
どうやらコレットちゃんの方も負けず劣らずのようで、大陸でも最高の教育機関の生徒どころか、講師まで打ち負かすとは、非常に優れた戦士の様だ。短剣を使うという事は、ジネットさんが直接教えたのだろう。私もクリスに魔法の事を教えてあげたい。
「ううう……。クリスとコレットがこんなに立派に……ぐす。ちーん!」
私達が話している間、キャッチボールは止まってしまっていたが、旦那様もそれどころでは無い様で、子供達の成長に涙を流して鼻をかんでいた。
「そうだ!パパは!? パパはコレットとクリスに何かお勉強教えてた!?」
「クリス、任せるね」
「え!? う、うーん…。勉強…数学と社会かな。コレット、思い出してよ…」
「あれ、少ない!?」
「感性で生きてる私でも、パパの教え方の感性は分からないから。頑張れば空間だって切れるって言われても分かんない」
「それにパパは魔法使えないし…」
「薬とかはママ達にお婆ちゃんもいるから」
「あ、あ、そ、そんな……」
どうやら子供達の成長に、自分が何か一役買ってないかを期待して問いかけた旦那様だが、クリス達の答えに非常にショックを受けている。でも、流石に頑張れば空間が切れると言うのは、コレットちゃんも困っただろう。
「戦闘訓練お願いしても、パパはやられたーってすぐ倒れちゃうし」
「ママ達の話から強いのは知ってるんだけど……」
「うん、何となく強さは分かる。分かんない事が分かるというか。でもやっぱりパパは自分からやられ役」
「え……。自分の子供と戦うとか……無理」
「やれやれだね。その道一番の男が、それを教えないでどうするんだい」
訓練とはいえ、クリス達と戦う姿を想像したのか、ブルリと身を震わせて、旦那様が手を前に突き出しながら、首を大きく横に振っているが、ドロテア様も同じように目を瞑って首を振っていた。
「ジネット様、リリアーナ様。クリス御坊ちゃまとコレットお嬢様が、お昼寝から起きられました」
「ああ、ありがとうアレクシア」
「ありがとうございます」
どうやらお昼寝していたクリス達が起きた様だ。知らせに来てくれたアレクシアさんにお礼を言いながら、座っていたベンチから立ち上がる。
「ちょどいいね。おやつの時間にしようか」
「え!? ちょっ!?」
「……どうやったの?」
「はははは!さあ出発!」
「おじさん!わたしはかたぐるま!」
「よしよし!」
お茶とおやつにはいい頃合いだろうと、旦那様が、クリスとコレットちゃんを脇に抱えて家の中に戻ろうとしているが、気が付けば抱えられていた子供達は目を白黒させていて、無邪気に喜んでいるのはソフィアちゃんだけだ。
どうも少しだけ、父親としての威厳を見せたかったらしい。可愛い人。
「ママ!だっこ!」
「うふふ」
そんな事を思いながら、走り寄って来る今のクリスを私が抱きしめた。
「ひっぐ、ぐす」
「ちょっとパパ!泣きすぎだよ!」
「うーん覚えがある覚えがある」
「無理だよぐす、子供達とキャッチボールぐす」
「あらあらうふふ」
旦那様がクリスとコレットちゃんとどうしても、キャッチボールというらしい、ボールの投げ渡しをしたいと言い始め、庭でキャッチボールを始めたが、どうやらクリス達も未来で慣れているらしく、危なげなくボールを受けて投げ返している。
「ぐす、自分でも早いと思ってたけど、グローブ作っててよかった!」
「ここの僕らまだ2,3歳なんだけど…」
「準備よすぎるよね。そい」
「ジネットさん。旦那様も気が早いですね」
「……お前クリス達用の服を、何歳まで準備している?」
「5歳ころまでのは作りました」
「人のこと言えんだろう!」
その旦那様は、感激して鼻をすすりながら、コレットちゃんが投げたボールを受け止めている。どうやら子供達と、こうやって遊ぶことが悲願であったらしく、道具一式を既に作っていたのは驚いた。よっぽどやりたかったらしい。
「でも私の寮には、ママ手編みのセーターがある。愛情一杯」
「ほら、ジネットさんだって」
「うぐぐぐ。み、未来の話だ……」
「そう言えばクリス、その服はどこかの制服かしら?」
「え? うんママ。魔法の国の魔法学院の」
「おおすごいぞクリス、コレット!ひょっとして天才!?」
「恥ずかしいから止めてってば!」
「えっへん」
私がちょっと早く作っただけで、未来のジネットさんもコレットちゃんに、手作りの服を送っている様だ。やはり子供に対しての愛情は、私と変わりないらしい。でも絶対に恥ずかしがるので黙っていよう。
そして服で気になっていたが、クリスとコレットちゃんの服は、どこかの制服のようなお揃いの服で、話を聞くとやはり、魔法の国の学院の制服の様だ。コレットちゃんはズボンを履いているが、ジネットさんの感性を受け継いだのだろう。それに随分似合っている。
旦那様とジネットさんと3人で、何度かクリス達の学校について話し合ったことがあるが、その中でも最有力だった魔法学園にそのまま決まったらしい。あそこは非常に教育に力を入れているため、ついこの前も、一度見学に行くという話になっていた。
「クリスは学院始まって以来の、魔法の天才って言われてる。もっと褒めてあげて」
「おや、幾つ言えるんだい?」
「すごいねクリスくん!」
「お婆ちゃん、ソフィアお姉ちゃん止めて……」
「この前4つ唱えてた」
「おやおや、その歳で4つとはやるもんだ」
まあ!10歳を少し過ぎたくらいのクリスが呪文を4つも!
ドロテア様も驚いた顔をされているが、まだまだ幼い息子が、魔法使いとして一流の腕を持っているとは…
「コレット!僕が恥ずかしがるの分かって言ってるでしょ!」
「そんな事はない」
「コレットだって、戦士科じゃ学生どころか講師にだって敵なしでしょ!」
「もっと褒めていいよ」
「ああもう……」
「あらコレット、武器は何を使ってるの?」
「ママ譲りの短剣」
「まあ。ふふ」
どうやらコレットちゃんの方も負けず劣らずのようで、大陸でも最高の教育機関の生徒どころか、講師まで打ち負かすとは、非常に優れた戦士の様だ。短剣を使うという事は、ジネットさんが直接教えたのだろう。私もクリスに魔法の事を教えてあげたい。
「ううう……。クリスとコレットがこんなに立派に……ぐす。ちーん!」
私達が話している間、キャッチボールは止まってしまっていたが、旦那様もそれどころでは無い様で、子供達の成長に涙を流して鼻をかんでいた。
「そうだ!パパは!? パパはコレットとクリスに何かお勉強教えてた!?」
「クリス、任せるね」
「え!? う、うーん…。勉強…数学と社会かな。コレット、思い出してよ…」
「あれ、少ない!?」
「感性で生きてる私でも、パパの教え方の感性は分からないから。頑張れば空間だって切れるって言われても分かんない」
「それにパパは魔法使えないし…」
「薬とかはママ達にお婆ちゃんもいるから」
「あ、あ、そ、そんな……」
どうやら子供達の成長に、自分が何か一役買ってないかを期待して問いかけた旦那様だが、クリス達の答えに非常にショックを受けている。でも、流石に頑張れば空間が切れると言うのは、コレットちゃんも困っただろう。
「戦闘訓練お願いしても、パパはやられたーってすぐ倒れちゃうし」
「ママ達の話から強いのは知ってるんだけど……」
「うん、何となく強さは分かる。分かんない事が分かるというか。でもやっぱりパパは自分からやられ役」
「え……。自分の子供と戦うとか……無理」
「やれやれだね。その道一番の男が、それを教えないでどうするんだい」
訓練とはいえ、クリス達と戦う姿を想像したのか、ブルリと身を震わせて、旦那様が手を前に突き出しながら、首を大きく横に振っているが、ドロテア様も同じように目を瞑って首を振っていた。
「ジネット様、リリアーナ様。クリス御坊ちゃまとコレットお嬢様が、お昼寝から起きられました」
「ああ、ありがとうアレクシア」
「ありがとうございます」
どうやらお昼寝していたクリス達が起きた様だ。知らせに来てくれたアレクシアさんにお礼を言いながら、座っていたベンチから立ち上がる。
「ちょどいいね。おやつの時間にしようか」
「え!? ちょっ!?」
「……どうやったの?」
「はははは!さあ出発!」
「おじさん!わたしはかたぐるま!」
「よしよし!」
お茶とおやつにはいい頃合いだろうと、旦那様が、クリスとコレットちゃんを脇に抱えて家の中に戻ろうとしているが、気が付けば抱えられていた子供達は目を白黒させていて、無邪気に喜んでいるのはソフィアちゃんだけだ。
どうも少しだけ、父親としての威厳を見せたかったらしい。可愛い人。
「ママ!だっこ!」
「うふふ」
そんな事を思いながら、走り寄って来る今のクリスを私が抱きしめた。
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