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全てを食らうもの編
呼ぼうか呼ぶまいか 海の国編
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海の国 王城 大会議室
「それでは会議を始めよ」
海の国王城の会議室に集まった面々を見渡しながら国王が宣言する。
会議室には軍関係者や大臣だけでなく、各地に点在する魚人種の集落から代表者や老婆"年老いた者"イジシなどが参加しており、また、祈りの国に所属している勇者ビアジと、数人の守護騎士団団員も参加していた。
なおブラッドを筆頭とした特級冒険者達は、現場の意見は勇者ビアジと同じだと言って参加していない。これにはビアジも含めて、特級冒険者達はめんどくさがってるだけだと思っていた。
「それでは私から発言させていただきます」
真っ白な長い髭が特徴の大将軍が起立する。
「当初は海魔の大侵攻と考えられていましたが、現在では皆様ご存じの通り、クラーケンや大海蛇など遠洋にしか出現しない魔物から、全く未知の生物までもが上陸を企てています」
赤砂の浜だけでなく、他の箇所でも大型の魔物が現れていたが、クラーケンや大海蛇などは、その巨体故に陸上での活動に全く向いていないにも拘らず、ひたすら海から離れようとしていた。
「このような状態で我々も結論が出ました。魚人種の方々が仰っているように、海で何らかの異変があり、奴らは逃げていると」
その言葉に頷く軍関係者や現場に出ていた者達。
襲撃した者達は、一心不乱に海から離れようとしていたのだ。
「そこで問題となるのが、一体何かから逃げているのかという事です。残念ながら、書庫に関係する文献はありませんでした。魚人種の方々、祈りの国の方々。なにか伝承や文献に心当たりはありませんか?」
各々が顔を見合わせて首を振る中、大将軍はイジシに視線を向けるが、彼女もまた首を振った。イジシはある事件の際に、竜が関与していると真相を言い当てたことがあったのだ。大将軍は今回もと期待していたが、イジシにも心当たりが無かった。
(いや待てよ?)
首を振ったイジシであったが、その時、曾祖母から竜の話を聞いた時を思い出した。
『海神マザサ様は竜がこちらの世界に来ないように、大海溝に結界を敷いたの』
(元々この大陸にいた竜が"こちらの世界に来ないように"?儂の記憶違いか?…いや何度思い出しても、確かにひいお婆様はそう言っていた)
このイジシが魚人種から尊敬を集めている理由に、異常な程記憶力がよく、何の間違いも無く過去の経験や体験をそのまま伝えていた事が上げられる。
(ひょっとして…どこかで混ざったのでは?竜とこちらの世界に来れないようにしているなにかと)
そんな彼女だからこそだろうか、人の話や伝え話は驚くほど変わりやすいと身に染みていた。
(あの時は実際に竜が出てきたから疑問を抱かなかったが、まさか…。ちょうど神々のお膝元にいる者達がいるではないか。聞いてみよう)
「のう、祈りの国の方々。海神マザサ様が、大海溝に敷いた封印の事は知っておるか?」
「いえ。聞いた事がありません。何か心当たりが?」
「イジシ殿。心当たりがあったら何でも言って欲しい」
祈りの国の勇者ビアジは首を横に振ったが、大将軍の方は期待する様にイジシを見ていた。
「うむ。儂は幼い頃に曾祖母から、海神マザサ様は、竜がこちらの世界に来ないように、大海溝に結界を敷いたと聞かされておった」
「つまり竜が関与していると?」
「しかしイジシ殿。あの竜は」
「いや、既に竜は居らん。これは確かじゃ。しかし儂は、竜がこちらの世界に来れんよう。この言葉に引っかかっておる。どこかで竜と、こちらの世界に来ようとしている何かが混ざったのではないかと疑っておる」
竜が居ないのは間違いない。なにせイジシと大将軍の目の前で、その体は二つに裂けて息絶えたのだ。
「そこでなのじゃが、祈りの国に、海神マザサ様に関する伝承が残ってないか調べて欲しいのじゃ」
「分かりました」
勇者ビアジは後ろに控えていた守護騎士団団員に目配せすると、団員は会議室から退出し、彼等の部屋に置かれていた通信の魔具を用いて本国に連絡を入れた。
「もしそれが正しければ…」
「うむ。竜と入れ替わったものが、どれほどの脅威かという事じゃな」
竜と入れ替わっていたのなら、元の存在は竜ほどの脅威では無いのかもしれない。竜と言う言葉の衝撃が強かったという事だからだ。
しかし、その竜の出鱈目さを思い知っている大将軍とイジシからすれば、多少劣っている程度でも、人種が太刀打ち出来るとは思えなかった。
「仮定の話で進めるのもあれじゃが…」
ゆっくりとイジシが、何かに聞かれる事を恐れるように切り出した。
「万が一の場合は"最も恐るべきモノ"の助力を請わねばならんかもしれん…」
「イジシ殿…。私もそれを考えなかった訳ではありません。しかし…」
「うむ…」
そう言った切り黙り込んでしまった2人。
もし竜と同等の力を持つ何かが原因だったとしても、対処する事に限っては心当たりがあった。
問題はその存在が、竜すら歯牙に掛けない怪物である点だった。
「大将軍殿。その"最も恐るべき者"とは?」
黙り込んでしまった2人を訝しみながら、大臣の1人が質問する。
おどろおどろしい表現だったが、助力に心当たりがあるのなら、どのような存在か知りたかったのだ。
「大臣殿。いやしかし…」
尚も言い渋る大将軍であったが、その姿に勇者ビアジが既視感を覚えた。"彼"の話題について話そうとする、自国の守護騎士団総長ベルトルドと似ていたのだ。
そこで彼もハッとする。もし神々が封印する必要があった存在でも、彼ならひょっとしてと思ったのだ。先代聖女リリアーナを襲った、上位の悪魔達を蹴散らした彼なら。
「ふむ。大将軍よ。以前"杯"が起こそうとした騒動の時に、お主が呼ぶのを反対していたユーゴと言う名の人物ではないか?」
(やはり)
自分が想像していた通りの名が、国王から告げられ納得するビアジであったが、大将軍とイジシは体をびくりとしてしまう。
「国王陛下…。確かに竜の様な存在が絡んでいるなら…。しかしまだ仮定の話です。それに、怪物を退治するのに怪物を呼び込む事態に…」
(ベルトルド総長やドナート枢機卿と言い、彼は何をやったのだろうか)
歯切れ悪く国王に発言する大将軍。
ビアジが彼の強さを見たのは、リリアーナが兵を労わろうとする時に現れた、上級悪魔達を蹴散らした時だけであったが、総長や大将軍の反応を見るに、それを遥かに超える何かをやったとしか思えなかった。
「だが竜が存在するなら、その者が必要なのであろう?」
「それは…」
尚も言い淀む大将軍であったが、その時会議室の扉が開かれ、祈りの国に連絡を入れに行った団員が返って来た。
彼はかなり慌てた様子でビアジの下へ行くと、本国からの緊急の連絡を伝えた。
その内容は勇者をして青ざめるものであった。
「たった今連絡が入りました。本国で"通知のベル"が起動し、神々が直接警告を発したと。内容は海神マザサ様が大海溝に施した結界を、異界の存在が破ろうとしている。人種では打倒不可能で、対処には先ほど話に上がったユーゴ殿に至急連絡を入れ、助力を得ろとのことです。既にこちらでユーゴ殿の下に、使者が遣わされているとの事です」
誰も言葉を発さずに沈黙し、顔を青ざめさせていた。
神々が直接危機を警告したのだ。しかも、人種では勝てないとまで言う存在が今回の騒動の原因であるとも。
「至急その者を迎え入れる準備をせよ」
水分が失われた口から発せられた、国王の言葉に異議は起こらなかった。
「それでは会議を始めよ」
海の国王城の会議室に集まった面々を見渡しながら国王が宣言する。
会議室には軍関係者や大臣だけでなく、各地に点在する魚人種の集落から代表者や老婆"年老いた者"イジシなどが参加しており、また、祈りの国に所属している勇者ビアジと、数人の守護騎士団団員も参加していた。
なおブラッドを筆頭とした特級冒険者達は、現場の意見は勇者ビアジと同じだと言って参加していない。これにはビアジも含めて、特級冒険者達はめんどくさがってるだけだと思っていた。
「それでは私から発言させていただきます」
真っ白な長い髭が特徴の大将軍が起立する。
「当初は海魔の大侵攻と考えられていましたが、現在では皆様ご存じの通り、クラーケンや大海蛇など遠洋にしか出現しない魔物から、全く未知の生物までもが上陸を企てています」
赤砂の浜だけでなく、他の箇所でも大型の魔物が現れていたが、クラーケンや大海蛇などは、その巨体故に陸上での活動に全く向いていないにも拘らず、ひたすら海から離れようとしていた。
「このような状態で我々も結論が出ました。魚人種の方々が仰っているように、海で何らかの異変があり、奴らは逃げていると」
その言葉に頷く軍関係者や現場に出ていた者達。
襲撃した者達は、一心不乱に海から離れようとしていたのだ。
「そこで問題となるのが、一体何かから逃げているのかという事です。残念ながら、書庫に関係する文献はありませんでした。魚人種の方々、祈りの国の方々。なにか伝承や文献に心当たりはありませんか?」
各々が顔を見合わせて首を振る中、大将軍はイジシに視線を向けるが、彼女もまた首を振った。イジシはある事件の際に、竜が関与していると真相を言い当てたことがあったのだ。大将軍は今回もと期待していたが、イジシにも心当たりが無かった。
(いや待てよ?)
首を振ったイジシであったが、その時、曾祖母から竜の話を聞いた時を思い出した。
『海神マザサ様は竜がこちらの世界に来ないように、大海溝に結界を敷いたの』
(元々この大陸にいた竜が"こちらの世界に来ないように"?儂の記憶違いか?…いや何度思い出しても、確かにひいお婆様はそう言っていた)
このイジシが魚人種から尊敬を集めている理由に、異常な程記憶力がよく、何の間違いも無く過去の経験や体験をそのまま伝えていた事が上げられる。
(ひょっとして…どこかで混ざったのでは?竜とこちらの世界に来れないようにしているなにかと)
そんな彼女だからこそだろうか、人の話や伝え話は驚くほど変わりやすいと身に染みていた。
(あの時は実際に竜が出てきたから疑問を抱かなかったが、まさか…。ちょうど神々のお膝元にいる者達がいるではないか。聞いてみよう)
「のう、祈りの国の方々。海神マザサ様が、大海溝に敷いた封印の事は知っておるか?」
「いえ。聞いた事がありません。何か心当たりが?」
「イジシ殿。心当たりがあったら何でも言って欲しい」
祈りの国の勇者ビアジは首を横に振ったが、大将軍の方は期待する様にイジシを見ていた。
「うむ。儂は幼い頃に曾祖母から、海神マザサ様は、竜がこちらの世界に来ないように、大海溝に結界を敷いたと聞かされておった」
「つまり竜が関与していると?」
「しかしイジシ殿。あの竜は」
「いや、既に竜は居らん。これは確かじゃ。しかし儂は、竜がこちらの世界に来れんよう。この言葉に引っかかっておる。どこかで竜と、こちらの世界に来ようとしている何かが混ざったのではないかと疑っておる」
竜が居ないのは間違いない。なにせイジシと大将軍の目の前で、その体は二つに裂けて息絶えたのだ。
「そこでなのじゃが、祈りの国に、海神マザサ様に関する伝承が残ってないか調べて欲しいのじゃ」
「分かりました」
勇者ビアジは後ろに控えていた守護騎士団団員に目配せすると、団員は会議室から退出し、彼等の部屋に置かれていた通信の魔具を用いて本国に連絡を入れた。
「もしそれが正しければ…」
「うむ。竜と入れ替わったものが、どれほどの脅威かという事じゃな」
竜と入れ替わっていたのなら、元の存在は竜ほどの脅威では無いのかもしれない。竜と言う言葉の衝撃が強かったという事だからだ。
しかし、その竜の出鱈目さを思い知っている大将軍とイジシからすれば、多少劣っている程度でも、人種が太刀打ち出来るとは思えなかった。
「仮定の話で進めるのもあれじゃが…」
ゆっくりとイジシが、何かに聞かれる事を恐れるように切り出した。
「万が一の場合は"最も恐るべきモノ"の助力を請わねばならんかもしれん…」
「イジシ殿…。私もそれを考えなかった訳ではありません。しかし…」
「うむ…」
そう言った切り黙り込んでしまった2人。
もし竜と同等の力を持つ何かが原因だったとしても、対処する事に限っては心当たりがあった。
問題はその存在が、竜すら歯牙に掛けない怪物である点だった。
「大将軍殿。その"最も恐るべき者"とは?」
黙り込んでしまった2人を訝しみながら、大臣の1人が質問する。
おどろおどろしい表現だったが、助力に心当たりがあるのなら、どのような存在か知りたかったのだ。
「大臣殿。いやしかし…」
尚も言い渋る大将軍であったが、その姿に勇者ビアジが既視感を覚えた。"彼"の話題について話そうとする、自国の守護騎士団総長ベルトルドと似ていたのだ。
そこで彼もハッとする。もし神々が封印する必要があった存在でも、彼ならひょっとしてと思ったのだ。先代聖女リリアーナを襲った、上位の悪魔達を蹴散らした彼なら。
「ふむ。大将軍よ。以前"杯"が起こそうとした騒動の時に、お主が呼ぶのを反対していたユーゴと言う名の人物ではないか?」
(やはり)
自分が想像していた通りの名が、国王から告げられ納得するビアジであったが、大将軍とイジシは体をびくりとしてしまう。
「国王陛下…。確かに竜の様な存在が絡んでいるなら…。しかしまだ仮定の話です。それに、怪物を退治するのに怪物を呼び込む事態に…」
(ベルトルド総長やドナート枢機卿と言い、彼は何をやったのだろうか)
歯切れ悪く国王に発言する大将軍。
ビアジが彼の強さを見たのは、リリアーナが兵を労わろうとする時に現れた、上級悪魔達を蹴散らした時だけであったが、総長や大将軍の反応を見るに、それを遥かに超える何かをやったとしか思えなかった。
「だが竜が存在するなら、その者が必要なのであろう?」
「それは…」
尚も言い淀む大将軍であったが、その時会議室の扉が開かれ、祈りの国に連絡を入れに行った団員が返って来た。
彼はかなり慌てた様子でビアジの下へ行くと、本国からの緊急の連絡を伝えた。
その内容は勇者をして青ざめるものであった。
「たった今連絡が入りました。本国で"通知のベル"が起動し、神々が直接警告を発したと。内容は海神マザサ様が大海溝に施した結界を、異界の存在が破ろうとしている。人種では打倒不可能で、対処には先ほど話に上がったユーゴ殿に至急連絡を入れ、助力を得ろとのことです。既にこちらでユーゴ殿の下に、使者が遣わされているとの事です」
誰も言葉を発さずに沈黙し、顔を青ざめさせていた。
神々が直接危機を警告したのだ。しかも、人種では勝てないとまで言う存在が今回の騒動の原因であるとも。
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