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日常編
穏やか
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剣の国 ユーゴ邸 ジネット
ん…朝か。
あの人は…。
ちう~~~~~~
あ!?こらセラ!血を吸い過ぎだ!離れんか!あなた!?
「ああ、ありがとうジネット。いやあ血は止まってたけど離すのも可哀そうかと」
「いえ」
首筋を見るが血は止まっている。相変わらず凄まじい肉体だ…。いかん!朝起きたばかりだ!
「お風呂ためてきますね!」
「ありがとー」
ちうーーー
セラめ!さては起きているな!?
◆
キュッ
む?ブラシか。あの人はどうもこいつを気に入っている様だが…。
んん?何を持って…。そ、それは!?あの人が結局着て欲しいと頼んできた水着!?確か競泳水着とかなんとか!?確かに昨夜2人で入った時にあの人が、やっぱり水のあるとこじゃないとね。と言って着たが置いたままだったのか!?盛り上がってしまって存在を忘れていた…。
ええい返してくれ!後でこっそり干しておく!また使うかもしれんからな!
よし魔石を起動した。あの人と一緒に入ろうか…。いや、長風呂じゃすまなくなる。夜まで待とう。
しかしこの魔石、すごい放水量だ。特別性か?
「あ、ジネットさんおはようございます」
「おはようリリ…?」
脱衣所にリリアーナがいたが、お前その乳に挟んでいるのルーじゃないか!?
「うっぷ。助けてお姉ちゃんー」
「お前何をしとるんだ!」
「?いえ、ルーちゃんと一緒に入ろうかと」
「窒息死させる気か!お前そのうち、その乳で人を殺すぞ!」
「そんなまさか」
まさかもあるか!あの人をしょっちゅうその乳に埋めているんだぞ!
「それではー」
「お姉ちゃんもはやくー」
ルーを持ったまま浴室に消えていった。意外と筋力あるなあの色ボケ聖女。ルーを抱きかかえたままとは。
私も入るか…。
ん?
待てお前ら!着る服は!?まさかそのまま寝室から来たのか!?おい!?
◆
「いいお湯ですねー」
「そうだな」
「すーい」
こらルー、風呂場で泳ぐな。
いや、水着を着てた私が言っても説得力が…。
「皆さんおはようございます」
「ああ、おはようアレクシア」
相変わらずの無表情だ。寝室ではかなり違うが。
腕に抱えてるのはセラか…。
「おひい様、着きました」
「洗ってくれアレクシアー。わし吸血鬼じゃから…すう」
「はいはい」
嘘つけ!始祖直系の王族は朝夜関係ないのは知っとるぞ!
「髪をお流ししますね」
「はーいなのじゃ…すう」
嘘寝ではないか!甘やかされたいだけだな!?
◆
「やあ、ジネットさん!今日も美人だね!」
魚屋の主人がそう言ってくるが、ふん、当然だな。あの人といつも愛し合ってるのだ、妥協はない。
んん?小僧共か。
「おっさん聞いたぞ!今度は誘拐したんだってな!」
「流石だな!」
「そろそろお昼ご飯」
「しとらんわ!あ、いや、そう捉える事も…」
よく話しかけてくる小僧共に反論するが、まあ確かに花嫁泥棒は誘拐と言えるかもしれん。
「マジでしたのかよ!?」
「やべえぞ!」
「ビスケット希望」
「ええい!ちゃんとした同意のもとだ!」
普段傍にいて思ったが、夫はリリアーナと同じように、少し父性を持て余してるように感じる。まあ、リリアーナは持て余してるというか垂れ流しているが。
「同意の誘拐ってわけわかんねえよ!」
「そんなもんねえよ!?」
「チョコでも可」
「ええい!痛い所を突きよってからに!ほら!チョコとビスケット両方やるから言いふらすんじゃないぞ!」
「ありがとおっさん!でも結構噂になってるぞ!」
「まあ仕方ないんじゃないか?」
「言ってみるもの」
「なんだと!?どんな!?」
「じゃあなおっさん!」
「またな!」
「またね」
「あ!?おい!?」
どんな噂でも私は気にしませんよ、あなた。
◆
「やあ婆さん」
「いらっしゃい坊や。フェッフェッ」
何度か夫ときているが、相変わらず得体のしれないエルフの老婆だ。これほど年老いたエルフなど他に存在するのか?エルフも我々ダークエルフも、余程でなければ死ぬまで若いままだが…。
「今日は何の用だい?精力剤かね?」
「ちげえよ婆!?」
「まあ実はまだまだ余裕だものねえ」
「そこから離れろ糞婆!!」
なに…。夫はまだ余裕を持っていたのか…。
しかし、この老婆の前だと、夫はなんというか…若返るようだ。口調も少し普段と違う、荒い言葉使いになる。
羨ましいのか、なんというかもやもやする。寝室で普段と違い荒々しく夫に…。いや、まて落ち着け。今度買ってきていた兎の耳を着けて狼になって貰おう。また意識が別に。
「はあはあ。指輪を贈ったから補充しようかと思ったんだよ」
「フェッフェッ。ようやく女運が向いて来たようだね」
「うっせえ」
まあ、変な老婆だが、この指輪を夫に売ってくれたのは感謝してもしきれない。
「ところで、その気にさせるお香があるが買ってくかい?」
「いらねえっつてんだろ!?」
「坊やに言っとらんわ」
「…え?」
わ、私か!?
まて、今の持ち合わせは…。頂こう。
「ジネット!?」
ごめんなさい。でもちょっと襲われてみたいというか…。
「フェッフェッ」
◆
夕食も終わり、のんびりしている夫の隣に座る。
「きゃっ。もう仕方ない人」
「こんないい匂いさせてるジネットが悪い」
持ち上げられて正面向きに膝の上に乗せられ、顔を私の首のあたりに埋める。
何処からか出した櫛で髪を梳かれ始める。
「あなた。実は指でされたほうが嬉しいです」
「あら。これでよろしいですかな王女様?」
「ええ。苦しうないです」
「はは」
「ふふ」
そのまま、夫を抱きしめながら体を寄せる。
なんて幸せな。
「あー!?お姉ちゃんだけずるいです!」
ルーか。悪いが暫く譲らん。
ふふ。
◆
兎の耳よし。よく分からん網目のタイツと服よし。お香よし。
いざ!!
◆
ふふ。昨夜ははすごかったな。ふふふふふ。
ん…朝か。
あの人は…。
ちう~~~~~~
あ!?こらセラ!血を吸い過ぎだ!離れんか!あなた!?
「ああ、ありがとうジネット。いやあ血は止まってたけど離すのも可哀そうかと」
「いえ」
首筋を見るが血は止まっている。相変わらず凄まじい肉体だ…。いかん!朝起きたばかりだ!
「お風呂ためてきますね!」
「ありがとー」
ちうーーー
セラめ!さては起きているな!?
◆
キュッ
む?ブラシか。あの人はどうもこいつを気に入っている様だが…。
んん?何を持って…。そ、それは!?あの人が結局着て欲しいと頼んできた水着!?確か競泳水着とかなんとか!?確かに昨夜2人で入った時にあの人が、やっぱり水のあるとこじゃないとね。と言って着たが置いたままだったのか!?盛り上がってしまって存在を忘れていた…。
ええい返してくれ!後でこっそり干しておく!また使うかもしれんからな!
よし魔石を起動した。あの人と一緒に入ろうか…。いや、長風呂じゃすまなくなる。夜まで待とう。
しかしこの魔石、すごい放水量だ。特別性か?
「あ、ジネットさんおはようございます」
「おはようリリ…?」
脱衣所にリリアーナがいたが、お前その乳に挟んでいるのルーじゃないか!?
「うっぷ。助けてお姉ちゃんー」
「お前何をしとるんだ!」
「?いえ、ルーちゃんと一緒に入ろうかと」
「窒息死させる気か!お前そのうち、その乳で人を殺すぞ!」
「そんなまさか」
まさかもあるか!あの人をしょっちゅうその乳に埋めているんだぞ!
「それではー」
「お姉ちゃんもはやくー」
ルーを持ったまま浴室に消えていった。意外と筋力あるなあの色ボケ聖女。ルーを抱きかかえたままとは。
私も入るか…。
ん?
待てお前ら!着る服は!?まさかそのまま寝室から来たのか!?おい!?
◆
「いいお湯ですねー」
「そうだな」
「すーい」
こらルー、風呂場で泳ぐな。
いや、水着を着てた私が言っても説得力が…。
「皆さんおはようございます」
「ああ、おはようアレクシア」
相変わらずの無表情だ。寝室ではかなり違うが。
腕に抱えてるのはセラか…。
「おひい様、着きました」
「洗ってくれアレクシアー。わし吸血鬼じゃから…すう」
「はいはい」
嘘つけ!始祖直系の王族は朝夜関係ないのは知っとるぞ!
「髪をお流ししますね」
「はーいなのじゃ…すう」
嘘寝ではないか!甘やかされたいだけだな!?
◆
「やあ、ジネットさん!今日も美人だね!」
魚屋の主人がそう言ってくるが、ふん、当然だな。あの人といつも愛し合ってるのだ、妥協はない。
んん?小僧共か。
「おっさん聞いたぞ!今度は誘拐したんだってな!」
「流石だな!」
「そろそろお昼ご飯」
「しとらんわ!あ、いや、そう捉える事も…」
よく話しかけてくる小僧共に反論するが、まあ確かに花嫁泥棒は誘拐と言えるかもしれん。
「マジでしたのかよ!?」
「やべえぞ!」
「ビスケット希望」
「ええい!ちゃんとした同意のもとだ!」
普段傍にいて思ったが、夫はリリアーナと同じように、少し父性を持て余してるように感じる。まあ、リリアーナは持て余してるというか垂れ流しているが。
「同意の誘拐ってわけわかんねえよ!」
「そんなもんねえよ!?」
「チョコでも可」
「ええい!痛い所を突きよってからに!ほら!チョコとビスケット両方やるから言いふらすんじゃないぞ!」
「ありがとおっさん!でも結構噂になってるぞ!」
「まあ仕方ないんじゃないか?」
「言ってみるもの」
「なんだと!?どんな!?」
「じゃあなおっさん!」
「またな!」
「またね」
「あ!?おい!?」
どんな噂でも私は気にしませんよ、あなた。
◆
「やあ婆さん」
「いらっしゃい坊や。フェッフェッ」
何度か夫ときているが、相変わらず得体のしれないエルフの老婆だ。これほど年老いたエルフなど他に存在するのか?エルフも我々ダークエルフも、余程でなければ死ぬまで若いままだが…。
「今日は何の用だい?精力剤かね?」
「ちげえよ婆!?」
「まあ実はまだまだ余裕だものねえ」
「そこから離れろ糞婆!!」
なに…。夫はまだ余裕を持っていたのか…。
しかし、この老婆の前だと、夫はなんというか…若返るようだ。口調も少し普段と違う、荒い言葉使いになる。
羨ましいのか、なんというかもやもやする。寝室で普段と違い荒々しく夫に…。いや、まて落ち着け。今度買ってきていた兎の耳を着けて狼になって貰おう。また意識が別に。
「はあはあ。指輪を贈ったから補充しようかと思ったんだよ」
「フェッフェッ。ようやく女運が向いて来たようだね」
「うっせえ」
まあ、変な老婆だが、この指輪を夫に売ってくれたのは感謝してもしきれない。
「ところで、その気にさせるお香があるが買ってくかい?」
「いらねえっつてんだろ!?」
「坊やに言っとらんわ」
「…え?」
わ、私か!?
まて、今の持ち合わせは…。頂こう。
「ジネット!?」
ごめんなさい。でもちょっと襲われてみたいというか…。
「フェッフェッ」
◆
夕食も終わり、のんびりしている夫の隣に座る。
「きゃっ。もう仕方ない人」
「こんないい匂いさせてるジネットが悪い」
持ち上げられて正面向きに膝の上に乗せられ、顔を私の首のあたりに埋める。
何処からか出した櫛で髪を梳かれ始める。
「あなた。実は指でされたほうが嬉しいです」
「あら。これでよろしいですかな王女様?」
「ええ。苦しうないです」
「はは」
「ふふ」
そのまま、夫を抱きしめながら体を寄せる。
なんて幸せな。
「あー!?お姉ちゃんだけずるいです!」
ルーか。悪いが暫く譲らん。
ふふ。
◆
兎の耳よし。よく分からん網目のタイツと服よし。お香よし。
いざ!!
◆
ふふ。昨夜ははすごかったな。ふふふふふ。
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