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第4章<最終戦線>編
145話「千、寿」
しおりを挟む 今朝の開かずの踏切は、比較的すんなり私を通してくれた。それでも、待ち合わせ時間からは三分オーバーしている。早目に出た筈なのにおかしいな。
セミロングの髪をサラサラストレートヘアにするのに朝の貴重な三十分を費やしている我が親友の姿を、遠目から探した。――いた。細い割に出るところが出ている羨ましい体型のえっちゃんを、改札前に発見する。
えっちゃんは、苛々していそうな赤色のオーラを纏っていた。……怖い。だけど私は、何気ない顔で合流する。状態が分かっていれば、対処しようもあるものだ。カンニングみたいだけど。
怒っている人には、上から怒りを被せる手が有効な筈。
ということで、私は早速「あの踏切、いつもいつもなんなの!」とキレ気味に始めた。すると案の定、えっちゃんの赤いオーラが穏やかな暖色に変わっていく。「地下道か陸橋があればいいのにねえ」と慰めてまでくれるこの優しさ。よしよし。作戦成功だ。
その後はさり気なく話題を最近話題の動画に切り替えつつ、滑り込んできた電車に乗り込む。すっかり赤い色が抜けたえっちゃんのオーラに安堵して、くだらないことを喋り続けた。
と、突然えっちゃんが黄色い声を上げ始める。伊達眼鏡の外は、薄ピンクと水色のパステルな世界に一変していて、激しくメルヘンだ。
「小春! 王子が来た!」
「ん? どれどれ」
王子とは、この沿線にある高校の制服を着た、とある一男子の非公式な通称だ。見た目と佇まいが何となく王子っぽい、という安直な理由から名付けられた。
スラリとした体型で、高身長。肌はさらりと白く、真面目そうな黒髪とのコントラストが印象的な優等生タイプ。実際はどうだか知らない。王子だから、当然顔はいい。
少し吊り上がった涼しげな切れ長の目に見つめられたいと、我々沿線女子の間で密かな人気を博していた。
これまで幾人ものチャレンジャーが果敢に挑み敗北を期している、難攻不落の王子様。噂の彼が、すぐ近くにいる。そりゃ、えっちゃんならはしゃぐだろう。内心自分もはしゃぎつつ、私は冷静なフリを保った。
「あ、いたんだ」
「やっぱり他とはひと味違うよねえ」
えっちゃんは目をハートにしている。
「やっぱり今日もひとりだね」
「孤高なんだよ、孤高。なによ、小春だって気にしてるじゃん。なによ『今日も』って」
えっちゃんが私の脇腹を小突いた。痛い。
私もそれなりにキャーキャー言っている口ではあるけど、王子は基本いつもひとりで電車に乗っているし、一度も笑顔を見たことがない。車内にひとりでいて笑っていたら不気味だから当然な話だけど、それにしたって友達のひとりもいないのか。
もし本気で孤高を目指しているんだったら、彼氏にするのはいくら顔がよくても正直願い下げだ。ぼっちだから自分に時間を割けと言われるのは、窓の向こうの幼馴染みだけで間に合っている。
ダサい伊達眼鏡をかけた田舎っぽいおかっぱ女子の私にそう思われても、彼は痛くも痒くもないだろう。だけど私はあえて声を大にして主張したい。眼福で済ませたいものは、世の中確かに存在するのだと。
私の中で彼は、正に象徴的な眼福限定ものだった。つまり、見ていればそれで十分。
「にしても、いつも何の本を読んでるんだろうねえ」
ピンクを撒き散らしたえっちゃんが、本を読みながら佇んでいる王子をうっとりと眺める。まあ、確かに骨ばった大きな手などの各パーツはすこぶるいい。文庫サイズの本が小さく見えて、絵になる。美術部所属の私が言うんだから、間違いない。
「実は官能小説とかだったらどうする」
「ちょっと小春。あんた時々、いやしょっちゅう人の夢をぶち壊すようなことを言うのやめてくれない?」
プロレタリア文学を読み耽っているよりはよほど人間味があると思ったけど、どうやらえっちゃんの中では違ったらしい。眼鏡の外が、一気に不穏な色に染まってしまった。やりすぎたらしい。
「……申し訳ございませぬ」
「仕方ない、許してしんぜよう」
えっちゃんは優しい。
一本前の電車が混雑していたからか、私たちが乗る電車はかなり空いていた。元々下り電車だからそこまで混むことは滅多になくて、座席がほぼ埋まり、ぽつりぽつりと立っている人がいる程度だ。
私とえっちゃんは、彼が立つ場所からは対角線上にある扉の前に立っていた。二人して遠慮なく凝視しているけど、私たちの視線に一切反応を示さない。……鈍感なのかな。
思ったよりも近くにいて、私と王子の間に障害物となる人間はいない。
そのせいだろう。よせばいいのに、むくむくと興味が湧いてしまった。
だからこれは、魔が差したとしか言いようがない。くらくらするので、普段は外で伊達眼鏡を外すことなんてしないからだ。
王子のオーラが視たい。私はスッと伊達眼鏡を取った。
その直後。
キイイイイッ!
電車が急ブレーキをかけ、私たちは大きくバランスを崩す。
「きゃっ」
「うお!」
えっちゃんの可愛らしい小さな悲鳴とは対照的な、なかなか勇ましい声が出た。転びそうになった勢いで、伊達眼鏡が宙を舞う。
「ちょっとちょっと!」
慌てて手を伸ばした。ナイスキャッチ――となる筈が、電車は再び激しいブレーキを掛ける。何やってんの、運転手!
「待て、この!」
だが、私の願いも虚しく、伊達眼鏡は私の指を弾いた。そのままヒューッと、よろけている王子の足許まで飛んでいく。
グシャ! という悲しい破壊音が、ざわついた電車内に小さく響いた。
「……あああああ! 私の眼鏡が!」
慌てて王子の足許に跪く。伊達眼鏡を踏みつけている王子の足首を掴んで持ち上げたけど、一足遅かったらしい。プラスチックのレンズが見事に外れ、フレームはバキバキに割れてしまっている。
「うお……まじか」
色気皆無の台詞が、思わず口を突いて出た。
「あ、あの」
頭上から、思っていたよりも優しげな声が降ってくる。間抜けなことに、その時点になってようやく、私は自分の手が王子の足首を掴んで持ち上げたままなことに気が付いた。
チラリとえっちゃんを見る。恐ろしげに目を見開いている。これは拙いぞ。
恐る恐る、王子を見上げた。
プシューッと音を立てて、ドアが開いていく。
王子の背中から、見たことのない白い後光が差していた。
セミロングの髪をサラサラストレートヘアにするのに朝の貴重な三十分を費やしている我が親友の姿を、遠目から探した。――いた。細い割に出るところが出ている羨ましい体型のえっちゃんを、改札前に発見する。
えっちゃんは、苛々していそうな赤色のオーラを纏っていた。……怖い。だけど私は、何気ない顔で合流する。状態が分かっていれば、対処しようもあるものだ。カンニングみたいだけど。
怒っている人には、上から怒りを被せる手が有効な筈。
ということで、私は早速「あの踏切、いつもいつもなんなの!」とキレ気味に始めた。すると案の定、えっちゃんの赤いオーラが穏やかな暖色に変わっていく。「地下道か陸橋があればいいのにねえ」と慰めてまでくれるこの優しさ。よしよし。作戦成功だ。
その後はさり気なく話題を最近話題の動画に切り替えつつ、滑り込んできた電車に乗り込む。すっかり赤い色が抜けたえっちゃんのオーラに安堵して、くだらないことを喋り続けた。
と、突然えっちゃんが黄色い声を上げ始める。伊達眼鏡の外は、薄ピンクと水色のパステルな世界に一変していて、激しくメルヘンだ。
「小春! 王子が来た!」
「ん? どれどれ」
王子とは、この沿線にある高校の制服を着た、とある一男子の非公式な通称だ。見た目と佇まいが何となく王子っぽい、という安直な理由から名付けられた。
スラリとした体型で、高身長。肌はさらりと白く、真面目そうな黒髪とのコントラストが印象的な優等生タイプ。実際はどうだか知らない。王子だから、当然顔はいい。
少し吊り上がった涼しげな切れ長の目に見つめられたいと、我々沿線女子の間で密かな人気を博していた。
これまで幾人ものチャレンジャーが果敢に挑み敗北を期している、難攻不落の王子様。噂の彼が、すぐ近くにいる。そりゃ、えっちゃんならはしゃぐだろう。内心自分もはしゃぎつつ、私は冷静なフリを保った。
「あ、いたんだ」
「やっぱり他とはひと味違うよねえ」
えっちゃんは目をハートにしている。
「やっぱり今日もひとりだね」
「孤高なんだよ、孤高。なによ、小春だって気にしてるじゃん。なによ『今日も』って」
えっちゃんが私の脇腹を小突いた。痛い。
私もそれなりにキャーキャー言っている口ではあるけど、王子は基本いつもひとりで電車に乗っているし、一度も笑顔を見たことがない。車内にひとりでいて笑っていたら不気味だから当然な話だけど、それにしたって友達のひとりもいないのか。
もし本気で孤高を目指しているんだったら、彼氏にするのはいくら顔がよくても正直願い下げだ。ぼっちだから自分に時間を割けと言われるのは、窓の向こうの幼馴染みだけで間に合っている。
ダサい伊達眼鏡をかけた田舎っぽいおかっぱ女子の私にそう思われても、彼は痛くも痒くもないだろう。だけど私はあえて声を大にして主張したい。眼福で済ませたいものは、世の中確かに存在するのだと。
私の中で彼は、正に象徴的な眼福限定ものだった。つまり、見ていればそれで十分。
「にしても、いつも何の本を読んでるんだろうねえ」
ピンクを撒き散らしたえっちゃんが、本を読みながら佇んでいる王子をうっとりと眺める。まあ、確かに骨ばった大きな手などの各パーツはすこぶるいい。文庫サイズの本が小さく見えて、絵になる。美術部所属の私が言うんだから、間違いない。
「実は官能小説とかだったらどうする」
「ちょっと小春。あんた時々、いやしょっちゅう人の夢をぶち壊すようなことを言うのやめてくれない?」
プロレタリア文学を読み耽っているよりはよほど人間味があると思ったけど、どうやらえっちゃんの中では違ったらしい。眼鏡の外が、一気に不穏な色に染まってしまった。やりすぎたらしい。
「……申し訳ございませぬ」
「仕方ない、許してしんぜよう」
えっちゃんは優しい。
一本前の電車が混雑していたからか、私たちが乗る電車はかなり空いていた。元々下り電車だからそこまで混むことは滅多になくて、座席がほぼ埋まり、ぽつりぽつりと立っている人がいる程度だ。
私とえっちゃんは、彼が立つ場所からは対角線上にある扉の前に立っていた。二人して遠慮なく凝視しているけど、私たちの視線に一切反応を示さない。……鈍感なのかな。
思ったよりも近くにいて、私と王子の間に障害物となる人間はいない。
そのせいだろう。よせばいいのに、むくむくと興味が湧いてしまった。
だからこれは、魔が差したとしか言いようがない。くらくらするので、普段は外で伊達眼鏡を外すことなんてしないからだ。
王子のオーラが視たい。私はスッと伊達眼鏡を取った。
その直後。
キイイイイッ!
電車が急ブレーキをかけ、私たちは大きくバランスを崩す。
「きゃっ」
「うお!」
えっちゃんの可愛らしい小さな悲鳴とは対照的な、なかなか勇ましい声が出た。転びそうになった勢いで、伊達眼鏡が宙を舞う。
「ちょっとちょっと!」
慌てて手を伸ばした。ナイスキャッチ――となる筈が、電車は再び激しいブレーキを掛ける。何やってんの、運転手!
「待て、この!」
だが、私の願いも虚しく、伊達眼鏡は私の指を弾いた。そのままヒューッと、よろけている王子の足許まで飛んでいく。
グシャ! という悲しい破壊音が、ざわついた電車内に小さく響いた。
「……あああああ! 私の眼鏡が!」
慌てて王子の足許に跪く。伊達眼鏡を踏みつけている王子の足首を掴んで持ち上げたけど、一足遅かったらしい。プラスチックのレンズが見事に外れ、フレームはバキバキに割れてしまっている。
「うお……まじか」
色気皆無の台詞が、思わず口を突いて出た。
「あ、あの」
頭上から、思っていたよりも優しげな声が降ってくる。間抜けなことに、その時点になってようやく、私は自分の手が王子の足首を掴んで持ち上げたままなことに気が付いた。
チラリとえっちゃんを見る。恐ろしげに目を見開いている。これは拙いぞ。
恐る恐る、王子を見上げた。
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