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第4章<最終戦線>編
135話「小さな、勇者」
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タウラスは死んだ。
だが王都防衛戦はまだまだ終わってない……狂死郎が王都レガーに解き放ったモンスター、死神は倒す事ができたが、それが残した召喚モンスター、呪縛無限骨霊はコアに僅かにダメージを与えても尚健在だ。
「アニキ……嘘だ……返事をしてくれよ!!アニキ!!」
この状況を前にしているドラコは、タウラスの突然の死にひどく動揺していた。
これまでずっと尊敬し慕っていた存在であるタウラスが死んでしまったのだから無理もない……ドラコはまだ13歳……その事実を簡単に受け入れられる程達観してはおらず、仁王立ちの状態で動かないタウラスの名前を必死に呼びかける。
「グ……ギゲゴゴゲ……!」
一方で、無限骨霊はヒビの入ったコアを修復する為に自らに回復魔術を施している最中だった。
コアが完全に修復してしまったら無限骨霊は先程までの力を完全に取り戻すのだ。
それは王都を守る冒険者としてなんとしても阻止しなくてはならない……しかし、それよりもタウラスの方に駆け寄るドラコ。
「アニキ!!おい!!アニキ!!」
ドラコがどれだけ呼びかけてもタウラスは返事をしない。
今の彼にとって優先すべき事は無限骨霊の回復を阻止する事だったが、心が動揺してしまったが為に判断を誤ってしまう……
「ドラコさん……!」
「っ……ヒトミ、さん……!」
それを見ていた仁美とベル。
ベルはヒトミの名を呼び、彼女にあるお願いをしようとする。
「ワープゲートは、使える……?」
「は、はい。」
「なら……私をドラコの元に!あの腑抜けたバカを……一発殴ってやんないと……!」
「……分かりました……!」
仁美は即座にワープゲートを出現させた。
ベルは怪我が治ったばかりの身体をなんとか動かし、そのゲートを通って50メートル以上先のドラコの元に辿り着き、そきて……
「バカヤロー!!」
バキィッ!!
「ッて……!!」
ベルは本当にドラコの頬に鉄拳をお見舞いした。
それを喰らって一瞬頭が真っ白になるドラコの襟をすかさず掴み彼をこう諭す。
「今!!あの骸骨ヤローを倒さなくちゃ皆死ぬ!!アンタも!!ここにいる冒険者達も!!王都レガーの住人も皆!!そうならないように私達が戦ってるんだろうが!!」
「っ……!!」
ドラコにあえて強い言葉で言ってかかるベルだったが、当然彼女自身にとってもタウラスの死は大きなものだった。
泣きたい気持ちを必死に抑えてドラコに強くあたってるのだ。
「でも……タウラスが……」
「アンタの心は手に取るように分かる!!私だってそうだよ!!悔しいし悲しいよ!!でも……タウラスがせっかく作ったチャンスを無駄にする訳にもいかないでしょ!!だから……」
ベルは一息ついた直後にタウラスが持っていた浄魂の剣を取り上げ、それをドラコの手に握らせる。
「だから戦うしかないんだよ。どれだけ悔しくても、悲しくても、辛くてもね……自分が命懸けで作ったチャンスが無駄にされてるのタウラスが見たら、私達の事殴りたくて仕方なくなるでしょ……アイツは私達に勝ってほしいから……いや、生きてほしいから自分の命を賭けたの!!」
ドラコをなんとか説得しようとしているベルだったが、そんな最中でも無限骨霊は傷の回復を行っている。
このままではあと数分と保たない内にコアの傷は完全に回復してしまう……その時。
「アイススティンガー!!」
ゴォォォッ!!
無限骨霊に向けて放たれた氷の槍。
それから身を守る為に無限骨霊は回復の手を止め、防御結界を張る魔術によって自らを守った。
だが氷の槍は次々に無限骨霊を襲い、中々防御をやめさせない。
「ヒトミさん……!」
「ここは私が……!!」
魔術による怒涛の攻撃で無限骨霊の回復の妨害をしていたのは仁美だった。
「アイススティンガー・エクシード!!」
さらに仁美は8本の氷の槍を円形に展開し、それによって無限骨霊の防御結界を破壊しようとする。
「ゲゴゴ……ガガ!!」
無限骨霊は限界まで硬度を高めた結界を展開し、迫り来るアイススティンガー・エクシードから身を守ろうとする。
ガキィンッ!!ギギギギ……!!
アイススティンガー・エクシードと最高硬度の結界がぶつかり合い、耳を劈くような激しい音が鳴り響く。
そんな中、ベルはドラコを奮起させる為の最後の説得を試みる。
「ドラコ!!私達の原点を思い出して!!私達はなんで冒険者になったの!!」
「……俺は……!!」
ゴォォォォォ!!
その時、無限骨霊の方から大きな音が轟き、そして禍々しいオーラが戦場全体を包む。
「グォァァ……!!」
「なんだ、これは……」
その場で戦っていた冒険者達とモンスターはそのオーラに当てられ次々に倒れていく。
追い詰められた無限骨霊は最後の抵抗を覚悟した。
自らの内に秘めた全ての力を解放し全ての敵を葬る最強の状態になったのだ。
「うぅ……ドラコ……このままじっとしてるか、戦うか……選んで……!!」
ベルもオーラにあてられ気を失いそうなになるが、ドラコが奮起するまでは倒れる訳にはいかないと、なんとか気を保っていた。
大切な存在を……タウラスを失ってきまったドラコ。
彼の心の中心にはいつもタウラスがいた……それがもういない。
それでも戦わなくてはいけない……戦わなくてはいけないのだ……憧れの冒険者の背中を追ってここまで来たんだから……
「俺は……俺は……うぉぉぉぉぉ!!」
覚悟を決めたドラコはベルの手から浄魂の剣を受け取る。
__キィィィィィィィン!!
次の瞬間、浄魂の剣が眩い輝きを放ち、戦場を覆っていた無限骨霊のオーラを打ち消したのだった。
「グゲゲ……!?」
「これは……!?」
「……浄魂の剣が彼を選んだのですね……まさか彼が……剣の真のパートナーになるなんて……!!」
突然の自体に困惑する無限骨霊とベルだったが、仁美だけは知っていた……浄魂の剣に予め備えられていた特性を……。
浄魂の剣は持ち主によって性能が変化するのだ。
以前ソレイユが扱っていた時は剣の本領を半分より少し高いぐらいしか発揮できていなかったが、それを全力で発揮できる人間がいるとしたら……剣は唯一無二の圧倒的な力を発揮する伝説級の武器になる。
そして、その人間こそがドラコだったのだ。
「ドラコ……アンタ……何それ……!!」
「なんだか知らねぇが、やってやるぜ!!」
悪の手から世界を守る為、1人の小さな勇者が立ち上がった。
だが王都防衛戦はまだまだ終わってない……狂死郎が王都レガーに解き放ったモンスター、死神は倒す事ができたが、それが残した召喚モンスター、呪縛無限骨霊はコアに僅かにダメージを与えても尚健在だ。
「アニキ……嘘だ……返事をしてくれよ!!アニキ!!」
この状況を前にしているドラコは、タウラスの突然の死にひどく動揺していた。
これまでずっと尊敬し慕っていた存在であるタウラスが死んでしまったのだから無理もない……ドラコはまだ13歳……その事実を簡単に受け入れられる程達観してはおらず、仁王立ちの状態で動かないタウラスの名前を必死に呼びかける。
「グ……ギゲゴゴゲ……!」
一方で、無限骨霊はヒビの入ったコアを修復する為に自らに回復魔術を施している最中だった。
コアが完全に修復してしまったら無限骨霊は先程までの力を完全に取り戻すのだ。
それは王都を守る冒険者としてなんとしても阻止しなくてはならない……しかし、それよりもタウラスの方に駆け寄るドラコ。
「アニキ!!おい!!アニキ!!」
ドラコがどれだけ呼びかけてもタウラスは返事をしない。
今の彼にとって優先すべき事は無限骨霊の回復を阻止する事だったが、心が動揺してしまったが為に判断を誤ってしまう……
「ドラコさん……!」
「っ……ヒトミ、さん……!」
それを見ていた仁美とベル。
ベルはヒトミの名を呼び、彼女にあるお願いをしようとする。
「ワープゲートは、使える……?」
「は、はい。」
「なら……私をドラコの元に!あの腑抜けたバカを……一発殴ってやんないと……!」
「……分かりました……!」
仁美は即座にワープゲートを出現させた。
ベルは怪我が治ったばかりの身体をなんとか動かし、そのゲートを通って50メートル以上先のドラコの元に辿り着き、そきて……
「バカヤロー!!」
バキィッ!!
「ッて……!!」
ベルは本当にドラコの頬に鉄拳をお見舞いした。
それを喰らって一瞬頭が真っ白になるドラコの襟をすかさず掴み彼をこう諭す。
「今!!あの骸骨ヤローを倒さなくちゃ皆死ぬ!!アンタも!!ここにいる冒険者達も!!王都レガーの住人も皆!!そうならないように私達が戦ってるんだろうが!!」
「っ……!!」
ドラコにあえて強い言葉で言ってかかるベルだったが、当然彼女自身にとってもタウラスの死は大きなものだった。
泣きたい気持ちを必死に抑えてドラコに強くあたってるのだ。
「でも……タウラスが……」
「アンタの心は手に取るように分かる!!私だってそうだよ!!悔しいし悲しいよ!!でも……タウラスがせっかく作ったチャンスを無駄にする訳にもいかないでしょ!!だから……」
ベルは一息ついた直後にタウラスが持っていた浄魂の剣を取り上げ、それをドラコの手に握らせる。
「だから戦うしかないんだよ。どれだけ悔しくても、悲しくても、辛くてもね……自分が命懸けで作ったチャンスが無駄にされてるのタウラスが見たら、私達の事殴りたくて仕方なくなるでしょ……アイツは私達に勝ってほしいから……いや、生きてほしいから自分の命を賭けたの!!」
ドラコをなんとか説得しようとしているベルだったが、そんな最中でも無限骨霊は傷の回復を行っている。
このままではあと数分と保たない内にコアの傷は完全に回復してしまう……その時。
「アイススティンガー!!」
ゴォォォッ!!
無限骨霊に向けて放たれた氷の槍。
それから身を守る為に無限骨霊は回復の手を止め、防御結界を張る魔術によって自らを守った。
だが氷の槍は次々に無限骨霊を襲い、中々防御をやめさせない。
「ヒトミさん……!」
「ここは私が……!!」
魔術による怒涛の攻撃で無限骨霊の回復の妨害をしていたのは仁美だった。
「アイススティンガー・エクシード!!」
さらに仁美は8本の氷の槍を円形に展開し、それによって無限骨霊の防御結界を破壊しようとする。
「ゲゴゴ……ガガ!!」
無限骨霊は限界まで硬度を高めた結界を展開し、迫り来るアイススティンガー・エクシードから身を守ろうとする。
ガキィンッ!!ギギギギ……!!
アイススティンガー・エクシードと最高硬度の結界がぶつかり合い、耳を劈くような激しい音が鳴り響く。
そんな中、ベルはドラコを奮起させる為の最後の説得を試みる。
「ドラコ!!私達の原点を思い出して!!私達はなんで冒険者になったの!!」
「……俺は……!!」
ゴォォォォォ!!
その時、無限骨霊の方から大きな音が轟き、そして禍々しいオーラが戦場全体を包む。
「グォァァ……!!」
「なんだ、これは……」
その場で戦っていた冒険者達とモンスターはそのオーラに当てられ次々に倒れていく。
追い詰められた無限骨霊は最後の抵抗を覚悟した。
自らの内に秘めた全ての力を解放し全ての敵を葬る最強の状態になったのだ。
「うぅ……ドラコ……このままじっとしてるか、戦うか……選んで……!!」
ベルもオーラにあてられ気を失いそうなになるが、ドラコが奮起するまでは倒れる訳にはいかないと、なんとか気を保っていた。
大切な存在を……タウラスを失ってきまったドラコ。
彼の心の中心にはいつもタウラスがいた……それがもういない。
それでも戦わなくてはいけない……戦わなくてはいけないのだ……憧れの冒険者の背中を追ってここまで来たんだから……
「俺は……俺は……うぉぉぉぉぉ!!」
覚悟を決めたドラコはベルの手から浄魂の剣を受け取る。
__キィィィィィィィン!!
次の瞬間、浄魂の剣が眩い輝きを放ち、戦場を覆っていた無限骨霊のオーラを打ち消したのだった。
「グゲゲ……!?」
「これは……!?」
「……浄魂の剣が彼を選んだのですね……まさか彼が……剣の真のパートナーになるなんて……!!」
突然の自体に困惑する無限骨霊とベルだったが、仁美だけは知っていた……浄魂の剣に予め備えられていた特性を……。
浄魂の剣は持ち主によって性能が変化するのだ。
以前ソレイユが扱っていた時は剣の本領を半分より少し高いぐらいしか発揮できていなかったが、それを全力で発揮できる人間がいるとしたら……剣は唯一無二の圧倒的な力を発揮する伝説級の武器になる。
そして、その人間こそがドラコだったのだ。
「ドラコ……アンタ……何それ……!!」
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