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第4章<最終戦線>編
132話「3人の、始まり」
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消えた村の生き残りのベルとドラコに会ったあの日から、俺は毎日ベルとドラコのいる病院に通った。
冒険者として楽しかった事、辛かった事、倒したモンスターの事、色々な事を2人に話し、2人はそれを目を輝かせながら聞いてくれた。
今のドラコは俺の事をアニキと呼んでくれているが、確かそう呼ぶようになったのはこの時からだったな。
「サンドワームの群れに追い詰められる冒険者達!そこに俺が駆けつけ、あっという間にサンドワームの群れを片付けたのよ!」
「おぉ~!」
「俺は南の砂漠地方で英雄として称えられた!ま、俺にかかればこんなもん__」
「……アニキ?」
「つ、次は北のネープル村で開催された喧嘩祭りで俺が優勝した時の事を話そうか!あの頃は俺も若くてよぉ……」
◇
「じゃ、今日は帰るぞ。」
「またきてね!アニキ!」
「楽しみにしてるね。」
「おう!ちゃんと病院のお姉さんの言う事聞いていい子にしてるんだぞ!ベルはお姉ちゃんだから、ドラコをちゃんと見とくんだぞ?」
「分かった。ドラコは私が見とく。」
「おれもちゃんといいこにしとくよ!」
「あぁ、じゃあまた明日!」
時々あの日の……俺が油断したせいでベルとドラコの村が壊滅に追いやられた日の記憶がフラッシュバックする事があった。
どれだけ忘れようとしても、過去が消える事はない……けど、それを思いでした後はいつも俺は自分を殴った。
ガッ
「馬鹿野郎……あの2人があんな顔で俺を見てくれてるんだ……俺は、2人にとってカッコイイ兄貴でねぇと……!」
自分にそう言い聞かせる事が2人への……いや、俺が殺したも同然の村人達への贖罪のつもりだったのだろうか、と今は思う。
◇
5年の月日が流れた。
俺は危険度神獣レベルのモンスターを倒した事により特級冒険者となり、ドラコは8歳、ベルは12歳。
2人は病院を出て、2人のようなモンスター災害によって親を失った孤児が何人も保護されている孤児院で生活していた。
その2人に会いに行く場所が病院から孤児院に変わった事で、俺はいつの間にか2人だけでなく孤児院の子供達皆のヒーローになっていた。
「こらこら、話が聞きたいなら1つずつ話していくぞ~!」
「はーい!冒険者で1番強いのは誰ですかー!」
「1番強い冒険者?それ俺に聞いちゃうか~?まぁ冒険者なんて2級か1級なら上澄みレベルの強さだとは思うが……やっぱ最強は特級!つまり俺だ!ガーッハッハッハ!」
「はーい!タウラスさんに好きな女の子はいますかー!」
「す、好きな女の子ぉ?最近のガキはマセてんなぁオイ!まぁ強いて言うならしょ……」
「しょ……?」
「商店街で花屋をやってるシャーリーお姉さんかなー!」
「シ、シャーリーおねえさんは俺と結婚するんだぞ!」
「お前には無理だー!」
「何~?」
「お、おいおい喧嘩するなって!」
皆人懐っこい子達で、とてもモンスターによって親を失った悲しみとか、そういうものは感じさせない子ばかりだった。
だからこそ自分がクヨクヨしてちゃいけねぇ……ちゃんと前見て歩いていかねぇとって思って、嫌な記憶は忘れようと決めたんだ。
孤児院のヒーローをやってる内に、特級冒険者としての心構えみたいなのも身についていったのかもしれない。
◇
そこからさらに2年の月日が流れたある日、王国アダンの冒険者ギルド最高責任者、ギルドマスターが俺を指名しある任務を依頼してきた。
「黒いモヤを纏ったモンスター……?」
「あぁ。ここ数日王国アストレアでそういうモンスターが目撃されるようになったらしい。なんでも黒いモヤを纏ったモンスターは、モンスター本来の生態では有り得ないような黒い触手を操り獲物を襲うのだとか……」
「マジか……俺は百獣変化を使いこなす為にあらゆるモンスターの生態を学んできたが……黒いモヤに黒い触手……そんなもん見た事も聞いた事もねぇぞ……ただの見間違いじゃねぇのか?」
「いや……目撃例は複数、別々の場所で、複数の人間によって挙げられている。精神に干渉する類の未知のモンスターが現れた……という線もあるが、人の手によって作為的に起こされた現象という可能性も捨てきれない……何にせよ、普通では無い事が起こってるという事実だけが確かに存在する。」
「で、ヒーローの出番という訳か?」
それが俺が与えられた任務……王国アストレアに行き謎のモンスターの調査をする事だ。
長旅になるだろうと想定した俺は王国アストレアに行く為の準備を整えた後、孤児院の子供達に別れの挨拶をしに行った。
「__という訳だからよ!しばらく皆と会えなくなるけど……俺がいなくてもいい子でいるんだぞ!」
「……」
俺が皆に別れの挨拶を告げると、皆は何かを言いたげな様子でいた。
別れが寂しいとか、笑顔で見送るとか、そういうのとは違った様子の……一体なんだろうと思ってた時、皆の中からドラコとベルが出てきてこう言い出した。
「アニキ!」
「私達も連れて行って!」
「な……!」
突然そう言い出す2人には心底驚かされたもんだ。
「俺達は冒険者に憧れてるんだよ!」
「あぁ、それは分かってるが……」
「何でだと思う?」
「いや、それは……」
「私達はモンスターに親と村を奪われたの。だから、そんな思いをする子供が少しでも減るようにって頑張るタウラスが……冒険者がかっこよく見えた!そして……冒険者になりたいって思った!」
「俺もだ!アニキは世界一かっけー冒険者だと思う!俺もアニキみてーになりてぇ!冒険者っていうのが危険な仕事ってのは分かってるけど……なりてぇんだよ!」
ベルは俺の目を真っ直ぐ見つめて俺にそう語った。
俺はそこで「ダメだ」って言おうとした……そう言わなきゃいけなかった……にも関わらず、どうにもその言葉が喉から出てこなかった。
「……」
俺と同じだ……憧れってもんは人に止められるもんじゃない……俺の両親もこんな気持ちだったんだな、とその時ようやく気づく事にできた。
だから、止めるのではなく、2人の「覚悟」を問いただした。
「冒険者が危険な仕事っつったな。だがそんなもんじゃねぇ……冒険者ってのは命に関わる仕事だ。お前らがやめてって言ってもモンスターは攻撃を止めてはくれねぇぞ。俺は強いからいいがお前らは違う。同じモンスターを討伐するクエストでも俺とお前らじゃ生存率はかなり差があるだろうな。もちろんお前らの方が低い。だからそうならないように……少しでもお前らをマシな冒険者にするように俺が鍛えてやる。冒険者をやるなら最低でも3年は鍛えるぞ。3年間耐えきったら冒険者にする……諦めるのならそれは止めねぇ……ここに帰ってもらうがな。それでもやるか?冒険者。」
「あぁ!やってやるぜ!俺にはそれしかねえんだ!」
「私達、この日が来ると思ってたくさん剣の訓練してきたんだよ!」
覚悟を決めた表情のドラコとベルは右手を前に突き出しそう宣言した。
ベルの言っている事は本当らしく、2人とも右手に剣だこができている……それぐらいにはやることやってきたみたいだ。
「……それがお前達の答えか……いいぜ!この特級冒険者、タウラス・トレスがお前らを導いてやる!全力で付いてこい!」
その日、俺はドラコとベルを連れて王国アダンを出た。
それが俺達3人のスタートだった……。
冒険者として楽しかった事、辛かった事、倒したモンスターの事、色々な事を2人に話し、2人はそれを目を輝かせながら聞いてくれた。
今のドラコは俺の事をアニキと呼んでくれているが、確かそう呼ぶようになったのはこの時からだったな。
「サンドワームの群れに追い詰められる冒険者達!そこに俺が駆けつけ、あっという間にサンドワームの群れを片付けたのよ!」
「おぉ~!」
「俺は南の砂漠地方で英雄として称えられた!ま、俺にかかればこんなもん__」
「……アニキ?」
「つ、次は北のネープル村で開催された喧嘩祭りで俺が優勝した時の事を話そうか!あの頃は俺も若くてよぉ……」
◇
「じゃ、今日は帰るぞ。」
「またきてね!アニキ!」
「楽しみにしてるね。」
「おう!ちゃんと病院のお姉さんの言う事聞いていい子にしてるんだぞ!ベルはお姉ちゃんだから、ドラコをちゃんと見とくんだぞ?」
「分かった。ドラコは私が見とく。」
「おれもちゃんといいこにしとくよ!」
「あぁ、じゃあまた明日!」
時々あの日の……俺が油断したせいでベルとドラコの村が壊滅に追いやられた日の記憶がフラッシュバックする事があった。
どれだけ忘れようとしても、過去が消える事はない……けど、それを思いでした後はいつも俺は自分を殴った。
ガッ
「馬鹿野郎……あの2人があんな顔で俺を見てくれてるんだ……俺は、2人にとってカッコイイ兄貴でねぇと……!」
自分にそう言い聞かせる事が2人への……いや、俺が殺したも同然の村人達への贖罪のつもりだったのだろうか、と今は思う。
◇
5年の月日が流れた。
俺は危険度神獣レベルのモンスターを倒した事により特級冒険者となり、ドラコは8歳、ベルは12歳。
2人は病院を出て、2人のようなモンスター災害によって親を失った孤児が何人も保護されている孤児院で生活していた。
その2人に会いに行く場所が病院から孤児院に変わった事で、俺はいつの間にか2人だけでなく孤児院の子供達皆のヒーローになっていた。
「こらこら、話が聞きたいなら1つずつ話していくぞ~!」
「はーい!冒険者で1番強いのは誰ですかー!」
「1番強い冒険者?それ俺に聞いちゃうか~?まぁ冒険者なんて2級か1級なら上澄みレベルの強さだとは思うが……やっぱ最強は特級!つまり俺だ!ガーッハッハッハ!」
「はーい!タウラスさんに好きな女の子はいますかー!」
「す、好きな女の子ぉ?最近のガキはマセてんなぁオイ!まぁ強いて言うならしょ……」
「しょ……?」
「商店街で花屋をやってるシャーリーお姉さんかなー!」
「シ、シャーリーおねえさんは俺と結婚するんだぞ!」
「お前には無理だー!」
「何~?」
「お、おいおい喧嘩するなって!」
皆人懐っこい子達で、とてもモンスターによって親を失った悲しみとか、そういうものは感じさせない子ばかりだった。
だからこそ自分がクヨクヨしてちゃいけねぇ……ちゃんと前見て歩いていかねぇとって思って、嫌な記憶は忘れようと決めたんだ。
孤児院のヒーローをやってる内に、特級冒険者としての心構えみたいなのも身についていったのかもしれない。
◇
そこからさらに2年の月日が流れたある日、王国アダンの冒険者ギルド最高責任者、ギルドマスターが俺を指名しある任務を依頼してきた。
「黒いモヤを纏ったモンスター……?」
「あぁ。ここ数日王国アストレアでそういうモンスターが目撃されるようになったらしい。なんでも黒いモヤを纏ったモンスターは、モンスター本来の生態では有り得ないような黒い触手を操り獲物を襲うのだとか……」
「マジか……俺は百獣変化を使いこなす為にあらゆるモンスターの生態を学んできたが……黒いモヤに黒い触手……そんなもん見た事も聞いた事もねぇぞ……ただの見間違いじゃねぇのか?」
「いや……目撃例は複数、別々の場所で、複数の人間によって挙げられている。精神に干渉する類の未知のモンスターが現れた……という線もあるが、人の手によって作為的に起こされた現象という可能性も捨てきれない……何にせよ、普通では無い事が起こってるという事実だけが確かに存在する。」
「で、ヒーローの出番という訳か?」
それが俺が与えられた任務……王国アストレアに行き謎のモンスターの調査をする事だ。
長旅になるだろうと想定した俺は王国アストレアに行く為の準備を整えた後、孤児院の子供達に別れの挨拶をしに行った。
「__という訳だからよ!しばらく皆と会えなくなるけど……俺がいなくてもいい子でいるんだぞ!」
「……」
俺が皆に別れの挨拶を告げると、皆は何かを言いたげな様子でいた。
別れが寂しいとか、笑顔で見送るとか、そういうのとは違った様子の……一体なんだろうと思ってた時、皆の中からドラコとベルが出てきてこう言い出した。
「アニキ!」
「私達も連れて行って!」
「な……!」
突然そう言い出す2人には心底驚かされたもんだ。
「俺達は冒険者に憧れてるんだよ!」
「あぁ、それは分かってるが……」
「何でだと思う?」
「いや、それは……」
「私達はモンスターに親と村を奪われたの。だから、そんな思いをする子供が少しでも減るようにって頑張るタウラスが……冒険者がかっこよく見えた!そして……冒険者になりたいって思った!」
「俺もだ!アニキは世界一かっけー冒険者だと思う!俺もアニキみてーになりてぇ!冒険者っていうのが危険な仕事ってのは分かってるけど……なりてぇんだよ!」
ベルは俺の目を真っ直ぐ見つめて俺にそう語った。
俺はそこで「ダメだ」って言おうとした……そう言わなきゃいけなかった……にも関わらず、どうにもその言葉が喉から出てこなかった。
「……」
俺と同じだ……憧れってもんは人に止められるもんじゃない……俺の両親もこんな気持ちだったんだな、とその時ようやく気づく事にできた。
だから、止めるのではなく、2人の「覚悟」を問いただした。
「冒険者が危険な仕事っつったな。だがそんなもんじゃねぇ……冒険者ってのは命に関わる仕事だ。お前らがやめてって言ってもモンスターは攻撃を止めてはくれねぇぞ。俺は強いからいいがお前らは違う。同じモンスターを討伐するクエストでも俺とお前らじゃ生存率はかなり差があるだろうな。もちろんお前らの方が低い。だからそうならないように……少しでもお前らをマシな冒険者にするように俺が鍛えてやる。冒険者をやるなら最低でも3年は鍛えるぞ。3年間耐えきったら冒険者にする……諦めるのならそれは止めねぇ……ここに帰ってもらうがな。それでもやるか?冒険者。」
「あぁ!やってやるぜ!俺にはそれしかねえんだ!」
「私達、この日が来ると思ってたくさん剣の訓練してきたんだよ!」
覚悟を決めた表情のドラコとベルは右手を前に突き出しそう宣言した。
ベルの言っている事は本当らしく、2人とも右手に剣だこができている……それぐらいにはやることやってきたみたいだ。
「……それがお前達の答えか……いいぜ!この特級冒険者、タウラス・トレスがお前らを導いてやる!全力で付いてこい!」
その日、俺はドラコとベルを連れて王国アダンを出た。
それが俺達3人のスタートだった……。
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