133 / 170
第4章<最終戦線>編
132話「3人の、始まり」
しおりを挟む
消えた村の生き残りのベルとドラコに会ったあの日から、俺は毎日ベルとドラコのいる病院に通った。
冒険者として楽しかった事、辛かった事、倒したモンスターの事、色々な事を2人に話し、2人はそれを目を輝かせながら聞いてくれた。
今のドラコは俺の事をアニキと呼んでくれているが、確かそう呼ぶようになったのはこの時からだったな。
「サンドワームの群れに追い詰められる冒険者達!そこに俺が駆けつけ、あっという間にサンドワームの群れを片付けたのよ!」
「おぉ~!」
「俺は南の砂漠地方で英雄として称えられた!ま、俺にかかればこんなもん__」
「……アニキ?」
「つ、次は北のネープル村で開催された喧嘩祭りで俺が優勝した時の事を話そうか!あの頃は俺も若くてよぉ……」
◇
「じゃ、今日は帰るぞ。」
「またきてね!アニキ!」
「楽しみにしてるね。」
「おう!ちゃんと病院のお姉さんの言う事聞いていい子にしてるんだぞ!ベルはお姉ちゃんだから、ドラコをちゃんと見とくんだぞ?」
「分かった。ドラコは私が見とく。」
「おれもちゃんといいこにしとくよ!」
「あぁ、じゃあまた明日!」
時々あの日の……俺が油断したせいでベルとドラコの村が壊滅に追いやられた日の記憶がフラッシュバックする事があった。
どれだけ忘れようとしても、過去が消える事はない……けど、それを思いでした後はいつも俺は自分を殴った。
ガッ
「馬鹿野郎……あの2人があんな顔で俺を見てくれてるんだ……俺は、2人にとってカッコイイ兄貴でねぇと……!」
自分にそう言い聞かせる事が2人への……いや、俺が殺したも同然の村人達への贖罪のつもりだったのだろうか、と今は思う。
◇
5年の月日が流れた。
俺は危険度神獣レベルのモンスターを倒した事により特級冒険者となり、ドラコは8歳、ベルは12歳。
2人は病院を出て、2人のようなモンスター災害によって親を失った孤児が何人も保護されている孤児院で生活していた。
その2人に会いに行く場所が病院から孤児院に変わった事で、俺はいつの間にか2人だけでなく孤児院の子供達皆のヒーローになっていた。
「こらこら、話が聞きたいなら1つずつ話していくぞ~!」
「はーい!冒険者で1番強いのは誰ですかー!」
「1番強い冒険者?それ俺に聞いちゃうか~?まぁ冒険者なんて2級か1級なら上澄みレベルの強さだとは思うが……やっぱ最強は特級!つまり俺だ!ガーッハッハッハ!」
「はーい!タウラスさんに好きな女の子はいますかー!」
「す、好きな女の子ぉ?最近のガキはマセてんなぁオイ!まぁ強いて言うならしょ……」
「しょ……?」
「商店街で花屋をやってるシャーリーお姉さんかなー!」
「シ、シャーリーおねえさんは俺と結婚するんだぞ!」
「お前には無理だー!」
「何~?」
「お、おいおい喧嘩するなって!」
皆人懐っこい子達で、とてもモンスターによって親を失った悲しみとか、そういうものは感じさせない子ばかりだった。
だからこそ自分がクヨクヨしてちゃいけねぇ……ちゃんと前見て歩いていかねぇとって思って、嫌な記憶は忘れようと決めたんだ。
孤児院のヒーローをやってる内に、特級冒険者としての心構えみたいなのも身についていったのかもしれない。
◇
そこからさらに2年の月日が流れたある日、王国アダンの冒険者ギルド最高責任者、ギルドマスターが俺を指名しある任務を依頼してきた。
「黒いモヤを纏ったモンスター……?」
「あぁ。ここ数日王国アストレアでそういうモンスターが目撃されるようになったらしい。なんでも黒いモヤを纏ったモンスターは、モンスター本来の生態では有り得ないような黒い触手を操り獲物を襲うのだとか……」
「マジか……俺は百獣変化を使いこなす為にあらゆるモンスターの生態を学んできたが……黒いモヤに黒い触手……そんなもん見た事も聞いた事もねぇぞ……ただの見間違いじゃねぇのか?」
「いや……目撃例は複数、別々の場所で、複数の人間によって挙げられている。精神に干渉する類の未知のモンスターが現れた……という線もあるが、人の手によって作為的に起こされた現象という可能性も捨てきれない……何にせよ、普通では無い事が起こってるという事実だけが確かに存在する。」
「で、ヒーローの出番という訳か?」
それが俺が与えられた任務……王国アストレアに行き謎のモンスターの調査をする事だ。
長旅になるだろうと想定した俺は王国アストレアに行く為の準備を整えた後、孤児院の子供達に別れの挨拶をしに行った。
「__という訳だからよ!しばらく皆と会えなくなるけど……俺がいなくてもいい子でいるんだぞ!」
「……」
俺が皆に別れの挨拶を告げると、皆は何かを言いたげな様子でいた。
別れが寂しいとか、笑顔で見送るとか、そういうのとは違った様子の……一体なんだろうと思ってた時、皆の中からドラコとベルが出てきてこう言い出した。
「アニキ!」
「私達も連れて行って!」
「な……!」
突然そう言い出す2人には心底驚かされたもんだ。
「俺達は冒険者に憧れてるんだよ!」
「あぁ、それは分かってるが……」
「何でだと思う?」
「いや、それは……」
「私達はモンスターに親と村を奪われたの。だから、そんな思いをする子供が少しでも減るようにって頑張るタウラスが……冒険者がかっこよく見えた!そして……冒険者になりたいって思った!」
「俺もだ!アニキは世界一かっけー冒険者だと思う!俺もアニキみてーになりてぇ!冒険者っていうのが危険な仕事ってのは分かってるけど……なりてぇんだよ!」
ベルは俺の目を真っ直ぐ見つめて俺にそう語った。
俺はそこで「ダメだ」って言おうとした……そう言わなきゃいけなかった……にも関わらず、どうにもその言葉が喉から出てこなかった。
「……」
俺と同じだ……憧れってもんは人に止められるもんじゃない……俺の両親もこんな気持ちだったんだな、とその時ようやく気づく事にできた。
だから、止めるのではなく、2人の「覚悟」を問いただした。
「冒険者が危険な仕事っつったな。だがそんなもんじゃねぇ……冒険者ってのは命に関わる仕事だ。お前らがやめてって言ってもモンスターは攻撃を止めてはくれねぇぞ。俺は強いからいいがお前らは違う。同じモンスターを討伐するクエストでも俺とお前らじゃ生存率はかなり差があるだろうな。もちろんお前らの方が低い。だからそうならないように……少しでもお前らをマシな冒険者にするように俺が鍛えてやる。冒険者をやるなら最低でも3年は鍛えるぞ。3年間耐えきったら冒険者にする……諦めるのならそれは止めねぇ……ここに帰ってもらうがな。それでもやるか?冒険者。」
「あぁ!やってやるぜ!俺にはそれしかねえんだ!」
「私達、この日が来ると思ってたくさん剣の訓練してきたんだよ!」
覚悟を決めた表情のドラコとベルは右手を前に突き出しそう宣言した。
ベルの言っている事は本当らしく、2人とも右手に剣だこができている……それぐらいにはやることやってきたみたいだ。
「……それがお前達の答えか……いいぜ!この特級冒険者、タウラス・トレスがお前らを導いてやる!全力で付いてこい!」
その日、俺はドラコとベルを連れて王国アダンを出た。
それが俺達3人のスタートだった……。
冒険者として楽しかった事、辛かった事、倒したモンスターの事、色々な事を2人に話し、2人はそれを目を輝かせながら聞いてくれた。
今のドラコは俺の事をアニキと呼んでくれているが、確かそう呼ぶようになったのはこの時からだったな。
「サンドワームの群れに追い詰められる冒険者達!そこに俺が駆けつけ、あっという間にサンドワームの群れを片付けたのよ!」
「おぉ~!」
「俺は南の砂漠地方で英雄として称えられた!ま、俺にかかればこんなもん__」
「……アニキ?」
「つ、次は北のネープル村で開催された喧嘩祭りで俺が優勝した時の事を話そうか!あの頃は俺も若くてよぉ……」
◇
「じゃ、今日は帰るぞ。」
「またきてね!アニキ!」
「楽しみにしてるね。」
「おう!ちゃんと病院のお姉さんの言う事聞いていい子にしてるんだぞ!ベルはお姉ちゃんだから、ドラコをちゃんと見とくんだぞ?」
「分かった。ドラコは私が見とく。」
「おれもちゃんといいこにしとくよ!」
「あぁ、じゃあまた明日!」
時々あの日の……俺が油断したせいでベルとドラコの村が壊滅に追いやられた日の記憶がフラッシュバックする事があった。
どれだけ忘れようとしても、過去が消える事はない……けど、それを思いでした後はいつも俺は自分を殴った。
ガッ
「馬鹿野郎……あの2人があんな顔で俺を見てくれてるんだ……俺は、2人にとってカッコイイ兄貴でねぇと……!」
自分にそう言い聞かせる事が2人への……いや、俺が殺したも同然の村人達への贖罪のつもりだったのだろうか、と今は思う。
◇
5年の月日が流れた。
俺は危険度神獣レベルのモンスターを倒した事により特級冒険者となり、ドラコは8歳、ベルは12歳。
2人は病院を出て、2人のようなモンスター災害によって親を失った孤児が何人も保護されている孤児院で生活していた。
その2人に会いに行く場所が病院から孤児院に変わった事で、俺はいつの間にか2人だけでなく孤児院の子供達皆のヒーローになっていた。
「こらこら、話が聞きたいなら1つずつ話していくぞ~!」
「はーい!冒険者で1番強いのは誰ですかー!」
「1番強い冒険者?それ俺に聞いちゃうか~?まぁ冒険者なんて2級か1級なら上澄みレベルの強さだとは思うが……やっぱ最強は特級!つまり俺だ!ガーッハッハッハ!」
「はーい!タウラスさんに好きな女の子はいますかー!」
「す、好きな女の子ぉ?最近のガキはマセてんなぁオイ!まぁ強いて言うならしょ……」
「しょ……?」
「商店街で花屋をやってるシャーリーお姉さんかなー!」
「シ、シャーリーおねえさんは俺と結婚するんだぞ!」
「お前には無理だー!」
「何~?」
「お、おいおい喧嘩するなって!」
皆人懐っこい子達で、とてもモンスターによって親を失った悲しみとか、そういうものは感じさせない子ばかりだった。
だからこそ自分がクヨクヨしてちゃいけねぇ……ちゃんと前見て歩いていかねぇとって思って、嫌な記憶は忘れようと決めたんだ。
孤児院のヒーローをやってる内に、特級冒険者としての心構えみたいなのも身についていったのかもしれない。
◇
そこからさらに2年の月日が流れたある日、王国アダンの冒険者ギルド最高責任者、ギルドマスターが俺を指名しある任務を依頼してきた。
「黒いモヤを纏ったモンスター……?」
「あぁ。ここ数日王国アストレアでそういうモンスターが目撃されるようになったらしい。なんでも黒いモヤを纏ったモンスターは、モンスター本来の生態では有り得ないような黒い触手を操り獲物を襲うのだとか……」
「マジか……俺は百獣変化を使いこなす為にあらゆるモンスターの生態を学んできたが……黒いモヤに黒い触手……そんなもん見た事も聞いた事もねぇぞ……ただの見間違いじゃねぇのか?」
「いや……目撃例は複数、別々の場所で、複数の人間によって挙げられている。精神に干渉する類の未知のモンスターが現れた……という線もあるが、人の手によって作為的に起こされた現象という可能性も捨てきれない……何にせよ、普通では無い事が起こってるという事実だけが確かに存在する。」
「で、ヒーローの出番という訳か?」
それが俺が与えられた任務……王国アストレアに行き謎のモンスターの調査をする事だ。
長旅になるだろうと想定した俺は王国アストレアに行く為の準備を整えた後、孤児院の子供達に別れの挨拶をしに行った。
「__という訳だからよ!しばらく皆と会えなくなるけど……俺がいなくてもいい子でいるんだぞ!」
「……」
俺が皆に別れの挨拶を告げると、皆は何かを言いたげな様子でいた。
別れが寂しいとか、笑顔で見送るとか、そういうのとは違った様子の……一体なんだろうと思ってた時、皆の中からドラコとベルが出てきてこう言い出した。
「アニキ!」
「私達も連れて行って!」
「な……!」
突然そう言い出す2人には心底驚かされたもんだ。
「俺達は冒険者に憧れてるんだよ!」
「あぁ、それは分かってるが……」
「何でだと思う?」
「いや、それは……」
「私達はモンスターに親と村を奪われたの。だから、そんな思いをする子供が少しでも減るようにって頑張るタウラスが……冒険者がかっこよく見えた!そして……冒険者になりたいって思った!」
「俺もだ!アニキは世界一かっけー冒険者だと思う!俺もアニキみてーになりてぇ!冒険者っていうのが危険な仕事ってのは分かってるけど……なりてぇんだよ!」
ベルは俺の目を真っ直ぐ見つめて俺にそう語った。
俺はそこで「ダメだ」って言おうとした……そう言わなきゃいけなかった……にも関わらず、どうにもその言葉が喉から出てこなかった。
「……」
俺と同じだ……憧れってもんは人に止められるもんじゃない……俺の両親もこんな気持ちだったんだな、とその時ようやく気づく事にできた。
だから、止めるのではなく、2人の「覚悟」を問いただした。
「冒険者が危険な仕事っつったな。だがそんなもんじゃねぇ……冒険者ってのは命に関わる仕事だ。お前らがやめてって言ってもモンスターは攻撃を止めてはくれねぇぞ。俺は強いからいいがお前らは違う。同じモンスターを討伐するクエストでも俺とお前らじゃ生存率はかなり差があるだろうな。もちろんお前らの方が低い。だからそうならないように……少しでもお前らをマシな冒険者にするように俺が鍛えてやる。冒険者をやるなら最低でも3年は鍛えるぞ。3年間耐えきったら冒険者にする……諦めるのならそれは止めねぇ……ここに帰ってもらうがな。それでもやるか?冒険者。」
「あぁ!やってやるぜ!俺にはそれしかねえんだ!」
「私達、この日が来ると思ってたくさん剣の訓練してきたんだよ!」
覚悟を決めた表情のドラコとベルは右手を前に突き出しそう宣言した。
ベルの言っている事は本当らしく、2人とも右手に剣だこができている……それぐらいにはやることやってきたみたいだ。
「……それがお前達の答えか……いいぜ!この特級冒険者、タウラス・トレスがお前らを導いてやる!全力で付いてこい!」
その日、俺はドラコとベルを連れて王国アダンを出た。
それが俺達3人のスタートだった……。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説

望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

憧れの異世界転移が現実になったのでやりたいことリストを消化したいと思います~異世界でやってみたい50のこと
Debby
ファンタジー
【完結まで投稿済みです】
山下星良(せいら)はファンタジー系の小説を読むのが大好きなお姉さん。
好きが高じて真剣に考えて作ったのが『異世界でやってみたい50のこと』のリスト。
やっぱり人生はじめからやり直す転生より、転移。
転移先の条件としては『★剣と魔法の世界に転移してみたい』は絶対に外せない。
そして今の身体じゃ体力的に異世界攻略は難しいのでちょっと若返りもお願いしたい。
更にもうひとつの条件が『★出来れば日本の乙女ゲームか物語の世界に転移してみたい(モブで)』だ。
これにはちゃんとした理由がある。必要なのは乙女ゲームの世界観のみで攻略対象とかヒロインは必要ない。
もちろんゲームに巻き込まれると面倒くさいので、ちゃんと「(モブで)」と注釈を入れることも忘れていない。
──そして本当に転移してしまった星良は、頼もしい仲間(レアアイテムとモフモフと細マッチョ?)と共に、自身の作ったやりたいことリストを消化していくことになる。
いい年の大人が本気で考え、万全を期したハズの『異世界でやりたいことリスト』。
理想通りだったり思っていたのとちょっと違ったりするけれど、折角の異世界を楽しみたいと思います。
あなたが異世界転移するなら、リストに何を書きますか?
----------
覗いて下さり、ありがとうございます!
10時19時投稿、全話予約投稿済みです。
5話くらいから話が動き出します。
✳(お読み下されば何のマークかはすぐに分かると思いますが)5話から出てくる話のタイトルの★は気にしないでください

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
転生して貴族になったけど、与えられたのは瑕疵物件で有名な領地だった件
桜月雪兎
ファンタジー
神様のドジによって人生を終幕してしまった七瀬結希。
神様からお詫びとしていくつかのスキルを貰い、転生したのはなんと貴族の三男坊ユキルディス・フォン・アルフレッドだった。
しかし、家族とはあまり折り合いが良くなく、成人したらさっさと追い出された。
ユキルディスが唯一信頼している従者アルフォンス・グレイルのみを連れて、追い出された先は国内で有名な瑕疵物件であるユンゲート領だった。
ユキルディスはユキルディス・フォン・ユンゲートとして開拓から始まる物語だ。

わたしゃ既に死んでいる
旬乃助
ファンタジー
…神?…女神?…口の悪い少女が立っていた…
カン!カン!カン!カン!一斉に行き交う人と車…。
少しばかりのお惣菜を機械にかざし…小さい財布から小銭を探す…
「お金は此方に入れて下さいポイントカードは…」せきたてる言葉に身体が竦くむ。
街の喧騒から逃れる様に家路につく。そんな日々が続いている。
生をなして92年、何時お迎えが来ても良い様 身なりを整え床に就く…。
…
…
…『ニャー』
「う うーん?…眩しいわ!」…白銀の世界が何処までも続いていた…
主人公小梅と創造主マロンが繰り広げるハチャメチャ異世界ファンタジー
ちょっぴり笑えてちょっぴり切ない チートな物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる