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第3章<怪物と少女>編
95話「対影の獣戦、終結」
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俺とマリーネ、そしてリコは、強敵シャドーロードを倒すべく3人で協力してこれを打ち倒そうとしていた。
今の俺達ならやってやれない事は無いと信じ、俺はシャドーロードにトドメを刺すべく必殺の一撃を敵に叩き込もうと決意する。
「マリーネ!リコ!2人の攻撃でシャドーロードを撹乱してくれないかな?」
「分かったわ!」
「任せて~!」
俺はその一撃をシャドーロード確実に当てる為に、マリーネとリコに敵を撹乱する為の牽制攻撃をしてくれないかとお願いし、2人はそれを了承し杖を構える。
「ファイブサンダーバレット!」
「フレイムラージブレス!」
マリーネは5つのサンダーバレットを同時に放つファイブサンダーバレットを、リコは普通のフレイムブレスよりも範囲の広い攻撃、フレイムラージブレスを放ち、シャドーロードはそれらの攻撃を背中の棘を伸ばす事による防御で防いだ。
それが俺達の狙いだ。
「出た、攻撃による煙幕……!」
「準備はいい~?リョータロー!」
「うん!」
シャドーロードの伸びる棘とマリーネとリコの攻撃魔術がぶつかった事で煙幕が発生し、それによってこちら側からはシャドーロードが、シャドーロード側からはこちらが見えなくなった。
となると敵は……!
ブワァァッ
「グォアァァァァ!!」
シャドーロードは予想通り、というか俺の行った「誘導」によって煙幕を突っ切ってこちらに向かってきた。
シャドーロードは邪魔な煙幕を避ける為に上、左右に移動するか、地面に降り立つだろうと考え、俺はウイングユニットを敵から見て上下左右に配置しその逃げ道を塞いだ。
それが俺の言う「誘導」である。
結果敵は煙幕を突っ切ってこっちに突っ込んできた。
「今だ皆!散開!」
「「ええ!!」」
俺がそう言うとマリーネとリコは素早く後方に飛び退き、俺も即座に後方に飛び退く。
ここからが〆だ。
俺はシャドーロードへの牽制に使ったウイングユニットを即座に操って十字状に配置する。
俺達に突っ込んできたシャドーロードの背後には十字状に並んだウイングユニット、そして手前にはそれを操る俺。
ウイングユニットを牽制用だと思って避けようとしたのが運の尽きだったな……それはお前を倒す為の最高の武器だ……!
「ボイジャーズ・ストライク!!」
ドゴォォォンッ
「グォアァァァァ……!!」
十字状のウイングユニットの中央から放たれた光線、ボイジャーズ・ストライクはシャドーロードの身体に直撃し、大きなダメージを負ったシャドーロードはそのまま力尽きて地面に倒れ伏した。
やっと俺達は、敵に勝ったんだ……!
「やったわね、リョータロー君!」
「うん。」
「おーい!大丈夫か!?」
その時俺は初めて、この場に沢山の兵士と冒険者が現れている事に気づいた。
怪我人の搬送や遺体の処理、この拘置所から逃げようとした人達を魔術で作った簡易的な牢屋に入れる、などの行動をしていた人達の中には特級冒険者のタウラスがおり、その仲間のドラコが俺達に駆け寄ってきた。
「ドラコ?」
「なんか王都の中にモンスターがいるから来てみれば、リョータロー達が戦ってるなんて……大丈夫か?」
「うん。大丈夫だよ。」
俺はドラコの質問に答えながら鬼人の姿に戻る。
「ひでぇ事に、死者8人と負傷者が14人だとよ。しかも全員この拘置所の職員ときた。犯人さんは影の一味だって職員さんから聞いたよ。悪人どもまで使ってこの街を混乱させようとするなんて、ひでぇ事考えるじゃねぇか全く。」
「タウラス……。」
ドラコに続いて俺達の前に現れたタウラスは、いつもと違ってひどく憂鬱そうな表情を浮かべていた。
「この街は2度も影の一味の攻撃を許してしまった。3度目はもう許されない。」
「……」
「これは拘置所の所長さんから聞いた事だが、リュウカから聞いたんだろ?影の一味のアジト。」
「……うん。でもリュウカは……。」
「俺ァリュウカが自首したって聞いて安心したよ。俺が冒険者として、その子を殺すかもしれなかったんだからよ。あーやだやだ!可愛い女の子をこの手で殺らなくちゃいけないとかよ!でも良かったぜ!その子が改心するってんならそんな事はしなくて済むんだからよ。」
「そうね。影の一味を倒す時、その時はリュウカをキョーシローの手から解放してあげましょう。ね?リョータロー君。」
「俺もそう思う。」
俺はそう決意したが、その前にやらなくてはならない事がある。
ディアーガの国王、ビャッコさんから託された鍵……コアゴーレムを使って「秘密兵器」を発動させ、影の一味へ対抗しうる戦力とする事だ。
「タウラス。ソレイユさん、ガオレオ、セリエに話したい事がある。」
「なんだ?」
「俺は先日、王国ディアーガに行って、国王からこのコアゴーレムを貸してもらった。このコアゴーレムで起動する「秘密兵器」を入手しに行くのに、3人の中の誰かの力が欲しいんだ。」
「これは……俺はこいつを知ってるぜ。これを託されたって事はあの秘密兵器を託されたって事だろ?でけぇ男になったなリョータロー!」
「うわっ」
俺がポケットから取り出したコアゴーレムを見たタウラスは、嬉しそうな表情を浮かべて俺の背中をバンバンと叩く。
「ソイツがあれば、俺達は神獣モンスターだって楽に倒せるようになるはずだぜ。ディアーガに伝わる古文書かなんかで言い伝えられてる伝説だ。かつてこの世界にいた伝説の英雄、魔人アクスによって作られた大厄災級魔獣迎撃用最終巨大ゴーレム……ゴーラアルティマスター!!」
「巨大ゴーレムって言うのは本当なのか……それに名前が無駄にカッコいい……!!」
そのゴーレムによって、俺達は影の一味に勝負を挑むのか……俄然やる気が湧いてきた!
巨大ゴーレム……つまりロボ!そんなの聞いたら燃えずにはいられない性分なのでね。
今の俺達ならやってやれない事は無いと信じ、俺はシャドーロードにトドメを刺すべく必殺の一撃を敵に叩き込もうと決意する。
「マリーネ!リコ!2人の攻撃でシャドーロードを撹乱してくれないかな?」
「分かったわ!」
「任せて~!」
俺はその一撃をシャドーロード確実に当てる為に、マリーネとリコに敵を撹乱する為の牽制攻撃をしてくれないかとお願いし、2人はそれを了承し杖を構える。
「ファイブサンダーバレット!」
「フレイムラージブレス!」
マリーネは5つのサンダーバレットを同時に放つファイブサンダーバレットを、リコは普通のフレイムブレスよりも範囲の広い攻撃、フレイムラージブレスを放ち、シャドーロードはそれらの攻撃を背中の棘を伸ばす事による防御で防いだ。
それが俺達の狙いだ。
「出た、攻撃による煙幕……!」
「準備はいい~?リョータロー!」
「うん!」
シャドーロードの伸びる棘とマリーネとリコの攻撃魔術がぶつかった事で煙幕が発生し、それによってこちら側からはシャドーロードが、シャドーロード側からはこちらが見えなくなった。
となると敵は……!
ブワァァッ
「グォアァァァァ!!」
シャドーロードは予想通り、というか俺の行った「誘導」によって煙幕を突っ切ってこちらに向かってきた。
シャドーロードは邪魔な煙幕を避ける為に上、左右に移動するか、地面に降り立つだろうと考え、俺はウイングユニットを敵から見て上下左右に配置しその逃げ道を塞いだ。
それが俺の言う「誘導」である。
結果敵は煙幕を突っ切ってこっちに突っ込んできた。
「今だ皆!散開!」
「「ええ!!」」
俺がそう言うとマリーネとリコは素早く後方に飛び退き、俺も即座に後方に飛び退く。
ここからが〆だ。
俺はシャドーロードへの牽制に使ったウイングユニットを即座に操って十字状に配置する。
俺達に突っ込んできたシャドーロードの背後には十字状に並んだウイングユニット、そして手前にはそれを操る俺。
ウイングユニットを牽制用だと思って避けようとしたのが運の尽きだったな……それはお前を倒す為の最高の武器だ……!
「ボイジャーズ・ストライク!!」
ドゴォォォンッ
「グォアァァァァ……!!」
十字状のウイングユニットの中央から放たれた光線、ボイジャーズ・ストライクはシャドーロードの身体に直撃し、大きなダメージを負ったシャドーロードはそのまま力尽きて地面に倒れ伏した。
やっと俺達は、敵に勝ったんだ……!
「やったわね、リョータロー君!」
「うん。」
「おーい!大丈夫か!?」
その時俺は初めて、この場に沢山の兵士と冒険者が現れている事に気づいた。
怪我人の搬送や遺体の処理、この拘置所から逃げようとした人達を魔術で作った簡易的な牢屋に入れる、などの行動をしていた人達の中には特級冒険者のタウラスがおり、その仲間のドラコが俺達に駆け寄ってきた。
「ドラコ?」
「なんか王都の中にモンスターがいるから来てみれば、リョータロー達が戦ってるなんて……大丈夫か?」
「うん。大丈夫だよ。」
俺はドラコの質問に答えながら鬼人の姿に戻る。
「ひでぇ事に、死者8人と負傷者が14人だとよ。しかも全員この拘置所の職員ときた。犯人さんは影の一味だって職員さんから聞いたよ。悪人どもまで使ってこの街を混乱させようとするなんて、ひでぇ事考えるじゃねぇか全く。」
「タウラス……。」
ドラコに続いて俺達の前に現れたタウラスは、いつもと違ってひどく憂鬱そうな表情を浮かべていた。
「この街は2度も影の一味の攻撃を許してしまった。3度目はもう許されない。」
「……」
「これは拘置所の所長さんから聞いた事だが、リュウカから聞いたんだろ?影の一味のアジト。」
「……うん。でもリュウカは……。」
「俺ァリュウカが自首したって聞いて安心したよ。俺が冒険者として、その子を殺すかもしれなかったんだからよ。あーやだやだ!可愛い女の子をこの手で殺らなくちゃいけないとかよ!でも良かったぜ!その子が改心するってんならそんな事はしなくて済むんだからよ。」
「そうね。影の一味を倒す時、その時はリュウカをキョーシローの手から解放してあげましょう。ね?リョータロー君。」
「俺もそう思う。」
俺はそう決意したが、その前にやらなくてはならない事がある。
ディアーガの国王、ビャッコさんから託された鍵……コアゴーレムを使って「秘密兵器」を発動させ、影の一味へ対抗しうる戦力とする事だ。
「タウラス。ソレイユさん、ガオレオ、セリエに話したい事がある。」
「なんだ?」
「俺は先日、王国ディアーガに行って、国王からこのコアゴーレムを貸してもらった。このコアゴーレムで起動する「秘密兵器」を入手しに行くのに、3人の中の誰かの力が欲しいんだ。」
「これは……俺はこいつを知ってるぜ。これを託されたって事はあの秘密兵器を託されたって事だろ?でけぇ男になったなリョータロー!」
「うわっ」
俺がポケットから取り出したコアゴーレムを見たタウラスは、嬉しそうな表情を浮かべて俺の背中をバンバンと叩く。
「ソイツがあれば、俺達は神獣モンスターだって楽に倒せるようになるはずだぜ。ディアーガに伝わる古文書かなんかで言い伝えられてる伝説だ。かつてこの世界にいた伝説の英雄、魔人アクスによって作られた大厄災級魔獣迎撃用最終巨大ゴーレム……ゴーラアルティマスター!!」
「巨大ゴーレムって言うのは本当なのか……それに名前が無駄にカッコいい……!!」
そのゴーレムによって、俺達は影の一味に勝負を挑むのか……俄然やる気が湧いてきた!
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