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第2章<鋼の心>編
60話「突きつけられる選択」
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意識不明の状態だが、俺はあの世界で生きている……そう知った俺は、闇のティアマトに疑問を問いただす。
「それを教えて、どうするつもりなんだ……?」
「君はその気になればあの世界に帰れると言う事だ。ティアマトの力で君をあの世界に帰してやるのはそう難しい事では無い。狂死郎やモンスターの脅威から逃れて元いた世界に帰るか、マリーネ達の元に戻って戦いを続けるか、好きな方を選びたまえ。」
「俺が異世界に帰ったら、俺を仲間にしたいって言う狂死郎の意思はどうなる?お前と狂死郎は味方同士なんだろ?」
「人の意思は変わりゆくものだ。君が元いた世界に帰りたいと言うのなら、彼もそれを許すだろう。さぁ選ぶんだ。どっちの世界に戻るかを。」
俺の質問に対して狂死郎はそう答え、再び俺に選択肢を突きつける。
俺は考えた。どっちの世界に戻るべきかを。鬼人として生きていた世界に戻れば再び林檎、一真、花菜、そしてお母さんとじいちゃんに会える。俺の意識が回復したら皆喜ぶだろうな……。
ゴーレムとして生きていた世界に戻れば、マリーネや、あの世界で作った仲間達に再会できる。
彼女達とは短い間しか共に生活していないけど、それでも俺は皆の事を大切な仲間だと思っている。
でも、異世界にはモンスターや影の一味がいて……奴らとの戦いで既に1人の仲間を失っている。多分この先も仲間を失う事があるかもしれない。
影の一味の問題をマリーネ達に押し付けて自分は逃げるなんて事できないけど、林檎達をこれ以上心配させる訳にもいかない……どうすればいいんだ……!
「今の君の苦しみは、君の存在を私から聞いた狂死郎が、君を異世界に招き入れた事から始まった。トラックの運転手を操って暴走させ、それによって君を意識不明の状態にする。生きる意志の強い者なら魂は肉体から離れる事無く、この空間に招き入れられる事は無いだろう。」
闇のティアマトがそう言うと、この異空間の上の方にある地球から光の玉が落ちてくる。
闇のティアマトはそれを右手で持ち、1分ほど目を瞑る。そして1分ほどの時間が経過した時、彼は目を開き、その光の玉を、下の方にある地球に落とす。
あの光の玉が人の魂だとしたら……ティアマトはそうやって人を現世から異世界に転生させているのか……。
「だが、生きる意志の弱い者なら、ちょっとしたキッカケで魂を肉体から引き離す事ができる。君は……あのトラックによって自分は死ぬはずだったと思ってたんだろう?」
「……。」
「自分のような怪物があの世界にいたら、周りの人間を困らせてしまうし、自分に寄り添ってくれる者達にも悪い噂が流布されてしまう。そこに丁度いい死の機会が現れた。だから君は自ら死を選び___」
「うるさい!そんな訳無いだろ!そんな事したら皆が悲しむ!だから……俺は……!」
闇のティアマトの言葉を聞いた俺は、必死に彼の言う事を否定しようとする。
「止めてくださいレンさん!そんな言葉で、良太郎さんを傷つけないで……!」
「……そうだな。すまなかった良太郎。話を続けよう。君の魂は、私の手によって狂死郎の意志に忠実な下僕になるはずだった。しかし、ヒトミがそれを邪魔してな……君は自分自身の意志を持ったまま異世界に行く事ができた。それは君にとっての幸運だろう。」
闇のティアマトの言葉を聞いて、俺は1歩間違えてたら狂死郎の下僕になってたのか、と考えた。
でも、それをヒトミさんが阻止してくれたのなら、俺は彼女に感謝すべきだよな。
「ヒトミさん、俺を助けてくれてありがとうございました。」
「礼には及びません。私は人の魂を守る為に、ティアマトとして正しい事をしただけです。」
お礼を言う俺に対して、ヒトミさんは俺に気を使わせない為か謙遜をする。
この人がいたお陰で、俺は本当に助かったんだな……だからこそ、こんな良い人に苦しい思いをさせた闇のティアマト、そしてそれを洗脳した狂死郎は許せない……だったら俺のやるべき事は……
良ちゃんなら、絶対ヒーローになれる
俺は幼き日に林檎から貰った言葉を思い出し、自分の心に火をつけ、決意を固める。
「俺は……異世界に行く!異世界に行って、仲間達と一緒に影の一味と闇のティアマトを止める!」
「素晴らしい!勇気ある君の選択を讃えよう!君は今、1人の戦士として覚醒した!」
俺の言葉を聞いた闇のティアマトは、さっきまでのクールな態度から一変し、僕の選択を褒めたたえてくる。
「闇のティアマト!お前も必ず止めてみせる!異世界を狂死郎に支配なんかさせない!」
「それでいい……君と狂死郎、時を越えて対峙する2人の血縁者……これこそ私が望んだ展開だ!」
俺はこの瞬間から、異世界に戻る決意を固めるのと同時に、元いた世界に帰れるのはしばらく先になるだろうと悟った。
ヒーローに憧れる俺の背中を押してくれたのは林檎だった。彼女の想いに答える為にも、俺は異世界を守るヒーローになる。
そう決意した以上もう後には引けない……俺の戦いはこれからも続くんだ。
「それを教えて、どうするつもりなんだ……?」
「君はその気になればあの世界に帰れると言う事だ。ティアマトの力で君をあの世界に帰してやるのはそう難しい事では無い。狂死郎やモンスターの脅威から逃れて元いた世界に帰るか、マリーネ達の元に戻って戦いを続けるか、好きな方を選びたまえ。」
「俺が異世界に帰ったら、俺を仲間にしたいって言う狂死郎の意思はどうなる?お前と狂死郎は味方同士なんだろ?」
「人の意思は変わりゆくものだ。君が元いた世界に帰りたいと言うのなら、彼もそれを許すだろう。さぁ選ぶんだ。どっちの世界に戻るかを。」
俺の質問に対して狂死郎はそう答え、再び俺に選択肢を突きつける。
俺は考えた。どっちの世界に戻るべきかを。鬼人として生きていた世界に戻れば再び林檎、一真、花菜、そしてお母さんとじいちゃんに会える。俺の意識が回復したら皆喜ぶだろうな……。
ゴーレムとして生きていた世界に戻れば、マリーネや、あの世界で作った仲間達に再会できる。
彼女達とは短い間しか共に生活していないけど、それでも俺は皆の事を大切な仲間だと思っている。
でも、異世界にはモンスターや影の一味がいて……奴らとの戦いで既に1人の仲間を失っている。多分この先も仲間を失う事があるかもしれない。
影の一味の問題をマリーネ達に押し付けて自分は逃げるなんて事できないけど、林檎達をこれ以上心配させる訳にもいかない……どうすればいいんだ……!
「今の君の苦しみは、君の存在を私から聞いた狂死郎が、君を異世界に招き入れた事から始まった。トラックの運転手を操って暴走させ、それによって君を意識不明の状態にする。生きる意志の強い者なら魂は肉体から離れる事無く、この空間に招き入れられる事は無いだろう。」
闇のティアマトがそう言うと、この異空間の上の方にある地球から光の玉が落ちてくる。
闇のティアマトはそれを右手で持ち、1分ほど目を瞑る。そして1分ほどの時間が経過した時、彼は目を開き、その光の玉を、下の方にある地球に落とす。
あの光の玉が人の魂だとしたら……ティアマトはそうやって人を現世から異世界に転生させているのか……。
「だが、生きる意志の弱い者なら、ちょっとしたキッカケで魂を肉体から引き離す事ができる。君は……あのトラックによって自分は死ぬはずだったと思ってたんだろう?」
「……。」
「自分のような怪物があの世界にいたら、周りの人間を困らせてしまうし、自分に寄り添ってくれる者達にも悪い噂が流布されてしまう。そこに丁度いい死の機会が現れた。だから君は自ら死を選び___」
「うるさい!そんな訳無いだろ!そんな事したら皆が悲しむ!だから……俺は……!」
闇のティアマトの言葉を聞いた俺は、必死に彼の言う事を否定しようとする。
「止めてくださいレンさん!そんな言葉で、良太郎さんを傷つけないで……!」
「……そうだな。すまなかった良太郎。話を続けよう。君の魂は、私の手によって狂死郎の意志に忠実な下僕になるはずだった。しかし、ヒトミがそれを邪魔してな……君は自分自身の意志を持ったまま異世界に行く事ができた。それは君にとっての幸運だろう。」
闇のティアマトの言葉を聞いて、俺は1歩間違えてたら狂死郎の下僕になってたのか、と考えた。
でも、それをヒトミさんが阻止してくれたのなら、俺は彼女に感謝すべきだよな。
「ヒトミさん、俺を助けてくれてありがとうございました。」
「礼には及びません。私は人の魂を守る為に、ティアマトとして正しい事をしただけです。」
お礼を言う俺に対して、ヒトミさんは俺に気を使わせない為か謙遜をする。
この人がいたお陰で、俺は本当に助かったんだな……だからこそ、こんな良い人に苦しい思いをさせた闇のティアマト、そしてそれを洗脳した狂死郎は許せない……だったら俺のやるべき事は……
良ちゃんなら、絶対ヒーローになれる
俺は幼き日に林檎から貰った言葉を思い出し、自分の心に火をつけ、決意を固める。
「俺は……異世界に行く!異世界に行って、仲間達と一緒に影の一味と闇のティアマトを止める!」
「素晴らしい!勇気ある君の選択を讃えよう!君は今、1人の戦士として覚醒した!」
俺の言葉を聞いた闇のティアマトは、さっきまでのクールな態度から一変し、僕の選択を褒めたたえてくる。
「闇のティアマト!お前も必ず止めてみせる!異世界を狂死郎に支配なんかさせない!」
「それでいい……君と狂死郎、時を越えて対峙する2人の血縁者……これこそ私が望んだ展開だ!」
俺はこの瞬間から、異世界に戻る決意を固めるのと同時に、元いた世界に帰れるのはしばらく先になるだろうと悟った。
ヒーローに憧れる俺の背中を押してくれたのは林檎だった。彼女の想いに答える為にも、俺は異世界を守るヒーローになる。
そう決意した以上もう後には引けない……俺の戦いはこれからも続くんだ。
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