56 / 170
第2章<鋼の心>編
56話「固める決心」
しおりを挟む
俺が好きだった人、野原林檎との出会いは今でも鮮明に覚えている。
俺は幼い頃から友達がいなくて、いつも1人で本を読んでいた。
誰とも関わること無く、1人で黙々と……。
「何読んでるの?」
「え……?」
でも、その日は1人の女の子が声を掛けてきた。小学校に入学したばかりの頃で、僕も彼女もまだ幼かったある日の事だ。
「ぼくのおとうさんはウルトラファイター……?それ、面白い本なの?」
「……うん。」
「じゃあ私にも見せて!」
「えぇ……その……えっと……。」
その子は、俺が他人との間に作っていた溝を乗り越え、俺の隣に並んでくれた。
そんな林檎ちゃんに、僕が惹かれるのもごく自然な事だった。
俺の見た目が他人と違っても、俺が人から恐れられる人種であっても、彼女はその壁を超えて俺を助けてくれたんだ……。
◇
「鬼島……狂死郎……だって?」
「そうだよ。会えて嬉しいよ、良太郎君。世代のかけ離れた先祖と子孫が出会うなんて、本来有り得ない事だけど……この異世界ならそれが有り得るんだね。」
マリーネ達と共に竜嵐と戦っていた俺はセンジュに捕まって、気がついたらここに……そして俺の目の前にいるこの男は、自らを鬼島狂死郎と名乗った。
鬼島……俺と同じ姓……
「「リョータロー君……?」」
「!?」
ふと耳慣れた声が聞こえた。俺がそちらに振り向くと、そこにいたのはマリーネだった。
マリーネもここに連れ去られていたのか……!
って、声が重なって聞こえたような気が……そう思って俺はもう1つの声が聞こえた方を見てみる。そこにいたのは……。
「セリエ……!」
「リョータロー……マリーネ……ごめん……私が守っていたのに……占拠されてしまった……!」
そこにいたのは、このティアマトへと至る道しるべのある洞窟を守っていたハズのセリエだった。
あんなに強かったセリエが捕まるなんて……!
「センジュ、余計な人間を連れてきたのか?」
「悪ぃなリーダー。転移に巻き込んじまったみてぇだ。」
狂死郎とセンジュはそんなやり取りをする。
ていうか……俺が鬼人族だって、マリーネは聞いてたか?聞いてたよな……だってそこにいたんだから。
「リョータロー君……本当なの?貴方は……人を喰う人種なの……?」
「マリーネ……。」
とにかく今は狂死郎の目的を聞かなくては。センジュやシャナのリーダーとやらが何のために人々を襲うのか、それを今まさに目の前にいる、張本人に問いただす……!
「狂死郎!お前の目的はなんだ!」
「僕は鬼人族……人を喰らう者。僕は人を喰らうのが大好きなんだ。だからその為に……僕が人を喰いやすい世界を作る。僕が世界の頂点に君臨する事で、その野望は果たされるのさ。」
「そんな事の為にアストレアの村人達を……!」
マリーネは狂死郎の明かした目的を聞いて、杖を握りしめ彼に敵意を向けている。
「それよりも……どうだいマリーネ?君の大切なパートナーは、自分が人を喰らう恐ろしい食人鬼だと言う事を黙っていたんだよ?」
狂死郎の言う通りだ。俺はマリーネに大切な話をするのを躊躇っていた。
こんな事マリーネに言って、遠ざけられたらどうしようと、考えなかった日は無い。
「……でも、リョータロー君は心優しいただの男の子よ!人喰いなんかする訳……」
「あぁそうそう、隠し事をしていたのはマリーネも同じ事なんだっけ?」
「え……?」
狂死郎は見透かしたような態度でマリーネにそう言う。
マリーネが……隠し事……?
「君がゴーレムを作った理由だよ。君には弟がいた。でもある事件でそれを失ってしまって……君は弟の代わりが欲しくてゴーレムを作ったんだろう?」
「それは……!」
「リョータロー君!君はマリーネにとっては弟の代わりでしかないんだよ?マリーネが見ているのは、君の中にある弟の影であって、君自身ではない……!」
「そうだよお兄ちゃん!その女は最悪な女なの!」
その時、後ろから声が聞こえた。幼い女の子の声で、聞いた事のある声だ。
俺が背後に振り向くと、そこにはシャナとリュウカがいた。影の一味勢揃いって訳か……。
「リョータロー君……違うの、私は……」
「良太郎君!そんな女よりも、僕達と共に行こう!僕がこのティアマトと出会う術を実行してティアマトの力を完全に掌握し、その力によって世界を支配した後も君は同族の交で僕の仲間にしてあげるよ!だから……。」
悪役という物は甘い提案で主人公を誘惑してくる。特撮やアニメでよく見てきた悪役の手法だ。
でもその前に、俺はマリーネと向き合って話がしたい。
「リョータロー君……ごめんなさい……アイツの言う通り、私は死んだ弟の代わりにゴーレムを……。」
「良いんだマリーネ。俺だってマリーネに話していない事はあった。僕は狂死郎の同族なんだ。実際にこの手で……人を喰い殺そうとした事もある。」
「リョータロー君……。」
それからしばらく、俺とマリーネの間に沈黙の時が続いた。
話がしたいとは思ったが、マリーネになんと言えば良いのか悩み、俺は頭の中で必死に言葉を構築した。
マリーネはその間俺の答えを待ってくれていた。
影の一味も俺達に何かしてくる事も無く、俺は言葉を考える時間を得られた。
その機会を無駄にしない為に、必死に言葉を構築し、それをマリーネに向けて吐き出す。
「でも俺は鬼人族の血を否定したい。俺自身がどんなに凶暴な種族だとしても……俺は俺自身を否定する。俺は鬼人族じゃない。鬼島良太郎だ。だから……俺と一緒に戦ってくれないかな?」
俺はなんとかマリーネを説得しようとするが、俺の言葉はマリーネに通じるのだろうか……。
「……分かったわ。貴方は正しい心を持っている。そう信じて私はリョータロー君と一緒に戦う。だから私も……過去の未練なんか振り払ってリョータロー君と向き合ってみせるから!」
「ありがとう、マリーネ。一緒に戦おう。」
「ええ。どんなに辛い過去も、乗り越えられない事は無いわ!」
その瞬間、俺とマリーネはお互いの心を理解し、心を通い合わせる事ができた気がした。
俺が狂死郎の同族であろうと、マリーネが過去に縛られてようと、俺達はそれを乗り越える決意をした。
「狂死郎!俺達はお前の目的を止める!俺は子供の頃、ヒーローに憧れてた。俺は俺の心のままにお前と戦う!」
「私は……もういない弟の影を振り払って、今生きてるリョータロー君と向き合う!そしてアンタからこの世界の人々を守り抜く!」
俺とマリーネは狂死郎を睨みつけ、決別の意思を彼に伝える。
これが俺達の答えだ。分かったら……!?
「そうか……。」
「!!」
なんだ、あの狂死郎の目は……まるで人を何十人も、何百人も殺してきたかのような目は……!
「怖い?リョータロー君。」
「うん。でも……負けない!」
「そうか……なら……。」
敵がどれだけ強くても、俺達は退かないと決意し心に火をつける。それに対して狂死郎は、右手をゆっくりと上げ、何かをしようとしてくる。
その瞬間……。
「マリーネ!」
俺が気づいた頃には、既にマリーネの背後に黒い触手が近づいていた。
このままではマリーネが……!そう思った俺は、ゴーレムの身体をガシャガシャと鳴らして必死に彼女を助けようとするが……。
俺は幼い頃から友達がいなくて、いつも1人で本を読んでいた。
誰とも関わること無く、1人で黙々と……。
「何読んでるの?」
「え……?」
でも、その日は1人の女の子が声を掛けてきた。小学校に入学したばかりの頃で、僕も彼女もまだ幼かったある日の事だ。
「ぼくのおとうさんはウルトラファイター……?それ、面白い本なの?」
「……うん。」
「じゃあ私にも見せて!」
「えぇ……その……えっと……。」
その子は、俺が他人との間に作っていた溝を乗り越え、俺の隣に並んでくれた。
そんな林檎ちゃんに、僕が惹かれるのもごく自然な事だった。
俺の見た目が他人と違っても、俺が人から恐れられる人種であっても、彼女はその壁を超えて俺を助けてくれたんだ……。
◇
「鬼島……狂死郎……だって?」
「そうだよ。会えて嬉しいよ、良太郎君。世代のかけ離れた先祖と子孫が出会うなんて、本来有り得ない事だけど……この異世界ならそれが有り得るんだね。」
マリーネ達と共に竜嵐と戦っていた俺はセンジュに捕まって、気がついたらここに……そして俺の目の前にいるこの男は、自らを鬼島狂死郎と名乗った。
鬼島……俺と同じ姓……
「「リョータロー君……?」」
「!?」
ふと耳慣れた声が聞こえた。俺がそちらに振り向くと、そこにいたのはマリーネだった。
マリーネもここに連れ去られていたのか……!
って、声が重なって聞こえたような気が……そう思って俺はもう1つの声が聞こえた方を見てみる。そこにいたのは……。
「セリエ……!」
「リョータロー……マリーネ……ごめん……私が守っていたのに……占拠されてしまった……!」
そこにいたのは、このティアマトへと至る道しるべのある洞窟を守っていたハズのセリエだった。
あんなに強かったセリエが捕まるなんて……!
「センジュ、余計な人間を連れてきたのか?」
「悪ぃなリーダー。転移に巻き込んじまったみてぇだ。」
狂死郎とセンジュはそんなやり取りをする。
ていうか……俺が鬼人族だって、マリーネは聞いてたか?聞いてたよな……だってそこにいたんだから。
「リョータロー君……本当なの?貴方は……人を喰う人種なの……?」
「マリーネ……。」
とにかく今は狂死郎の目的を聞かなくては。センジュやシャナのリーダーとやらが何のために人々を襲うのか、それを今まさに目の前にいる、張本人に問いただす……!
「狂死郎!お前の目的はなんだ!」
「僕は鬼人族……人を喰らう者。僕は人を喰らうのが大好きなんだ。だからその為に……僕が人を喰いやすい世界を作る。僕が世界の頂点に君臨する事で、その野望は果たされるのさ。」
「そんな事の為にアストレアの村人達を……!」
マリーネは狂死郎の明かした目的を聞いて、杖を握りしめ彼に敵意を向けている。
「それよりも……どうだいマリーネ?君の大切なパートナーは、自分が人を喰らう恐ろしい食人鬼だと言う事を黙っていたんだよ?」
狂死郎の言う通りだ。俺はマリーネに大切な話をするのを躊躇っていた。
こんな事マリーネに言って、遠ざけられたらどうしようと、考えなかった日は無い。
「……でも、リョータロー君は心優しいただの男の子よ!人喰いなんかする訳……」
「あぁそうそう、隠し事をしていたのはマリーネも同じ事なんだっけ?」
「え……?」
狂死郎は見透かしたような態度でマリーネにそう言う。
マリーネが……隠し事……?
「君がゴーレムを作った理由だよ。君には弟がいた。でもある事件でそれを失ってしまって……君は弟の代わりが欲しくてゴーレムを作ったんだろう?」
「それは……!」
「リョータロー君!君はマリーネにとっては弟の代わりでしかないんだよ?マリーネが見ているのは、君の中にある弟の影であって、君自身ではない……!」
「そうだよお兄ちゃん!その女は最悪な女なの!」
その時、後ろから声が聞こえた。幼い女の子の声で、聞いた事のある声だ。
俺が背後に振り向くと、そこにはシャナとリュウカがいた。影の一味勢揃いって訳か……。
「リョータロー君……違うの、私は……」
「良太郎君!そんな女よりも、僕達と共に行こう!僕がこのティアマトと出会う術を実行してティアマトの力を完全に掌握し、その力によって世界を支配した後も君は同族の交で僕の仲間にしてあげるよ!だから……。」
悪役という物は甘い提案で主人公を誘惑してくる。特撮やアニメでよく見てきた悪役の手法だ。
でもその前に、俺はマリーネと向き合って話がしたい。
「リョータロー君……ごめんなさい……アイツの言う通り、私は死んだ弟の代わりにゴーレムを……。」
「良いんだマリーネ。俺だってマリーネに話していない事はあった。僕は狂死郎の同族なんだ。実際にこの手で……人を喰い殺そうとした事もある。」
「リョータロー君……。」
それからしばらく、俺とマリーネの間に沈黙の時が続いた。
話がしたいとは思ったが、マリーネになんと言えば良いのか悩み、俺は頭の中で必死に言葉を構築した。
マリーネはその間俺の答えを待ってくれていた。
影の一味も俺達に何かしてくる事も無く、俺は言葉を考える時間を得られた。
その機会を無駄にしない為に、必死に言葉を構築し、それをマリーネに向けて吐き出す。
「でも俺は鬼人族の血を否定したい。俺自身がどんなに凶暴な種族だとしても……俺は俺自身を否定する。俺は鬼人族じゃない。鬼島良太郎だ。だから……俺と一緒に戦ってくれないかな?」
俺はなんとかマリーネを説得しようとするが、俺の言葉はマリーネに通じるのだろうか……。
「……分かったわ。貴方は正しい心を持っている。そう信じて私はリョータロー君と一緒に戦う。だから私も……過去の未練なんか振り払ってリョータロー君と向き合ってみせるから!」
「ありがとう、マリーネ。一緒に戦おう。」
「ええ。どんなに辛い過去も、乗り越えられない事は無いわ!」
その瞬間、俺とマリーネはお互いの心を理解し、心を通い合わせる事ができた気がした。
俺が狂死郎の同族であろうと、マリーネが過去に縛られてようと、俺達はそれを乗り越える決意をした。
「狂死郎!俺達はお前の目的を止める!俺は子供の頃、ヒーローに憧れてた。俺は俺の心のままにお前と戦う!」
「私は……もういない弟の影を振り払って、今生きてるリョータロー君と向き合う!そしてアンタからこの世界の人々を守り抜く!」
俺とマリーネは狂死郎を睨みつけ、決別の意思を彼に伝える。
これが俺達の答えだ。分かったら……!?
「そうか……。」
「!!」
なんだ、あの狂死郎の目は……まるで人を何十人も、何百人も殺してきたかのような目は……!
「怖い?リョータロー君。」
「うん。でも……負けない!」
「そうか……なら……。」
敵がどれだけ強くても、俺達は退かないと決意し心に火をつける。それに対して狂死郎は、右手をゆっくりと上げ、何かをしようとしてくる。
その瞬間……。
「マリーネ!」
俺が気づいた頃には、既にマリーネの背後に黒い触手が近づいていた。
このままではマリーネが……!そう思った俺は、ゴーレムの身体をガシャガシャと鳴らして必死に彼女を助けようとするが……。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説

望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
女神様の使い、5歳からやってます
めのめむし
ファンタジー
小桜美羽は5歳の幼女。辛い境遇の中でも、最愛の母親と妹と共に明るく生きていたが、ある日母を事故で失い、父親に放置されてしまう。絶望の淵で餓死寸前だった美羽は、異世界の女神レスフィーナに救われる。
「あなたには私の世界で生きる力を身につけやすくするから、それを使って楽しく生きなさい。それで……私のお友達になってちょうだい」
女神から神気の力を授かった美羽は、女神と同じ色の桜色の髪と瞳を手に入れ、魔法生物のきんちゃんと共に新たな世界での冒険に旅立つ。しかし、転移先で男性が襲われているのを目の当たりにし、街がゴブリンの集団に襲われていることに気づく。「大人の男……怖い」と呟きながらも、ゴブリンと戦うか、逃げるか——。いきなり厳しい世界に送られた美羽の運命はいかに?
優しさと試練が待ち受ける、幼い少女の異世界ファンタジー、開幕!
基本、ほのぼの系ですので進行は遅いですが、着実に進んでいきます。
戦闘描写ばかり望む方はご注意ください。
無自覚な少女は、今日も華麗に周りを振り回す。
ユズ
ファンタジー
15歳の誕生日を迎えた愛菜に待っていたのは、アイシャーナ・ウィステリアという異世界の公爵令嬢の赤ちゃんになるというものだった。けれど前向きな愛菜は「あ、例の異世界転生!え?私死んだっけ?ま、いっか!ふふっ、人生楽しまなき損なんだから!!」と、あっさり受け入れてしまう。
こんな女の子でも案外役に立つ…?
これは無自覚才女で天然でチートな愛され少女が楽に生きるために頑張り(しかし斜め上へ行く)、周りを振り回すお話。
*小説家になろう様にも投稿しています

鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
転生して貴族になったけど、与えられたのは瑕疵物件で有名な領地だった件
桜月雪兎
ファンタジー
神様のドジによって人生を終幕してしまった七瀬結希。
神様からお詫びとしていくつかのスキルを貰い、転生したのはなんと貴族の三男坊ユキルディス・フォン・アルフレッドだった。
しかし、家族とはあまり折り合いが良くなく、成人したらさっさと追い出された。
ユキルディスが唯一信頼している従者アルフォンス・グレイルのみを連れて、追い出された先は国内で有名な瑕疵物件であるユンゲート領だった。
ユキルディスはユキルディス・フォン・ユンゲートとして開拓から始まる物語だ。

闇属性転移者の冒険録
三日月新
ファンタジー
異世界に召喚された影山武(タケル)は、素敵な冒険が始まる予感がしていた。ところが、闇属性だからと草原へ強制転移されてしまう。
頼れる者がいない異世界で、タケルは元冒険者に助けられる。生き方と戦い方を教わると、ついに彼の冒険がスタートした。
強力な魔物や敵国と死闘を繰り広げながら、タケルはSランク冒険者を目指していく。
※週に三話ほど投稿していきます。
(再確認や編集作業で一旦投稿を中断することもあります)
※一話3,000字〜4,000字となっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる