異世界起動兵器ゴーレム

ヒカリ

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第1章<鋼の体>編

19話「燃える王都」

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    彼らがギルドで会議をしている時にそれは突然現れた。
    無数のゴーレムは、目から放つレーザー光線と魔術フレイムバレットによって街を攻撃し始めた。
    下級冒険者は王都の住人を王都外へ避難させ、上級冒険者はゴーレムを殲滅すべく
戦いを始める……。  



「リョータロー君!」

「ぐっ……この!」

    背後からマリーネが俺の名前を叫んだ。
    敵ゴーレムは俺に掴みかかり、レーザー光線を撃とうとした。

「アクアバレット!」

    その時、マリーネが水の弾丸を放つ魔術、アクアバレットを撃ちそれを敵ゴーレムにぶつけて、俺から敵を引き剥がしてくれた。

「はっ!とりゃあ!」 

    アクアバレットを食らってよろけた敵に対し、俺はパンチとキックを叩き込みトドメに火属性魔術で敵の胸にある核を破壊した。

「フレイムランス!」

「:'!」

    ゴーレムは断末魔を上げて動きを止めたけど、まだゴーレムは沢山いる……。
 
「獣脚!!(じゅうきゃく)」
 
    その時、トーゴが1体のゴーレムを瞬時に破壊した。
    脚に魔力を集中させ、オーラを纏った脚によって敵を粉砕する魔術、獣脚によって
ゴーレムの核を砕いたのだ。
    さすが特級冒険者……強い!

「アイスランス!!」

    マリーネも、1秒でも早くゴーレムを全滅させる為にアイスランスによってゴーレムの核を貫いて戦っている。

「トーゴ、待たせたわね!私もこの辺のゴーレムを討伐するのに加勢するわ!」

    その時、トーゴの姉であるリコが南区に駆けつけ、俺達に加勢してくれた。
    仲間が1人増えて頼もしいな……!

「姉貴!!助かる!!」

「強化魔術を使うわ!パワーブースト!!」

    リコは他者の肉体を強化する魔術、パワーブーストを使い、トーゴの筋力を強化した。 

「獣拳!!(じゅうけん)」

    パワーアップしたトーゴは拳に魔力を纏わせゴーレムの核をその鉄拳によって打ち砕き、続けて何体ものゴーレムをなぎ倒していく。

「俺もやらなくちゃ……!!この街を守る!!」

    俺は自分の尻に火を付け自分の闘志を焚きつけるように、敵ゴーレムへと向かっていった。
    今の俺はゴーレムなんだ……腕の1本や2本くれてやるぐらいの覚悟で戦わなくちゃ!!
  


    俺達タウラス組は、王都の西側でのゴーレム殲滅を任された。
    周りでは他の冒険者達も戦っている……ここは特級冒険者として、みんなの見本になるような活躍をしなくちゃな!
    行くぜぇ!!

「スティングフィッシュの角!!」

    俺は魔術で右手を魚型モンスター、スティングフィッシュの針のように鋭い角に変化させ、その鋭い角で目の前のゴーレムの核を貫く。
 
「オラオラァ!」
 
    さらに続けて2体、3体とゴーレムの核を潰していったのだが……。

「おっと!角が折れちまった……。」

    スティングフィッシュの角はかなり繊細で、荒々しく使とすぐに折れちまうんだ。
    だが腕の形を変えればどうという事はねぇ!

「今度は、スラッシュマンティスの刃!!」  

    次は、腕を虫型モンスター、スラッシュマンティスの腕の鋭利な刃に変化させて、それによる攻撃をゴーレムにしかけた。  

「食らいやがれ!!」

    俺は腕刃の斬撃によってゴーレムの核を切り裂いてゴーレムを倒していく。
    そういや、ベルとドラコはどうしてるかな……?

「フレイムスラッシュ!!」

「アイススラッシュ!!」

    俺が2人の方を見てみると、ベルは炎を剣に纏わせた斬撃、フレイムスラッシュで敵の核を斬り裂き、ドラコは氷の斬撃アイススラッシュで核を斬り攻撃していた。
    この様子じゃ問題は無さそうだな!
    さぁて、俺ももうひと頑張りしますか!!



    俺とセリエ、ティアマトの子2人で王都の南側でゴーレムと戦っているのだが……    
    この辺はちと多いな……。だが特級冒険者たる者、ゴーレム共には負けねぇぜ!

「神速斬!!」

    この俺ガオレオ様は持ち前のスピードを駆使した戦い方が基本だ。
    高速で戦場を駆け抜け、敵とのすれ違いざまに敵の弱点を切り裂く俺の技、神速斬によって、5体のゴーレムを瞬時に倒してやった。そして……  

「アイスバレット・ストロング」

    後ろから聞こえたこの声はセリエか?と思った瞬間、宙を氷の弾丸アイスバレットが舞う。
    そのアイスバレットはゴーレムの核目掛けて飛んでいき、敵の核を身体ごと貫く
が、それでもそれの威力は消える事無く次のゴーレムの元へと飛んでいき、核を潰しては別のゴーレムへと、1つのアイスバレットで複数のゴーレムを倒していった。
    流石だぜセリエ!

「ガオレオ……援護は……任せて……。」

「おう!」

    援護をさせろと言うセリエに俺はグッジョブのサインを出し、ゴーレムとの戦闘を再開する。
 



「……多いな。」  

    北側でゴーレムの大群と戦っている私は、育ての父から譲り受けたこの剣を抜刀しようとしたが……。

「いや、この剣は強者を前にした時のみ抜刀を許される剣……今夜は炎の剣士ソレイユはお休みだ。」

    私は剣を使わない魔術のみでゴーレムと戦う事を決意した。
    私の得意魔術は火属性だ。火属性魔術を何年もかけて磨き上げてきた。 

「蛍火」

    私は手の平から輝く粉塵をゴーレムに撒き散らした。
    それに目を向けるゴーレム達……人並みの感情というものがあれば、この粉塵はまるで綺麗な蛍の光のように見えるだろう
……しかしゴーレムは……。

「爆ぜろ……!」 

    私が指をパチンと鳴らすと、粉塵はそれを合図に大爆発を起こした。
    この辺が建物が少なく、人も既に避難し終えている場所で良かった、遠慮なくこの技を使えたのだから。  

「漁火」
 
    続けて私は魔術を使った。
    手のひらに小さな光の玉を無数に作り出し、それをゴーレムの元に飛ばす。
    そして光の玉が十分にゴーレム達の近くに行き届いたのを見計らい、また指を鳴らした。

「砕けろ……!」

    私の合図によって1つ目の光の玉が爆発を起こし、それを起点に2つ、3つと次々に光の玉が爆発を起こし、それによってゴーレムは砕け散り粉々になった。 

「……この程度のゴーレムなど、この剣を抜くまでも無かったな。」

    さて、残るゴーレムは数体……会議に来ていた上級冒険者達ならどうという事は無いと思うが……リョータロー君だったか……?
    彼は戦闘経験はあるのだろうか。 
    我々の戦力になるのなら、このゴーレムを倒せるぐらいの力は持っていて欲しいのだが……。
    とにかく、残りのゴーレムを倒してリョータロー君の様子でも見に行こうか……。





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