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第1章<鋼の体>編
16話「決意(きめ)る兵器」
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俺とマリーネは、王都内の病院に来ていた。
そこには、今朝のシャナ襲撃によって村人の殆どを殺された村、サータニャ村の生き残りの少年、クレン君がいたのだけど……。
「その……ごめんなさい!
君の家族を守れなくて……!」
俺は彼に対して何を言うべきか考え、まずは彼の家族を、シャナから守る事ができなかった事を頭を下げて謝った。
「気にしないでください。冒険者さん達は頑張ったと思います。」
俺の謝罪を聞いても尚、彼は顔色を変える事は無かった。
俺はなんで守れなかったんだ!って怒られるつもりで謝ったんだけど、これはまるで……。
「君は、家族や村人が死んだ事が悲しくないの……?」
俺の謝罪の後、時マリーネがクレン君に
そう聞いた。
それを聞かれた彼の表情は、先程までの笑顔とは一変して、一瞬曇ったように見えた。
「……悲しいに決まってるじゃないですか……さっきこのベッドの上で起きた時は、悲しみのあまり泣きましたよ。今朝起きた出来事は、悪い夢なんじゃないかって現実から目を背けもしました……でも、今朝の出来事は全て現実で起こった出来事で、僕の家族も村の人達も、もうこの世界にはいない、そうですよね……?」
クレン君はベッドの上から窓の外を眺めながら自分の胸中を俺達に伝えてくれた。
やっぱり悲しいよな……大切な人ともう会えないなんて……。
そんな彼に俺達から言える事は、ひとつしか無いと思う。
「クレン君……君だけでも生き残ってくれて良かった……!俺は自分が無力だと思った。俺は誰も助ける事ができなくて……君が生き残ったのも俺が頑張ったからじゃなく、単なる偶然なのかもしれない……けど……生き残ってくれて良かった……!
……俺、決めたんだ。これから俺はもっと強くならなくちゃ、って……。だから俺は、俺達は君が安心して生きられる世界を作る為に、あの敵と戦う。君にとって今日起きた事はとても悲しい事だよね、だけど……失った家族や村人達の分も……君にはしっかり生き抜いてほしい。」
俺は自分の胸の内を洗いざらいクレン君に打ち明けた。
これが今の俺に言える精一杯の台詞だ。
特撮やアニメを見続けて育った俺が、そういう物からインプットしたものを統合して考えた言葉だけど……。
「……分かりました。マリーネさん、リョータローさん、もし俺の家族のように、謎の敵の危険に晒されてる人達がいたら……今度こそ、助けてあげてください。」
俺の言葉を聞いたクレン君は俺とマリーネにそう返した。
……うん、今度は負けない!この世界の人達を守る為に……!
「分かった、約束する!」
俺はその約束を果たすとクレン君に誓った。
そして俺とマリーネは病院を後にする。
「マリーネ、俺のいた世界でも、人がたくさん殺される事件はあった。でもこんな身近でそんな事件を体験するだなんて事無かったから……正直言ってちょっと怖かったんだ……。」
「そう……そりゃそうよね、あんなの慣れろって言う方が間違ってるわ……。リョータロー君!私も強くなる!特級……とまでは行けなくても、1級の上段ぐらいの強さにはなるから、必ず!」
俺の言葉に対して、マリーネは気合いを入れるようなポーズをとりながら、俺にそう言ってくれた。
……思い違いじゃなければ、俺がクレン君に言ったあの言葉がマリーネにも響いた
……のかな?そうだと嬉しいんだけど……。
そして、会議まで時間があるので、
俺達は一旦家に帰った。
「じゃあ、私はお風呂に入るわね。リョータロー君は好きにしてて!」
マリーネがそう言うので、俺は家の外に出て、何をして時間を潰すか考えた。
「うーん、何しよう……よし、俺は強くなるって決めたからな、取り敢えず身体を鍛えよう!」
そう決めたものの……俺の身体は人の身体のように筋肉で構成されてる訳じゃないけど……この身体、人のように鍛えられるのかな?なんか、考えてみると無理な気が
する……。
じゃあ……ゴーレムは外付けの装備でしか強くなることはできない……?
なら鍛冶屋のグルさんに装備をドンドン作ってもらうしか……でもそれではお金がかかるからなぁ……とりあえず、今は持ってる装備を有効活用しよう!今の俺にはフレイムナックルがある!
という訳で俺は火属性の魔術の練習をした。練習を続ければ独自の火属性魔術を使えるようになるかも?と考え、魔力が尽きそうになる限界までの1時間ぐらいの間、魔術の練習を続けた。
そして1時間が経過した時、風呂から上がったマリーネが姿を現した。
「魔術の練習をしてたのね?」
「うん……ねぇマリーネ、気になってたんだけど、どういう原理で無属性魔術しか使えない俺がフレイムナックルを装備すると火属性魔術を使えるようになるの?」
「それはね……フレイムナックルの中にはね、火山地帯で採れる火炎石っていう魔石が入れられてて、その魔石の力で火属性魔術が使えるようになるのよ。魔石には色々な属性のものがあるわ。」
俺の質問にそう答えるマリーネ。
なるほど、そういう訳か……。あ、それともう1つ気になることが……。
「マリーネ、俺はゴーレムだけど、冒険者になる事はできないかな?」
「リョータロー君が冒険者に……?どうかしら……ゴーレムの冒険者なんて聞いた事無いわ……リョータロー君は冒険者になりたいの?」
「俺が冒険者になればマリーネから独立して1人で自由に行動できるかも、とか?」
「そういう事ね、でもゴーレムには魔力を供給する主人が必要なのだからそれは無理かもね。それに、ゴーレム1人養うぐらい、私にとってはどうという事無いわ!安心してちょうだい!」
と、マリーネは胸を張って自信満々に答えた。
それなら、もうしばらくはマリーネのお世話になってもバチは当たらないよね?
「さて、もうすぐ会議の始まる時間だから、王都に行くわよ!」
「うん!」
マリーネは俺に懐中時計を見せ、時計の針が夕方の6時を示している事を教えてくれた。
……これから俺は特級冒険者会議に参加するのか、なんか緊張するなぁ……まだ会ってない特級冒険者の3人はどんな人達なんだろうか。
そこには、今朝のシャナ襲撃によって村人の殆どを殺された村、サータニャ村の生き残りの少年、クレン君がいたのだけど……。
「その……ごめんなさい!
君の家族を守れなくて……!」
俺は彼に対して何を言うべきか考え、まずは彼の家族を、シャナから守る事ができなかった事を頭を下げて謝った。
「気にしないでください。冒険者さん達は頑張ったと思います。」
俺の謝罪を聞いても尚、彼は顔色を変える事は無かった。
俺はなんで守れなかったんだ!って怒られるつもりで謝ったんだけど、これはまるで……。
「君は、家族や村人が死んだ事が悲しくないの……?」
俺の謝罪の後、時マリーネがクレン君に
そう聞いた。
それを聞かれた彼の表情は、先程までの笑顔とは一変して、一瞬曇ったように見えた。
「……悲しいに決まってるじゃないですか……さっきこのベッドの上で起きた時は、悲しみのあまり泣きましたよ。今朝起きた出来事は、悪い夢なんじゃないかって現実から目を背けもしました……でも、今朝の出来事は全て現実で起こった出来事で、僕の家族も村の人達も、もうこの世界にはいない、そうですよね……?」
クレン君はベッドの上から窓の外を眺めながら自分の胸中を俺達に伝えてくれた。
やっぱり悲しいよな……大切な人ともう会えないなんて……。
そんな彼に俺達から言える事は、ひとつしか無いと思う。
「クレン君……君だけでも生き残ってくれて良かった……!俺は自分が無力だと思った。俺は誰も助ける事ができなくて……君が生き残ったのも俺が頑張ったからじゃなく、単なる偶然なのかもしれない……けど……生き残ってくれて良かった……!
……俺、決めたんだ。これから俺はもっと強くならなくちゃ、って……。だから俺は、俺達は君が安心して生きられる世界を作る為に、あの敵と戦う。君にとって今日起きた事はとても悲しい事だよね、だけど……失った家族や村人達の分も……君にはしっかり生き抜いてほしい。」
俺は自分の胸の内を洗いざらいクレン君に打ち明けた。
これが今の俺に言える精一杯の台詞だ。
特撮やアニメを見続けて育った俺が、そういう物からインプットしたものを統合して考えた言葉だけど……。
「……分かりました。マリーネさん、リョータローさん、もし俺の家族のように、謎の敵の危険に晒されてる人達がいたら……今度こそ、助けてあげてください。」
俺の言葉を聞いたクレン君は俺とマリーネにそう返した。
……うん、今度は負けない!この世界の人達を守る為に……!
「分かった、約束する!」
俺はその約束を果たすとクレン君に誓った。
そして俺とマリーネは病院を後にする。
「マリーネ、俺のいた世界でも、人がたくさん殺される事件はあった。でもこんな身近でそんな事件を体験するだなんて事無かったから……正直言ってちょっと怖かったんだ……。」
「そう……そりゃそうよね、あんなの慣れろって言う方が間違ってるわ……。リョータロー君!私も強くなる!特級……とまでは行けなくても、1級の上段ぐらいの強さにはなるから、必ず!」
俺の言葉に対して、マリーネは気合いを入れるようなポーズをとりながら、俺にそう言ってくれた。
……思い違いじゃなければ、俺がクレン君に言ったあの言葉がマリーネにも響いた
……のかな?そうだと嬉しいんだけど……。
そして、会議まで時間があるので、
俺達は一旦家に帰った。
「じゃあ、私はお風呂に入るわね。リョータロー君は好きにしてて!」
マリーネがそう言うので、俺は家の外に出て、何をして時間を潰すか考えた。
「うーん、何しよう……よし、俺は強くなるって決めたからな、取り敢えず身体を鍛えよう!」
そう決めたものの……俺の身体は人の身体のように筋肉で構成されてる訳じゃないけど……この身体、人のように鍛えられるのかな?なんか、考えてみると無理な気が
する……。
じゃあ……ゴーレムは外付けの装備でしか強くなることはできない……?
なら鍛冶屋のグルさんに装備をドンドン作ってもらうしか……でもそれではお金がかかるからなぁ……とりあえず、今は持ってる装備を有効活用しよう!今の俺にはフレイムナックルがある!
という訳で俺は火属性の魔術の練習をした。練習を続ければ独自の火属性魔術を使えるようになるかも?と考え、魔力が尽きそうになる限界までの1時間ぐらいの間、魔術の練習を続けた。
そして1時間が経過した時、風呂から上がったマリーネが姿を現した。
「魔術の練習をしてたのね?」
「うん……ねぇマリーネ、気になってたんだけど、どういう原理で無属性魔術しか使えない俺がフレイムナックルを装備すると火属性魔術を使えるようになるの?」
「それはね……フレイムナックルの中にはね、火山地帯で採れる火炎石っていう魔石が入れられてて、その魔石の力で火属性魔術が使えるようになるのよ。魔石には色々な属性のものがあるわ。」
俺の質問にそう答えるマリーネ。
なるほど、そういう訳か……。あ、それともう1つ気になることが……。
「マリーネ、俺はゴーレムだけど、冒険者になる事はできないかな?」
「リョータロー君が冒険者に……?どうかしら……ゴーレムの冒険者なんて聞いた事無いわ……リョータロー君は冒険者になりたいの?」
「俺が冒険者になればマリーネから独立して1人で自由に行動できるかも、とか?」
「そういう事ね、でもゴーレムには魔力を供給する主人が必要なのだからそれは無理かもね。それに、ゴーレム1人養うぐらい、私にとってはどうという事無いわ!安心してちょうだい!」
と、マリーネは胸を張って自信満々に答えた。
それなら、もうしばらくはマリーネのお世話になってもバチは当たらないよね?
「さて、もうすぐ会議の始まる時間だから、王都に行くわよ!」
「うん!」
マリーネは俺に懐中時計を見せ、時計の針が夕方の6時を示している事を教えてくれた。
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