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第1章<鋼の体>編
7話「変わる体」
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俺のこのゴーレムの体は、手脚を換装して、武装を変化させる事ができるようなので、俺はマリーネに手脚の武装を買ってもらい、それに換装をする事にした。
「パージ。」
マリーネは俺の腕の肘の辺りに手をかざして「パージ」、という魔術を使った。
すると俺の腕の肘から下が外れる。
腕の取り替えは魔術で行うのか……。
「じゃあ、付けるわよ。」
マリーネはそう言いながら、手に入れた新たな腕、フレイムナックルを、俺の腕に取り付け、その際も魔術を使った。
「アタッチ。」
アタッチとは、ゴーレムの体の部位と部位を固く繋ぎ止める為の魔術のようで、その魔術のお陰で、フレイムナックルは俺
の腕にガッチリと固定された。
「おぉ~……!」
これで俺の右腕は真っ赤な見た目が特徴のフレイムナックルへと変化した。とてもカッコイイ!
「ふふ……へへへ……。」
新たに手に入れたフレイムナックルのカッコ良さに魅入られたあまり、つい変な笑い声を出してしまう俺。
その様子を見て皆引いてなければ良いんだけど……。
「次はこっちを換装しましょう?」
マリーネはそう言って脚の武装、ホイールゴローダーを手に取るが、俺はある事を思いつき、それを実行してみた。
「…………。」
「何やってるの?」
マリーネにそう聞かれた俺は、無言で手首をグルグルと回転していた。
「えーっと、回転パンチ!的な……?」
「ふふっ、何それ……変なの。」
マリーネは笑いつつも、変なのと返した。
まぁ、分からない人にはこれが何なのか分からなくて当然だけど……。
「あ、ホイールゴローダーだっけ?それも付けてくれる?」
俺は脚も換装してくれないかとマリーネにお願いし、脚をホイールゴローダーへと換装した。
「こっちもカッコイイ……!」
「気に入ってくれたかい?」
店主のグルさんは、手足を換装した俺を見て気に入ってくれたのかと俺に質問し、俺はもちろんこう答える……
「はい!すごく嬉しいです!」
「良い感じだわ~。」
「似合ってるぞ、リョータロー。」
リコとトーゴも俺の見た目を褒めてくれた。
良い身なりをしてると自然と人を引き寄せるっておじいちゃんが言ってたけど、ゴーレムの姿でそれを体験できるとは……。
「それはそうと、じいさん、俺はこの手甲を買うぞ。」
話は変わって、トーゴは黒く光る手甲を手に取って、グルさんにこれを買うと言った。
「ドラガントレット1個じゃな。もう神獣レベルの化け物と戦って壊すんじゃねぇぞ!」
え、神獣……?モンスターの中でも特に強いっていう、あの……?
「トーゴ、神獣レベルのモンスターと戦えるの?」
「そうよ~、私の弟は特級冒険者なの~。神獣とも互角に戦える実力者って事~。」
「ま、まぁな。」
トーゴはリコの言葉を聞いて、頭を少し掻きながら照れくさそうな顔をしている。
特級冒険者だなんて、それは凄いな!
「お代は3500ラルクじゃ!」
グルさんはトーゴに、ドラガントレットという手甲のお代を請求し、トーゴはポケットから財布を出して、その中から3500ラルクをグルさんに手渡した。
そうして、グルさんの鍛冶屋で欲しい物を手にした俺達は、鍛冶屋を後にして、王都の噴水の広場で解散する事にした。
「じゃあまたね、2人とも。」
マリーネはリコとトーゴにまたね、と挨拶をした。
「トーゴ、リコ、不束ゴーレムだけど、宜しく!」
「ふふふっ。」
俺は2人に、渾身の挨拶をした……のだけど、2人には特にウケてる様子だ。
明るく振舞ってみたつもりだけど、慣れない事は急にやるものじゃないな。
「うん、宜しくねリョ~タロ~。」
「困った事があったら互いに助け合おう。」
リコとトーゴはスベった俺にそう返し、今日は解散となった。
「マリーネ、明日は新しい武装を試しに使ってみたい!使いこなしたいんだ、この2つの武装を!」
俺はマリーネに、明日はフレイムナックルとホイールゴローダーを使い、使いこなせるようになるまで使ってみたい、と言い、彼女は首を縦に振った。
「ええ、良いわよ!」
「ありがとう!明日が楽しみだな~。」
そうして、俺とマリーネは我が家への帰路についた。
そして俺達は家に帰ると、俺の体から取り外したノーマルアームとノーマルレッグと、腕と脚を換装した俺の体にある細工を
施した。
「……よし!」
マリーネは俺の右腕とノーマルアームの右腕、そして両脚とノーマルレッグに、指で簡易的な魔法陣をなぞり、それで細工は
完了した。
「これで手脚を自由に変化できるの?」
「ええ、強く思ってみて、手脚を変えたい!って。」
マリーネの言う通り、俺は心の中で
「手脚をノーマルアーム、ノーマルレッグに変える」と念じた。
すると、腕のフレイムナックルと脚のホイールゴローダーは光を纏い、次の瞬間には腕はノーマルアーム、脚はレッグに変わっていた。
「変わった!」
俺はとても驚いた。なぜならこれでいつでもどこでも手脚を自分の意思で換装する事ができるようになったのだから。
「ありがとう、マリーネ!」
「どういたしまして!さて、私は夜ご飯を食べるとしましょう。」
その後マリーネは夜ご飯を作り、それを食べ終えてこの日の活動は終了となった。
マリーネは眠る前に、俺を自分の寝室に連れてくる。
「リョータロー君も眠りましょうね。」
「え、俺って眠れるの?ゴーレムだけど……?」
マリーネが言うには、ゴーレムはずっと動いてる訳じゃなく、休息を取らせる事もできるそうだ。
「で、どうやって眠るの?」
「こうするのよ。」
マリーネはそう言うと、俺の胸の丸いカバーを開いて、中のゴーレムの核を取り出した。
核は丸くて赤いボールのような形をしている。
「おやすみ、リョータロー君。」
「あ、そこ、開くんだ……。」
その日は色々あったけど、とりあえず俺は、マリーネと共にこれからこの異世界で色んな事ができそうだなと予感し、眠りについた。
「パージ。」
マリーネは俺の腕の肘の辺りに手をかざして「パージ」、という魔術を使った。
すると俺の腕の肘から下が外れる。
腕の取り替えは魔術で行うのか……。
「じゃあ、付けるわよ。」
マリーネはそう言いながら、手に入れた新たな腕、フレイムナックルを、俺の腕に取り付け、その際も魔術を使った。
「アタッチ。」
アタッチとは、ゴーレムの体の部位と部位を固く繋ぎ止める為の魔術のようで、その魔術のお陰で、フレイムナックルは俺
の腕にガッチリと固定された。
「おぉ~……!」
これで俺の右腕は真っ赤な見た目が特徴のフレイムナックルへと変化した。とてもカッコイイ!
「ふふ……へへへ……。」
新たに手に入れたフレイムナックルのカッコ良さに魅入られたあまり、つい変な笑い声を出してしまう俺。
その様子を見て皆引いてなければ良いんだけど……。
「次はこっちを換装しましょう?」
マリーネはそう言って脚の武装、ホイールゴローダーを手に取るが、俺はある事を思いつき、それを実行してみた。
「…………。」
「何やってるの?」
マリーネにそう聞かれた俺は、無言で手首をグルグルと回転していた。
「えーっと、回転パンチ!的な……?」
「ふふっ、何それ……変なの。」
マリーネは笑いつつも、変なのと返した。
まぁ、分からない人にはこれが何なのか分からなくて当然だけど……。
「あ、ホイールゴローダーだっけ?それも付けてくれる?」
俺は脚も換装してくれないかとマリーネにお願いし、脚をホイールゴローダーへと換装した。
「こっちもカッコイイ……!」
「気に入ってくれたかい?」
店主のグルさんは、手足を換装した俺を見て気に入ってくれたのかと俺に質問し、俺はもちろんこう答える……
「はい!すごく嬉しいです!」
「良い感じだわ~。」
「似合ってるぞ、リョータロー。」
リコとトーゴも俺の見た目を褒めてくれた。
良い身なりをしてると自然と人を引き寄せるっておじいちゃんが言ってたけど、ゴーレムの姿でそれを体験できるとは……。
「それはそうと、じいさん、俺はこの手甲を買うぞ。」
話は変わって、トーゴは黒く光る手甲を手に取って、グルさんにこれを買うと言った。
「ドラガントレット1個じゃな。もう神獣レベルの化け物と戦って壊すんじゃねぇぞ!」
え、神獣……?モンスターの中でも特に強いっていう、あの……?
「トーゴ、神獣レベルのモンスターと戦えるの?」
「そうよ~、私の弟は特級冒険者なの~。神獣とも互角に戦える実力者って事~。」
「ま、まぁな。」
トーゴはリコの言葉を聞いて、頭を少し掻きながら照れくさそうな顔をしている。
特級冒険者だなんて、それは凄いな!
「お代は3500ラルクじゃ!」
グルさんはトーゴに、ドラガントレットという手甲のお代を請求し、トーゴはポケットから財布を出して、その中から3500ラルクをグルさんに手渡した。
そうして、グルさんの鍛冶屋で欲しい物を手にした俺達は、鍛冶屋を後にして、王都の噴水の広場で解散する事にした。
「じゃあまたね、2人とも。」
マリーネはリコとトーゴにまたね、と挨拶をした。
「トーゴ、リコ、不束ゴーレムだけど、宜しく!」
「ふふふっ。」
俺は2人に、渾身の挨拶をした……のだけど、2人には特にウケてる様子だ。
明るく振舞ってみたつもりだけど、慣れない事は急にやるものじゃないな。
「うん、宜しくねリョ~タロ~。」
「困った事があったら互いに助け合おう。」
リコとトーゴはスベった俺にそう返し、今日は解散となった。
「マリーネ、明日は新しい武装を試しに使ってみたい!使いこなしたいんだ、この2つの武装を!」
俺はマリーネに、明日はフレイムナックルとホイールゴローダーを使い、使いこなせるようになるまで使ってみたい、と言い、彼女は首を縦に振った。
「ええ、良いわよ!」
「ありがとう!明日が楽しみだな~。」
そうして、俺とマリーネは我が家への帰路についた。
そして俺達は家に帰ると、俺の体から取り外したノーマルアームとノーマルレッグと、腕と脚を換装した俺の体にある細工を
施した。
「……よし!」
マリーネは俺の右腕とノーマルアームの右腕、そして両脚とノーマルレッグに、指で簡易的な魔法陣をなぞり、それで細工は
完了した。
「これで手脚を自由に変化できるの?」
「ええ、強く思ってみて、手脚を変えたい!って。」
マリーネの言う通り、俺は心の中で
「手脚をノーマルアーム、ノーマルレッグに変える」と念じた。
すると、腕のフレイムナックルと脚のホイールゴローダーは光を纏い、次の瞬間には腕はノーマルアーム、脚はレッグに変わっていた。
「変わった!」
俺はとても驚いた。なぜならこれでいつでもどこでも手脚を自分の意思で換装する事ができるようになったのだから。
「ありがとう、マリーネ!」
「どういたしまして!さて、私は夜ご飯を食べるとしましょう。」
その後マリーネは夜ご飯を作り、それを食べ終えてこの日の活動は終了となった。
マリーネは眠る前に、俺を自分の寝室に連れてくる。
「リョータロー君も眠りましょうね。」
「え、俺って眠れるの?ゴーレムだけど……?」
マリーネが言うには、ゴーレムはずっと動いてる訳じゃなく、休息を取らせる事もできるそうだ。
「で、どうやって眠るの?」
「こうするのよ。」
マリーネはそう言うと、俺の胸の丸いカバーを開いて、中のゴーレムの核を取り出した。
核は丸くて赤いボールのような形をしている。
「おやすみ、リョータロー君。」
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