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第三舞  出発は、トラブルの元。

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(……頑張らなきゃ!)

 リラは、ベッドから起き上がるなりそう思った。   
 彼女は緊張しながらも、アルフレートやマティアスの為に頑張ろうと拳を握る。
 すると、カリナが、いつものように朝食を持ってきた。

「 お早うございます、リゼフィーネ様。お飲みものは、紅茶でよろしかったでしょうか?」
「うん、ありがとう。」

 カリナが、紅茶を淹れる。その様子を見ながら、リラはカリナに問いかけた。

「ねぇ、カリナ?今日は、どんな服を着ていけばいいの?私はあまり外に出たことがないから、どんな服装がいいのか、よく分からないんだけど……。」

「今日は、公式の場とはいえ大掛かりなものではないので、いつものような格好でも構わないと思いますよ。ただ、乗馬をするかもしれないので、あまり動きにくい服装ですと、後々苦労するかと思いますよ。」

 リラは自分の耳を疑った。

( 乗馬??そんなの聞いてないよ!お兄様、もしかして言うのを忘れてたとか??どうしよう……乗馬出来ないのに……。)

 リラの考えていることを正確に読み取ったカリナは、即座に言った。
 さすがは専属メイドと言いたいところだが、通常時、リラは思ったことがそのまま顔に出るのだ。別にそう、難しいことではない。
 ……本人は、隠し通せていると思っているが。

「リゼフィーネ様、ご安心くださいませ。もし、乗馬をすることになられたとしても、アルフレート様のご友人が、教えてくださるとのことです。それに、アルフレート様は、リゼフィーネ様に挨拶を押し付けたんですから、それくらいのことはすると思いますよ。」

 カリナの言い方にリラはギョッとした。
 ここは貴族の横暴が曲がり通る世界。
 本人の耳に入れば、どうなってもおかしくないのに、どうしてそんなことが言えるのだろうか。  
 リラも不思議でたまらないらしい様だが、彼女にカリナを問い詰める器量など無い。
 仕方なく、彼女は喉まで出かかっているそれを、無理矢理飲み込んだ。

「それならいいけど……。何故、乗馬をするなんてことが出てきたの?たとえ、そうなるかもしれないってだけだとしても、お兄様は言ってくれるはずなのに……。」
 
 不思議そうなリラに、カリナはボソッと聞こえるか聞こえないかぐらいの声で言った。

「……おそらく、ヒルシュビーゲル公爵のサプライズ(嫌がらせ)でしょうね。」
「えっ?カリナ、なんて言ったの?」
「なんでもありません。気にしないでください。」

(えー、余計、気になるんだけど……。) 


_____________

ー次の日の昼

 マティアスに呼び出されたリラは、馬車に乗る。
 カリナも馬車に乗るが、使用人であるため、別の使用人専用の馬車に乗った。

 リラが乗った途端、マティアスが話しかける。

「リラ、本当に大丈夫か?嫌だったら、遠慮なく言うんだぞ。そしたら、すぐにヒルシュビーゲル公爵に文句を言って屋敷に帰るからね。」
 
 マティアスは親バカ発言をするが、楽しみすぎてリラは気付かない。

「いいえ、逆に楽しみです!今まで、あまり屋敷に出たことがなかったので、どんな体験が出来るのかと、昨日からワクワクしてました!!それに、お父様とお兄様の親しい方ならきっと素敵な方のはずです!」

 そう、嬉しそうに語るリラを見て、マティアスは安堵の表情をする。だが、後半はとても複雑そうな顔して、何かぶつぶつ呟いていた。

ーどの位、経っただろうか。

 リラはぼんやりと外の景色を見ていた。退屈そうに。
 彼女は久しぶりに見る外の景色に、最初は喜んでいたし、マティアスとも楽しそうにベラベラ喋っていた。
 だが、何処も彼処も、畑、森。所々、家はあるものの、何時間もほぼ同じ景色では飽きる。喋るのも、マティアスが途中で疲れてしまって、出来なくなった。仕方なく、ただボーッと景色を見ることに堪えきれなくなり、マティアスに言った。

「……お父様。まだ、着かないんですか?」
「あと、……半分位だ。」

 言われたマティアスの口数が少ない。疲れ果てている様だ。

(あと、半分っ!?半分もあるのっ!?……うぅ、いっそのこと、御者台に行きたいよ……。)

 そのとき、リラ達の馬車の後ろから、かなり速い速度で馬が駆ける音がした。どう考えても、普通ではない。

( ……何?)

「……賊か?」

 マティアスが低い声で言った。そして、彼はいつでも戦える様、戦闘態勢に入る。

「リゼフィーネ、こっちに来い。」
「はい。」

 リラはマティアスの横にしゃがみ込み、窓の外の人物から自分が見えない様にする。

(い、いきなり、盗賊っ!?……さ、さすが、ファンタジーと言うか……。)

 リラが妙な事に感心していると、馬車が急停止した。馬車の中の緊張感が一気に高まる。
 
(や、やっぱ、怖いっっ!!)

ーそして、馬車のドアは開いた。

 だが、現れた謎の人物を見て、リラは素っ頓狂な声を上げた。

「お兄様ぁっ!?」

 現れたのは王宮に居るはずの、アルフレートだった。相当、必死になって追いかけてきたらしく、滝の様な汗が流れ、息切れしている。
 どうやら、御者は必死に追いかけてくるアルフレートを見て、馬車を止めたらしい。

「あの……模擬戦は……?」
「騎士団の要請で、伝言を父上に届けにきたんだよ。だから、模擬戦は中止せざるを得なくなってね。」

 不思議そうなリラに柔らかい声で、答えるアルフレート。
 だが、すぐに険しい顔になって、マティアスに言った。

「父上、少しお時間いただけるでしょうか?」

 マティアスは頷き、馬車を降りて人目の付かない場所に入っていった。その様子を見て、ただことではないのがリラにも分かった。

( お兄様、一体何があったの……? )

 しばらくして、マティアスとアルフレートが戻ってきた。2人共、表情が硬い。そして、リラの乗っている馬車に2人共座った。少し沈黙が続き、やっとのことで、マティアスが口を開いた。

「……リゼフィーネ、騎士団からの情報だが、この先で魔獣が異常発生しているとの事だ。そんなところに、リゼフィーネを連れて行くことなど出来るはずがない。」

ーマティアスが一旦、ゴホンと咳払いをする。

「……すまないが、アルフレートと一緒に帰って欲しい。あぁ、見習いとはいえ、リゼフィーネ一人位護衛出来るからそこは気にしなくていいぞ?」
「嫌です。せっかくここまで来たのに、今更引き返すなんてしたくありません。それに、それはお父様も同じでしょう?」

 予想だにしないリラの言葉を聞いて、声が裏返るマティアス。

「り、リゼフィーネっ!?何を言っているんだ!?魔獣は危険で、死ぬことだってあるんだぞ!!第一、リゼフィーネは自分を守ることが出来ないじゃないか!!」
「リラ、そんなワガママを言っちゃいけないよ。父上は、リラのことを思ってそう言っているんだ。それともリラは、ワガママを言って父上を困らせたいのかい?」

 アルフレートとマティアスの言葉にピクリと反応して、渋々と言った感じでリラは承諾した。

「……分かりました。お兄様と一緒に帰ります。お父様、お気をつけてくださいね。」

 リラはそう言って馬車を降りる。アルフレートも、マティアスに一礼した後、馬を連れてきた。

「リラ、行こうか。」

 アルフレートがリラに手を差し出した。リラは、アルフレートの手を取り、馬に乗る。
 すでに、マティアス達の馬車は見えなくなってしまっている。

( あぁ~、行きたかったよー!!もうっ!!魔獣さえいなければ今頃、ヒルシュビーゲル公爵家にいたのに……!大体、今の時期に魔獣が異常発生するなんてっ!……そう言えば、今は冬だよね……?普通は春なのに、どうして今の時期なの……?)

 疑問を消しきれず、黙り込むリラ。
 お喋り好きなリラが黙っているのを見て、不貞腐れているとでも思ったのだろう。アルフレートがリラに話しかけた。

「……リラ、今回は……

    アルフレートが何か言いかけようとしたとき、遠くの方から禍々しい唸り声と気配がした。

「「魔獣!!」」

    リラとアルフレートは同時に叫んだ。すると、カリナ達も気づいたらしく、すぐ後ろの使用人用の馬車から、カリナが降りて来た。

「リゼフィーネ様!!アルフレート様!!お怪我はありませんか!?」

 珍しく、カリナが少し取り乱している。だが、二人が無事なのを確認すると、いつもの冷静さを取り戻した。

「お怪我がなくて何よりですが、魔獣が旦那様のところにいます。緊急事態なのでリゼフィーネ様は、申し訳ありませんが、私達の乗っている馬車で御屋敷にお帰り下さいませ。」
「では、私は父上の援護をしに行く。メイド、リラを頼む。」

 リラの反論する隙を与えずに、二人は言葉を交わす。それには気づかずにリラは思った。

( ……お父様、大丈夫かな……?って言うか、カリナって護衛出来るほど強かったの??)

 そう思いつつ、リラはアルフレートに言う。

「お兄様、御武運を!!」

 アルフレートは深く頷き、マティアスのいる方向に向かって、馬で走っていった。
 リラも、カリナと一緒に馬車に乗った。

「……リラ様、何処に魔獣が居るかも分かりません。出来るだけ音は立てないで下さいませ。」

 カリナが殆ど聞こえない声で言ったが、リラは読唇術でカリナの声を読み取った。と言っても、なんとか理解できる位だが。

(……お……とを……立てる……な?……そんなに魔獣って耳良いの??)

 この世界の魔獣に心底、恐怖するリラ。
 とそのとき、激しく馬車が跳ね上がった。
 御者が馬車のスピードを速めたのだ。
 だが、スピードが速すぎて、リラはカリナにしがみつくのがやっとだ。今にも宙に浮きそうである。

(……ひぃいっっ!緩めてっ!緩めてっ、スピード、緩めてえぇっっ!!)

    それを見かねたカリナが、スピードを緩めて欲しいと言おうとして窓を開けようした。

ーだが……。

ー突然、馬車が急停止した。

 ドスっ、ドスっと、まるで巨人が歩いているかの様に鈍く地面が揺れる。そして、それが止まったと思いきや、気味の悪い唸り声が聞こえる。
 
ー馬車にいるリラとカリナは全てを悟って、固まった。

「ヒヒーンッッ!!」

 一頭が泣き叫ぶ。
 耳を塞ぎたくなる様な感高い、死の恐怖に怯える馬の声。いつもと同じ声なのに、その声に悍ましさを持つのは何故だろうか。
 そう感じたのはリラも同じであった様だ。彼女は蹲って怯えていた。生まれて初めて、いや、前世と今世で初めて、間近で、死と言う恐怖を思い知ったからだ。

(……怖い、……怖いよ……。)

 しばらくしないうちに、暴れ回る足音がしなくなった。……カリナはこれまでにない、険しい目つきで外を睨みつけた。
 続いて、御者のつんざく様な凄まじい悲鳴。
……何かを啜る音。
 その嫌な不快な音を聞いて、リラはゴクリと唾を飲み込んだ。同時に彼女の心臓がドクンと跳ねた。

(……つ、次は……。)

 考えたくも無い、けれど、考えてしまったそう遠く無い結末を考えて、リラは震えが止まらない。
 すると、意を決したように、カリナが立ち上がった。

「……カリナ……?」

 不安げにリラはカリナを見つめた。その目は、どこか不安げで、だが、強い、強い目をしていた。

「心配ご無用ですよ、リゼフィーネ様。私は元々、女騎士でしたから。」

 そう言って、カリナはふわりと宙に舞う蝶の様に微笑んだ。カリナの微笑みなど見たことがないリラはなんだか嫌な予感がした。
 だが、リラはどうすることも出来ずに、カリナが馬車を降りるのを見ていた。

 (……本当に大丈夫、なのかな……?)

    カリナのことが心配でたまらず、リラは何度も何度も馬車の小さな窓から様子を伺った。
 この窓からではあまりよく見えないが、どう見てもカリナの方が苦戦している。魔獣の方はあまりダメージを受けていないらしく、次々とカリナに攻撃する。

(うぅ、外に出たいけど、私じゃなんの力にもならないし……。)

 自分がカリナを助けに行っても、足手まといになることぐらいリラは分かっている。だが、どうしても、助けに行きたい衝動に駆られる。

ーそのときだった。カリナは魔獣の強烈な一撃を受けたのは。

(……カリナ!!)

 カリナは魔獣の一撃をくらい……倒れた。魔獣は、倒れた血だらけのカリナに喰らいつこうとしている。

ーこのとき、リラは、不安や恐怖よりもカリナを助けるたいと言う方が遥かに上回っていた。

 では、リラはどんな行動をするか。答えは簡単である。
 彼女は危険も顧みず、馬車から出てカリナを助けに行った。
 あたりは禍々しい雰囲気で、地面は赤黒く滲んでいるし、鉄が錆びた様な匂いも凄い。
 普通なら、それだけで足がすくみそうになるものだ。だが、カリナを助けることしか頭にないリラはそんなこと気にも留めなかった。
 しかも、彼女は無謀としか言いようがないことを言った。

「カリナから離れて!!あなたの相手は私っ!!」

 その言葉にゆっくりと、振り返る魔獣。
 全身が真っ黒で禍々しいまでの赤目、例えるなら狂気じみた大型の狼のような容姿だった。
 そんな魔獣に睨まれては、流石にリラも恐怖を感じずにはいられない。

(……ど、どうしよう!?カリナを助ける為とはいえ、私、とんでもないこと言っちゃったよっ!!)

 魔獣は、リラを新たな獲物にしたらしく、唸りながらこちらへ向かってくる。

ー真っ直ぐ、ただ、生物を殺す事しか考えられない自我を無くした魔獣が。

 そんな目を向けられては、彼女は逃げようににも、恐怖で魔獣を凝視することしか出来ない。
 いや、恐怖を通り越して、リラはパニック状態になってしまった。

「いやぁぁぁあ、こっちに来ないでぇぇーー!!」

 木々が揺れた、そう感じるほどの大声で、彼女は叫ぶ。

ーその途端、リラは風を感じた。

 その風は徐々に風力を増すと、激しい突風となって魔獣の方へ向かった。
 風に直撃した魔獣が弾き飛ぶと同時に、大量の木々が倒れる。

「……?何が起きたの??」

 訳の分からないリラ。
 だが、よく見れば、魔獣は相当なダメージを食らったらしく、気絶している。

(い、今の内に!!)

 リラは猛ダッシュして、カリナの方へ向かった。だが、今は公爵令嬢とだけあり、かなり遅い。

(……うぅ、もっと速く走らないと、魔獣が目を覚ます前にカリナのところに行けないのにっ!!)

 リラがカリナのところに着いた頃には、リラはクタクタであった。

「も、もうダメ……。これなら、この前中庭で走っておくんだった……。」

 そんなことを言いながら、リラはカリナに駆け寄る。
 医術に関しては素人のリラでも分かるほど、カリナの容態は良くなかった。傷だらけで、深い傷も一つや二つではない。

「カリナっ!カリナっ!!目を覚ましてっっ!!」

 リラが何度も声をかけるが意識がない。

「……そ、そんな……カリ…ナ……?ひっく、……うぅ……うゎぁあんっっ!!………カリナの馬鹿ぁぁぁあ!!目を覚ましてよーーーー!!いっつも、いっっつもっ!!生意気なくせにッ………!」

 泣いたり、怒ったりと感情が昂って、涙で視界がぼやけていたリラは気付かない。
 カリナの手を握りしめている自分の手から、淡く優しい黄色の光が出ていることに。
 その光はカリナを包み、傷が癒えたことも。

「グエェェエッッーーーー!」 

 魔獣独特の、禍々しい気配と唸り声に、リラが振り返る。
 さっきのグシャグシャの泣き顔ではなく、キリリと何か強い決意をした顔で。
 魔獣は、リラに怒りの視線を向けていた。リラを一撃で仕留められなかったものだから、怒っているのだ。
 もっとも、今のリラにはそんなの通じなかったが。

(さっきは、たまたま風が吹いたからよかったけど、そんな偶然二度も起きるはずがないよね……。今度こそ、絶体絶命だ……。)

ー魔獣が鋭い爪を振り上げる。

 リラは、静かに目をつぶってその時を覚悟した。
 だが、彼女の顔に浮かぶものは、恐怖では無かった。

(……二度目の人生、短かったな……。カリナ、ごめんね……。) 

「ギエェェッッ!!」

ーバタンと魔獣が倒れた。

「……えっ?」

 よく見ると、魔獣の腹部には剣が刺さっていた。リラが理解できずに固まっていると、魔獣は黒いモヤとなり霧散して消えた。

「「リラっ!!」」

「……お父様っ!?それに、お兄様もっ!?」

 そこには、汗だくのマティアスとアルフレートがいた。二人共、目を丸くしている。

「リラ?怪我はないのか??」
「はい。でも、カリナが……!!」

 今にも泣きそうな声で、リラが言った。

「リラ、リラのメイドがどうしたって?気絶しているだけだよ?」
「えっ?」

 リラが後ろを振り返ると、傷ひとつ無いカリナの容態をアルフレートが見ていた。

(……私の見間違い?でも、確かにカリナは魔獣に襲われたよね……?)

「まぁ、魔獣に襲われたんだ。恐怖でそんな風に見えたんだろう。」
「……でも、確かにカリナが魔獣に襲われたところを見たんです!!それに、私がカリナに駆け寄ったときには傷だらけでしたっ!」
「……おい、リラ?魔獣のいる外に出たのか?」
「あっ……。」

 リラはしまったと口を抑える。

「……まったく、私とアルフレートが来なかったらどうするつもりでいたんだ?」

 呆れた様な溜息をつき、リラを見るマティアス。
 その顔は言葉で表し難いほど、怖い。

「ご、御免なさい……。」
「お説教は後だ。ヒルシュビーゲル公爵家の訪問は中止にする。屋敷に帰るぞ。」

 あからさまに怒りをにじませた声で、マティアスが言った。リラに対して相当怒っているらしい。 

(……ひぃぃ、屋敷に戻りたくないよ~!!)

「……父上、今から屋敷に戻ったら日が暮れますよ?魔獣のせいで大幅に時間が潰れたんですから、それくらい分かりますよね?」
「………。」

ーなんとも言えない雰囲気が流れる。

(お兄様っ!!そこはもうちょっと気を使ってくださいっ!!) 

「……馬車は後日回収する。メイドはアルフレートの馬に相乗りさせろ。リラは私の馬に乗れ。」
「メイドは僕より年上なんですよ!?僕より父上の方が……

 ギロリとマティアスに睨まれ、アルフレートは黙った。

「全員、乗ったか?」
「「はい。」」
「出発する。夜が近い、少し飛ばすぞ。」

ーマティアスとアルフレートは馬を走らせた。

_____________

更新遅れてすみません!!
……思ったより、短くまとめるのに時間がかかって……(汗)
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