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第38話 水曜日の恋人はいじわる② 俺は坊主になりたくない♥
しおりを挟む「う…ぅ…、やだ…、ぁ…!」
思わず首を横に振った。
結構シッカリと奥まで挿入されて体がビクつくけど、俺の不安は快楽を上回っている。
門限を破らせようとする意気込みを遼太から感じる。
遼太に「何が嫌?」と聞かれて「坊主になるのが!」と答えたら「俺は大丈夫だぞ、ぜーんぜん大丈夫!」と人懐っこい顔でニッコリと答えて来るから殺意が沸く。
自動販売機並みに背が高くて筋肉質な遼太を貧弱な体の俺では押しのけることは出来ない。
薄暗くなった生徒会室、床に組み伏せられている俺、遼太の肩ごしに見える掛け時計の針は5時を過ぎている、俺は門限の6時30分までに帰らないといけない、6時には学校出ないと間に合わない。
1時間もあれば余裕で終わるだろうなんて、甘いことを考えてはダメだ。
コイツは簡単にはイかない体質、ある意味『男の鏡』と言っても良い。
俺は彼にサクサクとイって欲しいと頑張っていた時期もあったが、俺に焦りが見えると冷めてしまうようで増々イかなくなる。
最近はなるべく早くにエロを開始させる方式で凌いできたが、それが焦りだとバレていたのかもしれない。
そもそも水曜日限定でエロいコトをするのはどうなのだろう?
付き合っている誠意というか義務?遼太も嫌がりもせずに律儀に通って来るし?
ああ、今更考えるコトではない、時間内にエロを終わらせなければいけない。
それには面倒くさい条件をクリアしなくてはいけない。
条件① とりあえず俺がイク。
彼には俺がイってハァハァしている顔を見るが好きな悪いくせがある。俺がとりあえずイクことが必須。
条件② 俺が恋愛脳になる。
こういう分析をしている時点で俺の脳はフワフワした恋愛脳ではない。基本が恋愛脳ではないけど気持ちが盛り上がって来れば「好き」とか甘いことを口走る状態にはなれる、脳を恥ずかしげもなく愛を口にする状態に持って行くことが必須。
条件③ 俺が諦める。
まずいことに、これが一番効果があるような気がする。もう好きにしちゃって良いよ、時間なんて気にしないで楽しく過ごそうよと俺が諦めて吹っ切れた時こそが彼のテンションが一番上がっている気がする。
①と②は、なんとかなる、特に①は5分もしない内にクリア出来そう。
問題は③だ、一番効果的な「諦める」だけど、諦めたら時間に間に合わない。
せっかく伸びて来た髪を留める為にも、俺は頑張らなければならない!
思考レベルを落として体の感覚に集中しなくては、彼の大きな体躯からの抽挿で揺さぶられている体、閉じていた目を薄く開けると普通に目が合った。
………見てる、顔見ながらするの好きだよな。
俺が坊主になっても良いのか?その方が萌えるとか?
困る…、嫌だし困る…!
体に集中どころじゃない、ここまでヤっといて止めるのもどうかと思うけ真面目に訴えた。
「今日はっ…、もう、やめよ…!、明日来ても、いいから…っ!」
「もしかして、困っている?」
「見ればわかるだろ?困ってるよ、すごく困っている!」
「困っている顔がカワイイ!、カワイイ!」
「カワイイ!」を連呼しながらギュウギュウ抱き着いて来るし、嬉しそうに顔をベロベロ舐めるし、ガンガン腰振ってるし、大型犬に襲われている感じになっている。
多分絶対やめないし、逃げれない、その先は?
遼太に入り込まれて熱く広がっている箇所は苦痛など無く、腹の中を擦り上げる塊を悦んで受け入れている。
執拗に擦られてようやく思考レベルが落ちてきた頭、体は大きく開いた脚の間に男を迎入れて腰を振らせている。
俺の反応を見る目、昂ぶってきてヒクつく、息荒く漏れ出す声、体に挟まれていきり立っている俺のモノも切なくなってきた。
……ぁ、…イキ…そ…ぅ…!
上気する顔、潤む目の先にいる水曜日の恋人は?
ああ、一緒にイってくれないの…か、な…。
イキそうでフルつく俺に遼太が「イキそうなのか?」と聞いてくるから頷くと「分かった!」と言うから一緒にイってくれるのかと思ったら、抽挿しながら俺のを握って上下に動かしてきた!
…!!!…ちょっと待って…!!
頷いたのはっ…!!ラストスパートかけてって言う…ぁっ!!
意味じゃあ…!!…!!!…ないっ…!!!
…あ…っ…!…、ぁぁぁ…♡♡♡♡♡♡♡♡
ちが…っ!!、んっ……♡♡♡♡♡、♡♡♡
動かす手を止めようと手を伸ばし声を上げた!
「ちが…!!ちがぁ…あっ!!あっ!あああぁぁぁっ!!!」
静止も空しく、飛び散る精液と絶頂でビクンと跳ねる体。
気持ちいいんだけど、俺をイかせるの頑張らないでくれ。
不本意なイキ方だったけど、息が上がる、体が余韻でフルつく。
そんな俺を「カワイイ!」と言えば俺が喜ぶと思っている遼太が「カワイイ!」を連呼しながらキスしてくるから、なにかウザい。
遼太の望み通りにハァハァとイった顔を見せることは出来て、条件①〈とりあえず俺がイク〉はクリアした。
今のタイミングで遼太もイったかも?と期待したけど、元気そうに「なんか暑くなって来た!」とか言い出して上着を脱ぎだしたからイってないんだと分かって脱力した。
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