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第14話 休日は寝て過ごしたい
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今日は土曜日。
学校も休みで1週間の疲れをベッドの上で癒せる……とウキウキしていた唯斗のもとへ、悪の大魔王ハハーンが現れた。つまりは母親である。
「唯斗、今日はお母さん出かけるから、天音の面倒は任せるわね」
「僕、今日はゆっくりしようかと……」
「任せるわね?」
「……はい」
問答無用、さすがは血も涙もない悪の大魔王だ。唯斗が仕方なくベッドから這い出ると、退室したハハーンと入れ替わりで妹の天音がトコトコとやってきた。
「本日はお世話かけます」
「よく出来た妹だ。あの母親から生まれたとは思えないね」
まあ、可愛い妹の面倒くらいは見てやろう。ついでにお駄賃として、来月の小遣いを上げてもらえれば文句はない。
最近はいい枕が多いから、お小遣いが足りなくなるんだよね。睡眠は僕の人生の7分の6を締めているから大切にしないと。
「じゃあ、今日はお兄ちゃんが遊んであげよう。とりあえず死んだフリごっこでもしようか」
「お兄ちゃん、寝たいだけでしょ?」
「さすが天音、お兄ちゃんの気持ちをよく理解してるね」
それならばと床に寝転がろうとする唯斗を、天音はユサユサと揺さぶって起こす。
「お兄ちゃん、天音したいことがあるの」
「したいこと?」
「うん!」
小学五年生の妹がしたいことって一体なんだろう。やっぱり死んだフリごっこなのでは……?
「天音ね、上体反らしでいい点を取る特訓がしたいの」
「なるほど、地べたに這いつくばりたいと……」
「それは死んだフリごっこだよ!」
「違うよ、釣り上げられたマグロごっこだよ」
「違いが何もわからない!」
そんなこんなで唯斗は妹の特訓に付き合わされることになった。
話によると、もうすぐ学校で体力テストがあるらしく、毎年悪い点しか取れないから今年こそはと意気込んでいるらしい。
その中でも苦手な上体反らしと長座体前屈の特訓に付き合って欲しいんだとか。
とりあえず、自分の部屋で体操服に着替えてもらってから、リビングの机を移動させて特訓を始めることにした。
「まあ、体力テスト毎年F判定の僕に言われても困るんだけどね……」
「頼れるのはお兄ちゃんしかいないの!やる気出して!」
可愛い妹にこう言われてしまったら、兄としてはやる以外の選択肢はない。
ただ、やり方がわからないままではどうしようもないということで、ここはGo〇gle先生を頼らせてもらうことにした。
「なるほど、上体反らしも長座体前屈も、柔軟性が大事らしいよ」
「心の柔軟性はいつでも持ってるのに……」
「それは関係ないと思う。じゃあ、体を柔らかくする体操でもやってみれば?」
「うーん、それしかないもんね」
天音は渋々と言った感じで頷くと、差し出されたスマホで柔軟体操の動画を調べて見始める。
その間に唯斗はソファーに寝転がり、未だ奥底に潜んでいた眠気に身を任せて夢の世界へとうつらうつら。しかし……。
ピンポーン♪
そんなところへチャイムの音が鳴り響いた。動画に集中している妹を行かせるのも悪いからと、唯斗は体を起こしてインターホンの画面を覗き込む。
「……はぁ」
そこに映る人物を見て、彼は深いため息をこぼした。どうして休日まで目の前に現れてくるのだろう……あの騒がしい隣人は。
学校も休みで1週間の疲れをベッドの上で癒せる……とウキウキしていた唯斗のもとへ、悪の大魔王ハハーンが現れた。つまりは母親である。
「唯斗、今日はお母さん出かけるから、天音の面倒は任せるわね」
「僕、今日はゆっくりしようかと……」
「任せるわね?」
「……はい」
問答無用、さすがは血も涙もない悪の大魔王だ。唯斗が仕方なくベッドから這い出ると、退室したハハーンと入れ替わりで妹の天音がトコトコとやってきた。
「本日はお世話かけます」
「よく出来た妹だ。あの母親から生まれたとは思えないね」
まあ、可愛い妹の面倒くらいは見てやろう。ついでにお駄賃として、来月の小遣いを上げてもらえれば文句はない。
最近はいい枕が多いから、お小遣いが足りなくなるんだよね。睡眠は僕の人生の7分の6を締めているから大切にしないと。
「じゃあ、今日はお兄ちゃんが遊んであげよう。とりあえず死んだフリごっこでもしようか」
「お兄ちゃん、寝たいだけでしょ?」
「さすが天音、お兄ちゃんの気持ちをよく理解してるね」
それならばと床に寝転がろうとする唯斗を、天音はユサユサと揺さぶって起こす。
「お兄ちゃん、天音したいことがあるの」
「したいこと?」
「うん!」
小学五年生の妹がしたいことって一体なんだろう。やっぱり死んだフリごっこなのでは……?
「天音ね、上体反らしでいい点を取る特訓がしたいの」
「なるほど、地べたに這いつくばりたいと……」
「それは死んだフリごっこだよ!」
「違うよ、釣り上げられたマグロごっこだよ」
「違いが何もわからない!」
そんなこんなで唯斗は妹の特訓に付き合わされることになった。
話によると、もうすぐ学校で体力テストがあるらしく、毎年悪い点しか取れないから今年こそはと意気込んでいるらしい。
その中でも苦手な上体反らしと長座体前屈の特訓に付き合って欲しいんだとか。
とりあえず、自分の部屋で体操服に着替えてもらってから、リビングの机を移動させて特訓を始めることにした。
「まあ、体力テスト毎年F判定の僕に言われても困るんだけどね……」
「頼れるのはお兄ちゃんしかいないの!やる気出して!」
可愛い妹にこう言われてしまったら、兄としてはやる以外の選択肢はない。
ただ、やり方がわからないままではどうしようもないということで、ここはGo〇gle先生を頼らせてもらうことにした。
「なるほど、上体反らしも長座体前屈も、柔軟性が大事らしいよ」
「心の柔軟性はいつでも持ってるのに……」
「それは関係ないと思う。じゃあ、体を柔らかくする体操でもやってみれば?」
「うーん、それしかないもんね」
天音は渋々と言った感じで頷くと、差し出されたスマホで柔軟体操の動画を調べて見始める。
その間に唯斗はソファーに寝転がり、未だ奥底に潜んでいた眠気に身を任せて夢の世界へとうつらうつら。しかし……。
ピンポーン♪
そんなところへチャイムの音が鳴り響いた。動画に集中している妹を行かせるのも悪いからと、唯斗は体を起こしてインターホンの画面を覗き込む。
「……はぁ」
そこに映る人物を見て、彼は深いため息をこぼした。どうして休日まで目の前に現れてくるのだろう……あの騒がしい隣人は。
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