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第7話 彼女できるのか!?
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僕の体質をまとめると、
宝くじやパチスロ等の敗者がいて成り立つような運試しにものすごく強い。
周りの運試し参加者から運を奪って当たりを引いている。
特に何もしてないときも周りの人間から若干運を奪っている。
である。この体質とこれから上手く付き合って生きていくにはどうすればいいか、考えないといけない。
今、一番困っていることは、ずばり人付き合いだ。僕は周りの人間の運を奪ってしまう。その体質で両親と友人を不運な死にまで追いやってしまった以上、迂闊に人とつるめない。今の唯一の友人レイは、運が一貫して0なので僕に運を奪われないから、安心して付き合える。しかし、逆に安心して付き合える人間がレイしかいないのだ。レイも僕と四六時中べったりと言うわけにいかないから、他の友人も欲しいところだ。
「僕みたいに、アタルとつるんでも大丈夫な体質人間も、探せばいると思うんだよね。僕も協力するし、気長に探そうぜ。」
と、レイが言ってくれたので、僕はとりあえず大学生活に戻り、日常を取り戻すことに専念することにした。一回だけレイに大学に来てもらって僕とつるめるレベルの運の強い人を探してもらったが、目ぼしい人はいなかった。大学に行ったところでユウトもコースケもソラもおらず、新しい友達も迂闊に作れず、地味なキャンパスライフを送っていた。
ただ、そんな僕にささやかな楽しみができた。
百均グッズブームである。知ってる?百均っていろいろ売ってるんだよ!もともと大学で使うファイルとか文房具を買うのに利用していたけど、一人暮らしになり、家事をすべて自分でやるようになって、家事グッズを見に行くと便利なグッズがたくさんあることに気づき感動していた。
「レイ、見てよこれ!ホットケーキミックスをこの型に入れるとアメリカンドッグが作れるんだよ!すごくない!?」
時々僕の家に遊びに来てくれるレイにグッズを自慢するのがお約束になっていた。
「すごいけどさ、またずいぶん安あがりなブームだな!」
「そうなんだよ。こないだのスロットの儲け全部使う勢いで通ってるけど全然お金余ってるよ!」
ちなみにスロットはあの日以来行っていない。特に行きたいと思わなかったからだ。
「あ、パスタ、おいしい?このタッパー使うと電子レンジで作れんの!すごいよね!」
「おいしいけどさ、なに主婦みたいになってんの。前から思ってたけど、アタルって女に興味ないの?彼女に料理作ってもらいたいとか思わないのかよ?」
「興味はあるって。普通に彼女欲しいよ。高校まで男子校だったから機会がなかっただけだって。」
「じゃあ、彼女いたこともないんだ?」
「うん。」
「大学は共学なんだろ?」
「うん。だけど、運を奪うかと思うとなかなかね・・・」
「そうだったな。エッチするとお互い運に影響出るからアタルの場合慎重にいかないとな」
「ええー?そこも運関係あるの?」
「あるある。普通は、相性がよけりゃお互い上がるぜ。ただ、アタルの場合はどうなるか僕にもわかんねえ。」
「最悪運奪うかもしれないってこと?」
「だな。」
「そんなあ!」
今実家で一人で暮らしている僕は、できれば家族が欲しい。今から僕が家族を作るなら結婚が一番現実的だろう。となるとまずは彼女が欲しいと思っていた。ただ、その彼女作りも簡単にできないとは・・・
「もし、はじめて出来た彼女の運奪っちゃって、彼女が事故死とかしたら、もう僕マジで自殺するかも・・・」
僕は、うなだれた。
「アタル・・・いっそのこと、僕にする?一応男女両方いけるけど・・・」
「えええええええ!?いやいや、遠慮しとく!」
「なーんだ。あまりにも女っ気ないからちょっと期待してたのに。ざーんねん。」
僕、本当に運強いの?なんかそこらの大学生よりややこしい人生送ってない・・・?
しかも、もっとややこしいことが起こった。ある日、大学の学食でご飯を食べていると、
「君、アタルくんだよね?」
ととある学生から声をかけられた。眼鏡をかけていてピシッとしたシャツを着ている、いかにも賢そうな感じだ。
「僕は社会学部三年のカナメ。オカルトサークルの部長なんだ。」
カナメは名刺を僕に差し出した。ものすごくおどろおどろしい模様に、ものすごくおどろおどろしいフォントで名前が書かれている。
「オカルトサークル部長 カナメ サトル」
と書かれていた。カナメは名字のようだ。
「なんの用ですか?」
「単刀直入に言うと、うちのサークルに君への調査以来が殺到してるんだ。」
「え?」
「君が仲良くしていた学生、三日連続で亡くなったんだって?しかも同じ時期に君の両親も事故で亡くなってるとか。」
「それは・・・」
なんてやつだ。みんなの死から少しずつ立ち直りかけているのに、蒸し返して来ないでほしい。
「しかもみんな事故死及び持病の悪化で、事件性はゼロときた。もうオカルトだよね。」
実は僕がみんなの運を奪ったのが原因なんだけど、言うわけにいかないので反論できない。
「アタルくん、君、大学内で『死神』って言われてるよ?怖くて近づけないから調べてくれって匿名の投書がうちのサークルに殺到してるよ。サークル始まって以来の大仕事で、僕はわくわくだけどね!というわけでしばらく密着取材させてもらうよ。よろしく!」
「ええー!?」
そう、僕は他の人の運を奪うまいと一生懸命人を避けているつもりだったが、それ以上に避けられていたのだ。しかも、「死神」って!呼びたい気持ちはわかるけども。でもひどい。
まずい。彼女ができるかどうか以前に、大学生活がやばい。もう一度言うけど、僕本当に運いいのか!?めちゃくちゃ波乱万丈じゃない!?
「それで?家までついて来ちゃったんだこの人!ウケるー!」
レイは僕の家にやってきたカナメを見て爆笑している。
「笑ってる場合かよ!」
「さすが死神。友達もキテレツだな。ひょっとして死神仲間かい?」
カナメはレイを冷静に観察して言った。多分、レイが只者じゃないことに勘で気づいている。
「死神って呼ぶのやめてください。アタルです。」
「アタルよりも、死神の方がイケてると思うんだけどな。僕も名乗れるものなら名乗りたいよ。」
カナメはだいぶ変な人のようだ。
「まあ、いいんじゃね。アタル、このオカルト眼鏡兄ちゃん、運強いよ。5000ぐらいある。アタルの友達になれるレベルだよ。」
こんなやつに限って運強い!!
「なんだって?そんなドラクエみたいに運の数値って叩き出せるのか?僕にも計算方法教えてくれ!」
カナメがレイに食いついた。
「生まれつきだから、教えられないよ。」
しかも、このカナメとレイ、意気投合したのか、レイは僕の運を奪う体質のこと、つまり、周囲の人達の連続死の真相をあっさり話してしまった。
「なんだって?こりゃ大スクープだ。サークル新聞号外出したいな」
「いやいやいや!こんなの周りに知られたら、僕大学行けません!」
「え?人気者になると思うけど?僕アタル君のこと超気に入ったよ。レイくんも最高。」
「いや、あなただけですよ!とにかく号外はやめてください!号外やったら僕退学しますから!」
「な、それはまずい。まあ、面白いものを聞かせてもらえたし、良しとしよう。」
これで、取材は終わったはずなのだが、結局カナメは僕が気に入ったため、大学でも話しかけてくるし家にまで押しかけて来るようになった。
僕としては不本意だったが、新しい友達第2号が現れたのである。
だけど、僕がますます大学内で浮いた存在になったのは言うまでもない。
とりあえず大学生活は送れているものの、彼女作るのはもう大学生のうちは絶望的だと思った僕だった。
しかし、出会いというものは大学の外にもあるものだ。僕はとある女の子と出会うことになる。
宝くじやパチスロ等の敗者がいて成り立つような運試しにものすごく強い。
周りの運試し参加者から運を奪って当たりを引いている。
特に何もしてないときも周りの人間から若干運を奪っている。
である。この体質とこれから上手く付き合って生きていくにはどうすればいいか、考えないといけない。
今、一番困っていることは、ずばり人付き合いだ。僕は周りの人間の運を奪ってしまう。その体質で両親と友人を不運な死にまで追いやってしまった以上、迂闊に人とつるめない。今の唯一の友人レイは、運が一貫して0なので僕に運を奪われないから、安心して付き合える。しかし、逆に安心して付き合える人間がレイしかいないのだ。レイも僕と四六時中べったりと言うわけにいかないから、他の友人も欲しいところだ。
「僕みたいに、アタルとつるんでも大丈夫な体質人間も、探せばいると思うんだよね。僕も協力するし、気長に探そうぜ。」
と、レイが言ってくれたので、僕はとりあえず大学生活に戻り、日常を取り戻すことに専念することにした。一回だけレイに大学に来てもらって僕とつるめるレベルの運の強い人を探してもらったが、目ぼしい人はいなかった。大学に行ったところでユウトもコースケもソラもおらず、新しい友達も迂闊に作れず、地味なキャンパスライフを送っていた。
ただ、そんな僕にささやかな楽しみができた。
百均グッズブームである。知ってる?百均っていろいろ売ってるんだよ!もともと大学で使うファイルとか文房具を買うのに利用していたけど、一人暮らしになり、家事をすべて自分でやるようになって、家事グッズを見に行くと便利なグッズがたくさんあることに気づき感動していた。
「レイ、見てよこれ!ホットケーキミックスをこの型に入れるとアメリカンドッグが作れるんだよ!すごくない!?」
時々僕の家に遊びに来てくれるレイにグッズを自慢するのがお約束になっていた。
「すごいけどさ、またずいぶん安あがりなブームだな!」
「そうなんだよ。こないだのスロットの儲け全部使う勢いで通ってるけど全然お金余ってるよ!」
ちなみにスロットはあの日以来行っていない。特に行きたいと思わなかったからだ。
「あ、パスタ、おいしい?このタッパー使うと電子レンジで作れんの!すごいよね!」
「おいしいけどさ、なに主婦みたいになってんの。前から思ってたけど、アタルって女に興味ないの?彼女に料理作ってもらいたいとか思わないのかよ?」
「興味はあるって。普通に彼女欲しいよ。高校まで男子校だったから機会がなかっただけだって。」
「じゃあ、彼女いたこともないんだ?」
「うん。」
「大学は共学なんだろ?」
「うん。だけど、運を奪うかと思うとなかなかね・・・」
「そうだったな。エッチするとお互い運に影響出るからアタルの場合慎重にいかないとな」
「ええー?そこも運関係あるの?」
「あるある。普通は、相性がよけりゃお互い上がるぜ。ただ、アタルの場合はどうなるか僕にもわかんねえ。」
「最悪運奪うかもしれないってこと?」
「だな。」
「そんなあ!」
今実家で一人で暮らしている僕は、できれば家族が欲しい。今から僕が家族を作るなら結婚が一番現実的だろう。となるとまずは彼女が欲しいと思っていた。ただ、その彼女作りも簡単にできないとは・・・
「もし、はじめて出来た彼女の運奪っちゃって、彼女が事故死とかしたら、もう僕マジで自殺するかも・・・」
僕は、うなだれた。
「アタル・・・いっそのこと、僕にする?一応男女両方いけるけど・・・」
「えええええええ!?いやいや、遠慮しとく!」
「なーんだ。あまりにも女っ気ないからちょっと期待してたのに。ざーんねん。」
僕、本当に運強いの?なんかそこらの大学生よりややこしい人生送ってない・・・?
しかも、もっとややこしいことが起こった。ある日、大学の学食でご飯を食べていると、
「君、アタルくんだよね?」
ととある学生から声をかけられた。眼鏡をかけていてピシッとしたシャツを着ている、いかにも賢そうな感じだ。
「僕は社会学部三年のカナメ。オカルトサークルの部長なんだ。」
カナメは名刺を僕に差し出した。ものすごくおどろおどろしい模様に、ものすごくおどろおどろしいフォントで名前が書かれている。
「オカルトサークル部長 カナメ サトル」
と書かれていた。カナメは名字のようだ。
「なんの用ですか?」
「単刀直入に言うと、うちのサークルに君への調査以来が殺到してるんだ。」
「え?」
「君が仲良くしていた学生、三日連続で亡くなったんだって?しかも同じ時期に君の両親も事故で亡くなってるとか。」
「それは・・・」
なんてやつだ。みんなの死から少しずつ立ち直りかけているのに、蒸し返して来ないでほしい。
「しかもみんな事故死及び持病の悪化で、事件性はゼロときた。もうオカルトだよね。」
実は僕がみんなの運を奪ったのが原因なんだけど、言うわけにいかないので反論できない。
「アタルくん、君、大学内で『死神』って言われてるよ?怖くて近づけないから調べてくれって匿名の投書がうちのサークルに殺到してるよ。サークル始まって以来の大仕事で、僕はわくわくだけどね!というわけでしばらく密着取材させてもらうよ。よろしく!」
「ええー!?」
そう、僕は他の人の運を奪うまいと一生懸命人を避けているつもりだったが、それ以上に避けられていたのだ。しかも、「死神」って!呼びたい気持ちはわかるけども。でもひどい。
まずい。彼女ができるかどうか以前に、大学生活がやばい。もう一度言うけど、僕本当に運いいのか!?めちゃくちゃ波乱万丈じゃない!?
「それで?家までついて来ちゃったんだこの人!ウケるー!」
レイは僕の家にやってきたカナメを見て爆笑している。
「笑ってる場合かよ!」
「さすが死神。友達もキテレツだな。ひょっとして死神仲間かい?」
カナメはレイを冷静に観察して言った。多分、レイが只者じゃないことに勘で気づいている。
「死神って呼ぶのやめてください。アタルです。」
「アタルよりも、死神の方がイケてると思うんだけどな。僕も名乗れるものなら名乗りたいよ。」
カナメはだいぶ変な人のようだ。
「まあ、いいんじゃね。アタル、このオカルト眼鏡兄ちゃん、運強いよ。5000ぐらいある。アタルの友達になれるレベルだよ。」
こんなやつに限って運強い!!
「なんだって?そんなドラクエみたいに運の数値って叩き出せるのか?僕にも計算方法教えてくれ!」
カナメがレイに食いついた。
「生まれつきだから、教えられないよ。」
しかも、このカナメとレイ、意気投合したのか、レイは僕の運を奪う体質のこと、つまり、周囲の人達の連続死の真相をあっさり話してしまった。
「なんだって?こりゃ大スクープだ。サークル新聞号外出したいな」
「いやいやいや!こんなの周りに知られたら、僕大学行けません!」
「え?人気者になると思うけど?僕アタル君のこと超気に入ったよ。レイくんも最高。」
「いや、あなただけですよ!とにかく号外はやめてください!号外やったら僕退学しますから!」
「な、それはまずい。まあ、面白いものを聞かせてもらえたし、良しとしよう。」
これで、取材は終わったはずなのだが、結局カナメは僕が気に入ったため、大学でも話しかけてくるし家にまで押しかけて来るようになった。
僕としては不本意だったが、新しい友達第2号が現れたのである。
だけど、僕がますます大学内で浮いた存在になったのは言うまでもない。
とりあえず大学生活は送れているものの、彼女作るのはもう大学生のうちは絶望的だと思った僕だった。
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