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対公爵 対邪神
第193話 異世界の神との対峙
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月の魔女と聖剣
第193話 異世界の神との対峙
前哨戦の邪気から生まれたモンスターの討伐は、沙更の光魔法で片が付いた。が、浄化したのに再度邪気が生まれてきているのは、それだけ邪神の力が強いことの表れであった。
「浄化したそばから邪気が出てる」
「相当力が強いんだろうな。力をしっかりつけた感じなんだろうよ」
ミリアとガレムも、邪気に対しての警戒感が強く出ていた。サンクチュアリで浄化しつつも、再度進んでいく。浄化しつつも、邪気が抑えられないのは1度目と一緒。だが、今回はパウエルもヘレナもいないため、足手まといになると言う事はない。
王都からこちらに来たであろう異世界の神に対峙したのは、モンスターたちを討伐してから数時間後のことであった。邪気を纏う異世界からの神は、既に王都の血と死体を糧に力に制限を受けていないように見えた。
異世界の神は、沙更たちを一瞥すると沙更の力に気づいたようでこちらを見据える。
「ほう、いけ好かない力を感じるぞ。あの女神の眷属か?まだこの世界を守護しているとは思いもしなかった」
流石に異世界から来ただけあり、月女神の力を知っているようだ。沙更から月女神の力を感じ取ったらしい。表情に変化も現れている。こちらを警戒するようなそんな表情に。
異世界の神としては、月女神が動く前にこの世界を抑える必要がある。だが、異世界から来たと言うハンデがこの世界で力を振るうことへの妨害になっているのは、月が戻ったことによる弊害だった。
地上から遙か空を突き抜け、宇宙にある月を破壊せねば神として完全なる力を振るうことが出来ない。月が照らす魔力により、地上は保護されているのだから。
「女神が消えて数千年、まさか月がまた昇っていようとは思わなかった。それに眷属も残っているとはな」
ある意味予想外過ぎたのだろう。月女神の眷属は堕ちたことは異世界の神にも周知されていたし、それ以外の眷属がいると言うことは知られていなかったからだ。それもそのはず、沙更とセーナは1年前に亜神に昇格したばかりであるからにして、情報が行っていなかったのも当然と言えば当然であった。
月女神の眷属とそのお付きの冒険者となれば、異世界の神と言えどなめてかかるわけにはいかない。力の差を分からせなければ、この世界を収めようと考えないだろうからだ。
「女神の眷属といえど、神の力で消し去ってくれよう!」
「簡単にやられるつもりはありませんし、そのつもりもありません」
異世界の神の言葉と邪気に押されつつも、沙更は言葉を返す。どちらにしろ、戦わないと言う選択肢はない。ここで、決着をつけなければならないことに変わりは無く。それは異世界の神も同じであった。
お互いに警戒した状態で異世界からの神との戦闘は始まろうとしていた。
第193話 異世界の神との対峙
前哨戦の邪気から生まれたモンスターの討伐は、沙更の光魔法で片が付いた。が、浄化したのに再度邪気が生まれてきているのは、それだけ邪神の力が強いことの表れであった。
「浄化したそばから邪気が出てる」
「相当力が強いんだろうな。力をしっかりつけた感じなんだろうよ」
ミリアとガレムも、邪気に対しての警戒感が強く出ていた。サンクチュアリで浄化しつつも、再度進んでいく。浄化しつつも、邪気が抑えられないのは1度目と一緒。だが、今回はパウエルもヘレナもいないため、足手まといになると言う事はない。
王都からこちらに来たであろう異世界の神に対峙したのは、モンスターたちを討伐してから数時間後のことであった。邪気を纏う異世界からの神は、既に王都の血と死体を糧に力に制限を受けていないように見えた。
異世界の神は、沙更たちを一瞥すると沙更の力に気づいたようでこちらを見据える。
「ほう、いけ好かない力を感じるぞ。あの女神の眷属か?まだこの世界を守護しているとは思いもしなかった」
流石に異世界から来ただけあり、月女神の力を知っているようだ。沙更から月女神の力を感じ取ったらしい。表情に変化も現れている。こちらを警戒するようなそんな表情に。
異世界の神としては、月女神が動く前にこの世界を抑える必要がある。だが、異世界から来たと言うハンデがこの世界で力を振るうことへの妨害になっているのは、月が戻ったことによる弊害だった。
地上から遙か空を突き抜け、宇宙にある月を破壊せねば神として完全なる力を振るうことが出来ない。月が照らす魔力により、地上は保護されているのだから。
「女神が消えて数千年、まさか月がまた昇っていようとは思わなかった。それに眷属も残っているとはな」
ある意味予想外過ぎたのだろう。月女神の眷属は堕ちたことは異世界の神にも周知されていたし、それ以外の眷属がいると言うことは知られていなかったからだ。それもそのはず、沙更とセーナは1年前に亜神に昇格したばかりであるからにして、情報が行っていなかったのも当然と言えば当然であった。
月女神の眷属とそのお付きの冒険者となれば、異世界の神と言えどなめてかかるわけにはいかない。力の差を分からせなければ、この世界を収めようと考えないだろうからだ。
「女神の眷属といえど、神の力で消し去ってくれよう!」
「簡単にやられるつもりはありませんし、そのつもりもありません」
異世界の神の言葉と邪気に押されつつも、沙更は言葉を返す。どちらにしろ、戦わないと言う選択肢はない。ここで、決着をつけなければならないことに変わりは無く。それは異世界の神も同じであった。
お互いに警戒した状態で異世界からの神との戦闘は始まろうとしていた。
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