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極星騎士団と王都冒険者ギルド
閑話4 シルバール王家2
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月の魔女と聖剣
閑話4 ジョージ41世のぼやき
オーク大発生の報に、主立った貴族達は自分たちの領地へ避難するために王都を次々と後にしていった。残る貴族はガーゼルベルトを筆頭とする辺境伯の一族や弱小貴族たちであった。
王家の求心力がなくなって久しい。それ故に、高位貴族達の専横を止められずに王都の食糧事情すら危うくしていた。国王ジョージ41世はそんな王都を古びた王城から眺めていた。
(凡庸なわしでは王都の混乱すら収めることが出来ぬ。我が子らも同様じゃ。今回もガーゼルベルトが動いてくれておる。凄腕の冒険者にオークのことを任せると知らせてきた。今回もわしはなにもしておらん。本来ならば、王としてきちんと采配をしなければならなかったのだが、力が無いのは辛いな。そう言う点でもガーゼルベルトは本来王としての器なのだろうよ)
王として求められるのなら、ガーゼルベルトのような男だろうとジョージ41世は思う。ガーゼルベルトとしては、そんな器ではないと言い切るがそれでも先王も頼りにした男であり、王家の守り神は伊達ではなかった。
そんなガーゼルベルトに成り代わろうとする貴族は数多く、王になりたいと思う野心家が多すぎた。それらをどうにかしてきたのは王家の忠誠心厚い辺境伯家の支えがあったからこそだ。
そもそも、辺境伯家は王家の血筋も薄くだが引いている。何回か王家から姫が降嫁していたからだ。彼らは辺境の守りをこなしつつも王家を守り、王国建国当初から変わらぬ忠義を貫いている。他の貴族は王家に求心力がないことで、薄くしか敬っていないが彼らだけは別格であった。
辺境に生き、襲い来るモンスターを退治し、未開拓の土地を民と共に生きる彼らは王国でも屈指の知恵と勇気を持ち合わせる。他の貴族とは違い、民を思いやり、率先してモンスターなどに対処する彼らは貴族の中の貴族であった。そう言う点でも王都で栄華を思いのままにと考える他の貴族とは違いすぎた。
ジョージ41世には侯爵家から迎えた妻との子供が3人いる。王子が2人と姫が1人で既に姫は公爵家の嫡男の嫁として出していた。残る王子の2人のうち1人は、父親のうだつが上がらない姿を見ているためか、早々に海の向こうにある隣の国に留学と称してこの国を出て行っていた。
もう1人の王子は自分の後継として育てていたが、やはり父に似てそこまでの能力がないことが分かっていた。それだけに、国が乱れてくればそれに対応出来ない。
王国としては、もう立ち直せないだろうとジョージ41世は思う。ここまで来たら、王の座を相応しい人物に引き渡したいと思うのも自分の能力がないとしっかり理解しているからだろう。王家の財政はとっくに火の車であったし、贅沢らしい贅沢はたまにあるか程度。そのほかは基本的には貧乏貴族と同じような暮らしであったから。
王家との繋がりが濃い公爵家や侯爵家でも、今では離反気味で領地から出てこない者も多い。力を蓄えて、王家に成り代わろうと企んでいるのは先代から変わらない。そう言う意味でも、1000年続いただけの王家にもう意味は残っていないように思われた。
閑話4 ジョージ41世のぼやき
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(凡庸なわしでは王都の混乱すら収めることが出来ぬ。我が子らも同様じゃ。今回もガーゼルベルトが動いてくれておる。凄腕の冒険者にオークのことを任せると知らせてきた。今回もわしはなにもしておらん。本来ならば、王としてきちんと采配をしなければならなかったのだが、力が無いのは辛いな。そう言う点でもガーゼルベルトは本来王としての器なのだろうよ)
王として求められるのなら、ガーゼルベルトのような男だろうとジョージ41世は思う。ガーゼルベルトとしては、そんな器ではないと言い切るがそれでも先王も頼りにした男であり、王家の守り神は伊達ではなかった。
そんなガーゼルベルトに成り代わろうとする貴族は数多く、王になりたいと思う野心家が多すぎた。それらをどうにかしてきたのは王家の忠誠心厚い辺境伯家の支えがあったからこそだ。
そもそも、辺境伯家は王家の血筋も薄くだが引いている。何回か王家から姫が降嫁していたからだ。彼らは辺境の守りをこなしつつも王家を守り、王国建国当初から変わらぬ忠義を貫いている。他の貴族は王家に求心力がないことで、薄くしか敬っていないが彼らだけは別格であった。
辺境に生き、襲い来るモンスターを退治し、未開拓の土地を民と共に生きる彼らは王国でも屈指の知恵と勇気を持ち合わせる。他の貴族とは違い、民を思いやり、率先してモンスターなどに対処する彼らは貴族の中の貴族であった。そう言う点でも王都で栄華を思いのままにと考える他の貴族とは違いすぎた。
ジョージ41世には侯爵家から迎えた妻との子供が3人いる。王子が2人と姫が1人で既に姫は公爵家の嫡男の嫁として出していた。残る王子の2人のうち1人は、父親のうだつが上がらない姿を見ているためか、早々に海の向こうにある隣の国に留学と称してこの国を出て行っていた。
もう1人の王子は自分の後継として育てていたが、やはり父に似てそこまでの能力がないことが分かっていた。それだけに、国が乱れてくればそれに対応出来ない。
王国としては、もう立ち直せないだろうとジョージ41世は思う。ここまで来たら、王の座を相応しい人物に引き渡したいと思うのも自分の能力がないとしっかり理解しているからだろう。王家の財政はとっくに火の車であったし、贅沢らしい贅沢はたまにあるか程度。そのほかは基本的には貧乏貴族と同じような暮らしであったから。
王家との繋がりが濃い公爵家や侯爵家でも、今では離反気味で領地から出てこない者も多い。力を蓄えて、王家に成り代わろうと企んでいるのは先代から変わらない。そう言う意味でも、1000年続いただけの王家にもう意味は残っていないように思われた。
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