350 / 365
最終章 目覚める神
第325話 月女神のこれから
しおりを挟む
月の魔女とよばれるまで
第325話 月女神のこれから
モンスターの氾濫もモンスターの半数を沙更とセーナの古代魔法と月の浄化により壊滅。元月女神の眷属も浄化されて消えた。残ったのは紫の大剣のみ、それに関しては月女神として関与する事はないようだ。
「あの子が残した唯一のものだけれど、邪神たちの物かも知れないから私はそれについては関与しない。それに、人にあの子がこの世から消えた事の証明になるでしょう?」
「月女神様、私とセーナちゃんの魂をお返しした方が良いでしょうか?」
「復活したとは言っても、私はもう人間達に関与する気はないわ。流石に二度はご免よ。それに、月で偉そうにするの余り主義じゃないの。だから、沙更とセーナの二人の魂に干渉する事はほぼ無いはず」
古い古い神である月女神は敬われて、傅かれるのはもうこりごりしているようだ。そういう点でも神様らしい神様ではないのだろう。創世神ですら見捨てたこの世界を死んで倒れて、復活した後でもこう思ってくれるのは並大抵の事では出来ないだろうから。
「それにしても、あれだけのモンスターがいたのに生き残れたのが正直驚きだよ」
ミリアとしては、その一言に尽きる。ここが死に場所だと思っていたから尚更であった。その言葉に、ガレムもパウエルもヘレナも同意する。
「確かによく生き残れたよな。それにしても、相棒がボロボロだぜ」
「何というか怖じ気づいたのが何というか申し訳ない」
「モンスターの群れが来た時に、へたり込んでしまいましたから覚悟が足りなかった気がしてなりませんわ」
そう言う三人に、沙更とセーナはみんな生きていて良かったとしみじみ思う。ここが死地だったのは言うまでも無かったのだ。月女神の復活と月の浮上で、なんとかして貰ったが本音である。
「さて、私は沙更とセーナの中で眠ります。もし危ない時にはまた目覚めるかも知れません。それでも、今の沙更とセーナの魔力ならば余程の事が無い限り出てくるような事は無いと思いますが」
月女神はそれだけを伝えて、沙更とセーナに身体を返してくれる。普通ならば、神が目覚めればその神が新しい身体を欲しがるのが普通だが、そういう点でも月女神は別格と言って良かった。
神としての力を死んだ事で失ったりする事もあるのだろうが、月女神の特殊過ぎる力は死んで失うような代物では無かったらしい。信仰にも左右されない神などどれだけ凄いのかがよく分かるのだから。
元眷属との因縁もこれにて決着し、辺境の地に魔力が降り注いだ結果。前よりも豊かになった大地と森がそこにあった。前までなら大地の実りも少なく、森の恵みも余り多い方では無かったが魔力が戻った事で大地に力が戻り、森の恵みも豊かになっていたのだ。
月女神と月の浮上により、この世界に降り注ぐ魔力の量が極端に増えた。その事で、この世界が衰退から徐々に回復していく事になるのだが、それはまた別の話。
第325話 月女神のこれから
モンスターの氾濫もモンスターの半数を沙更とセーナの古代魔法と月の浄化により壊滅。元月女神の眷属も浄化されて消えた。残ったのは紫の大剣のみ、それに関しては月女神として関与する事はないようだ。
「あの子が残した唯一のものだけれど、邪神たちの物かも知れないから私はそれについては関与しない。それに、人にあの子がこの世から消えた事の証明になるでしょう?」
「月女神様、私とセーナちゃんの魂をお返しした方が良いでしょうか?」
「復活したとは言っても、私はもう人間達に関与する気はないわ。流石に二度はご免よ。それに、月で偉そうにするの余り主義じゃないの。だから、沙更とセーナの二人の魂に干渉する事はほぼ無いはず」
古い古い神である月女神は敬われて、傅かれるのはもうこりごりしているようだ。そういう点でも神様らしい神様ではないのだろう。創世神ですら見捨てたこの世界を死んで倒れて、復活した後でもこう思ってくれるのは並大抵の事では出来ないだろうから。
「それにしても、あれだけのモンスターがいたのに生き残れたのが正直驚きだよ」
ミリアとしては、その一言に尽きる。ここが死に場所だと思っていたから尚更であった。その言葉に、ガレムもパウエルもヘレナも同意する。
「確かによく生き残れたよな。それにしても、相棒がボロボロだぜ」
「何というか怖じ気づいたのが何というか申し訳ない」
「モンスターの群れが来た時に、へたり込んでしまいましたから覚悟が足りなかった気がしてなりませんわ」
そう言う三人に、沙更とセーナはみんな生きていて良かったとしみじみ思う。ここが死地だったのは言うまでも無かったのだ。月女神の復活と月の浮上で、なんとかして貰ったが本音である。
「さて、私は沙更とセーナの中で眠ります。もし危ない時にはまた目覚めるかも知れません。それでも、今の沙更とセーナの魔力ならば余程の事が無い限り出てくるような事は無いと思いますが」
月女神はそれだけを伝えて、沙更とセーナに身体を返してくれる。普通ならば、神が目覚めればその神が新しい身体を欲しがるのが普通だが、そういう点でも月女神は別格と言って良かった。
神としての力を死んだ事で失ったりする事もあるのだろうが、月女神の特殊過ぎる力は死んで失うような代物では無かったらしい。信仰にも左右されない神などどれだけ凄いのかがよく分かるのだから。
元眷属との因縁もこれにて決着し、辺境の地に魔力が降り注いだ結果。前よりも豊かになった大地と森がそこにあった。前までなら大地の実りも少なく、森の恵みも余り多い方では無かったが魔力が戻った事で大地に力が戻り、森の恵みも豊かになっていたのだ。
月女神と月の浮上により、この世界に降り注ぐ魔力の量が極端に増えた。その事で、この世界が衰退から徐々に回復していく事になるのだが、それはまた別の話。
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
moon child
那月
ファンタジー
お月様は世界を救うために子供を産み、人間に託しました。
何の前触れもなく出現した巨大な卵。
中からは人間の形をした少年少女。
人間ではない。けれど限りなく人間に近い、月の子供。
特殊能力を持つ彼らは歳をとらない。
調べても調べても、彼らのことは何もわからない。
ただわかるのは、彼らがこの先に起こる世界の危機を救うために生まれてきたということ。
世界を救うヒーロー、ヒロインは多い方がいい。
お月様は、そう考えたのだろうか……?
【完結】転生したら侯爵令嬢だった~メイベル・ラッシュはかたじけない~
おてんば松尾
恋愛
侯爵令嬢のメイベル・ラッシュは、跡継ぎとして幼少期から厳しい教育を受けて育てられた。
婚約者のレイン・ウィスパーは伯爵家の次男騎士科にいる同級生だ。見目麗しく、学業の成績も良いことから、メイベルの婚約者となる。
しかし、妹のサーシャとレインは互いに愛し合っているようだった。
二人が会っているところを何度もメイベルは見かけていた。
彼は婚約者として自分を大切にしてくれているが、それ以上に妹との仲が良い。
恋人同士のように振舞う彼らとの関係にメイベルは悩まされていた。
ある日、メイベルは窓から落ちる事故に遭い、自分の中の過去の記憶がよみがえった。
それは、この世界ではない別の世界に生きていた時の記憶だった。
収容所生まれの転生幼女は、囚人達と楽しく暮らしたい
三園 七詩
ファンタジー
旧題:収容所生まれの転生幼女は囚人達に溺愛されてますので幸せです
無実の罪で幽閉されたメアリーから生まれた子供は不幸な生い立ちにも関わらず囚人達に溺愛されて幸せに過ごしていた…そんなある時ふとした拍子に前世の記憶を思い出す!
無実の罪で不幸な最後を迎えた母の為!優しくしてくれた囚人達の為に自分頑張ります!
異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜
山いい奈
ファンタジー
味噌蔵の跡継ぎで修行中の相葉壱。
息抜きに動物園に行った時、仔カピバラに噛まれ、気付けば見知らぬ場所にいた。
壱を連れて来た仔カピバラに付いて行くと、着いた先は食堂で、そこには10年前に行方不明になった祖父、茂造がいた。
茂造は言う。「ここはいわゆる異世界なのじゃ」と。
そして、「この食堂を継いで欲しいんじゃ」と。
明かされる村の成り立ち。そして村人たちの公然の秘め事。
しかし壱は徐々にそれに慣れ親しんで行く。
仔カピバラのサユリのチート魔法に助けられながら、味噌などの和食などを作る壱。
そして一癖も二癖もある食堂の従業員やコンシャリド村の人たちが繰り広げる、騒がしくもスローな日々のお話です。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
さようなら竜生、こんにちは人生
永島ひろあき
ファンタジー
最強最古の竜が、あまりにも長く生き過ぎた為に生きる事に飽き、自分を討伐しに来た勇者たちに討たれて死んだ。
竜はそのまま冥府で永劫の眠りにつくはずであったが、気づいた時、人間の赤子へと生まれ変わっていた。
竜から人間に生まれ変わり、生きる事への活力を取り戻した竜は、人間として生きてゆくことを選ぶ。
辺境の農民の子供として生を受けた竜は、魂の有する莫大な力を隠して生きてきたが、のちにラミアの少女、黒薔薇の妖精との出会いを経て魔法の力を見いだされて魔法学院へと入学する。
かつて竜であったその人間は、魔法学院で過ごす日々の中、美しく強い学友達やかつての友である大地母神や吸血鬼の女王、龍の女皇達との出会いを経て生きる事の喜びと幸福を知ってゆく。
※お陰様をもちまして2015年3月に書籍化いたしました。書籍化該当箇所はダイジェストと差し替えております。
このダイジェスト化は書籍の出版をしてくださっているアルファポリスさんとの契約に基づくものです。ご容赦のほど、よろしくお願い申し上げます。
※2016年9月より、ハーメルン様でも合わせて投稿させていただいております。
※2019年10月28日、完結いたしました。ありがとうございました!
傷モノ令嬢は冷徹辺境伯に溺愛される
中山紡希
恋愛
父の再婚後、絶世の美女と名高きアイリーンは意地悪な継母と義妹に虐げられる日々を送っていた。
実は、彼女の目元にはある事件をキッカケに痛々しい傷ができてしまった。
それ以来「傷モノ」として扱われ、屋敷に軟禁されて過ごしてきた。
ある日、ひょんなことから仮面舞踏会に参加することに。
目元の傷を隠して参加するアイリーンだが、義妹のソニアによって仮面が剥がされてしまう。
すると、なぜか冷徹辺境伯と呼ばれているエドガーが跪まずき、アイリーンに「結婚してください」と求婚する。
抜群の容姿の良さで社交界で人気のあるエドガーだが、実はある重要な秘密を抱えていて……?
傷モノになったアイリーンが冷徹辺境伯のエドガーに
たっぷり愛され甘やかされるお話。
このお話は書き終えていますので、最後までお楽しみ頂けます。
修正をしながら順次更新していきます。
また、この作品は全年齢ですが、私の他の作品はRシーンありのものがあります。
もし御覧頂けた際にはご注意ください。
※注意※他サイトにも別名義で投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる