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新たなる住処
第174話 荒野の狼の武器の変化
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月の魔女とよばれるまで
第174話 荒野の狼の武器の変化
しかも、パウエルだけではなくメンバー全員装備が変わっていたのだから、気付かなかったと言うか沙更に気を取られていたとしても見逃していたと言われても仕方がない。
しかも、全員前よりも装備がグレードアップしているのだから笑えない。
「いつの間に、魔鉄の武器を仕入れたんだ?それに、ガレムの斧は見慣れねえ金属だな。てか、ミリアの短剣も見慣れねえどころじゃねえ。どうなってるんだ!?」
「防具らしい防具がないのも気になるわね。もしかして、その上着が防具の役割をしているのかしら?」
ダイスもルーカも、修復魔法で直された鉄の武器だとは気付かない。防具に関しても、特殊な作りをしているだけに見抜けなかったようだ。
そんなギルドマスターたちに、パウエルたちは顔を見合わせる。
「「「「これら、全部セーナちゃんのおかげ」」」」
「「はあ!?装備が変わったこと全てが!?」」
パウエル達がそろって言ったことに、ダイスもルーカも声を合わせて驚く。まあ、種明かしじゃないけれどそこから先は沙更の方で説明することにした。
「パウエルさん、ガレムさん、ヘレナさんの武器は元は鉄の武器です。私が修復魔法で直したら魔鉄や炭素鋼になってしまいました。それとミリアお姉さんの武器は私の武器です。この身体なので、使えませんから預けています」
「鉄を魔鉄などにグレードアップしたと言うのか!?」
「素材を変化させる魔法なんて本当に古代魔法士じゃないと使えないと伝えられているわ。セーナちゃんは本当に凄い力の持ち主と言う事ね。それとミリアさんのその短剣を見せて貰っても?」
ルーカの言葉に、沙更の顔を見たミリアに頷き返すとおもむろに手を振るとそこに白の直刀が現れた。沙更の魔力で出来た武器だけに、ミリアの魔力に潜んでいたのを掴んで実体化させたのだ。
その光景に、ダイスもルーカも再度驚く。何も無いところから武器が出ると言う非常識は、他の武器じゃあり得ない話だった。
「おいおい、何の冗談だ!?手を振ったら武器が出てくるとか手品でも見せられてるのか!?」
「なんだか話していて、驚きの連続なのだけどそれでも驚かされるわ。ミリアさんの武器はセーナちゃんのなのね?と言う事は特殊な武器なのね」
ダイスとは違い、ルーカは沙更が関与していることで特殊な物だという認識を持ったようだ。その認識で間違っては居ない。白の直刀はこの世界に唯一の物だから。
「セーナちゃんの魔力で生まれたと聞いてます。魔力に溶け込んで、普段は実体を消していますが望めばその姿を現してくれます」
「ちなみに、月女神の眷属と鍔迫り合いできるほどに頑丈です。切れ味も相当で、ゴブリンロードもそれで切って倒しましたから」
ミリアと沙更の説明に、ダイスとルーカは今度は呆れてしまった。月女神の眷属の紫の大剣は、太古の武器で今で再現出来ない遺失武器である。下手な魔鉄では敵わないほどの切れ味を誇るのに、それとやり合ってひびも入っていないと言う事がどれだけ凄いことかと考えると頭を抱えたくなるほどなのだ。
「ちなみに、なんでミリアなんだ?確かに短剣だからなのかもしれないが、パウエルでも良かっただろう?」
ダイスの疑問はある意味当然であった。荒野の狼で一番強いのはパウエルで、それに続くのがガレムだと言う認識があったからだ。
だが、それも今では変わってしまっていた。沙更が共に動きたいと願い、祖先のエーベルがそれに答えてミリアの潜在能力を引き出したことで立ち位置を入れ替えてしまったから。
第174話 荒野の狼の武器の変化
しかも、パウエルだけではなくメンバー全員装備が変わっていたのだから、気付かなかったと言うか沙更に気を取られていたとしても見逃していたと言われても仕方がない。
しかも、全員前よりも装備がグレードアップしているのだから笑えない。
「いつの間に、魔鉄の武器を仕入れたんだ?それに、ガレムの斧は見慣れねえ金属だな。てか、ミリアの短剣も見慣れねえどころじゃねえ。どうなってるんだ!?」
「防具らしい防具がないのも気になるわね。もしかして、その上着が防具の役割をしているのかしら?」
ダイスもルーカも、修復魔法で直された鉄の武器だとは気付かない。防具に関しても、特殊な作りをしているだけに見抜けなかったようだ。
そんなギルドマスターたちに、パウエルたちは顔を見合わせる。
「「「「これら、全部セーナちゃんのおかげ」」」」
「「はあ!?装備が変わったこと全てが!?」」
パウエル達がそろって言ったことに、ダイスもルーカも声を合わせて驚く。まあ、種明かしじゃないけれどそこから先は沙更の方で説明することにした。
「パウエルさん、ガレムさん、ヘレナさんの武器は元は鉄の武器です。私が修復魔法で直したら魔鉄や炭素鋼になってしまいました。それとミリアお姉さんの武器は私の武器です。この身体なので、使えませんから預けています」
「鉄を魔鉄などにグレードアップしたと言うのか!?」
「素材を変化させる魔法なんて本当に古代魔法士じゃないと使えないと伝えられているわ。セーナちゃんは本当に凄い力の持ち主と言う事ね。それとミリアさんのその短剣を見せて貰っても?」
ルーカの言葉に、沙更の顔を見たミリアに頷き返すとおもむろに手を振るとそこに白の直刀が現れた。沙更の魔力で出来た武器だけに、ミリアの魔力に潜んでいたのを掴んで実体化させたのだ。
その光景に、ダイスもルーカも再度驚く。何も無いところから武器が出ると言う非常識は、他の武器じゃあり得ない話だった。
「おいおい、何の冗談だ!?手を振ったら武器が出てくるとか手品でも見せられてるのか!?」
「なんだか話していて、驚きの連続なのだけどそれでも驚かされるわ。ミリアさんの武器はセーナちゃんのなのね?と言う事は特殊な武器なのね」
ダイスとは違い、ルーカは沙更が関与していることで特殊な物だという認識を持ったようだ。その認識で間違っては居ない。白の直刀はこの世界に唯一の物だから。
「セーナちゃんの魔力で生まれたと聞いてます。魔力に溶け込んで、普段は実体を消していますが望めばその姿を現してくれます」
「ちなみに、月女神の眷属と鍔迫り合いできるほどに頑丈です。切れ味も相当で、ゴブリンロードもそれで切って倒しましたから」
ミリアと沙更の説明に、ダイスとルーカは今度は呆れてしまった。月女神の眷属の紫の大剣は、太古の武器で今で再現出来ない遺失武器である。下手な魔鉄では敵わないほどの切れ味を誇るのに、それとやり合ってひびも入っていないと言う事がどれだけ凄いことかと考えると頭を抱えたくなるほどなのだ。
「ちなみに、なんでミリアなんだ?確かに短剣だからなのかもしれないが、パウエルでも良かっただろう?」
ダイスの疑問はある意味当然であった。荒野の狼で一番強いのはパウエルで、それに続くのがガレムだと言う認識があったからだ。
だが、それも今では変わってしまっていた。沙更が共に動きたいと願い、祖先のエーベルがそれに答えてミリアの潜在能力を引き出したことで立ち位置を入れ替えてしまったから。
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