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第79話 白の直刀
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月の魔女とよばれるまで
第79話 白の直刀
沙更は、ミリアに白の直刀のことを聞かれて何も知らないことに気付いた。元々、沙更とセーナの魔力から作り出されたもので、それ以上のことを知らない。
実際、紫の大剣とまともにやり合って傷一つない辺り頑丈ではあるのはなんとなく理解出来ていた。そして、白の直刀自体が沙更の世界との繋がりを感じさせている。
この世界の剣は、基本的にロングソードなどの両刃剣であり、白の直刀のような片刃の物はそこまで数がない。それに、白の直刀は魔力で生み出され、魔力で物質化している。この世界でも例が無い代物なのだから。
「そう言えば、白の直刀のことを私は余り知らない」
「セーナちゃんも分からないの?」
「私の魔力で生み出されたものですから、普通の剣とは違うのです」
「そう言えば、結構な時間魔力を込めていないけど物質化したままだよね?大丈夫なのかな?」
ミリアとしては、いきなり物質化が切れても困ってしまうからそう言う物の沙更は、維持だけならミリアの魔力が育ってきていることを考えると大丈夫だろうと思う。
「大丈夫だと思います。ミリアお姉さんの魔力を白の直刀が育てて行っていますから」
「えっ!?あたし、魔力なんて無いんだけど?」
沙更の言葉に、ミリアが驚いた顔をする。それもそのはず、冒険者ギルドで登録した際に魔力が無いと言われていたからだ。だが、沙更だけはミリアに魔力があることを見抜いていた。
微弱すぎて冒険者ギルドでは見抜けなかったようだが、古代魔法士としての知識を受け継いだ沙更には無いのかあるのかは分からないわけが無かった。
「余りにも弱いので、多分判定できなかったんだと思うのです。でも、今のミリアお姉さんなら魔力があると認定されると思いますよ」
「えっ、それってどういうこと?それに、白の直刀があたしの魔力を育ててくれてるって?」
疑問符しか出ないミリアに、沙更は事の真相を教えてあげることにした。
「白の直刀は魔力をつかって物質化します。本当なら、私の魔力を注ぎ込んだ方が良いんですがミリアお姉さんに魔力を感じたので、育てることにしたみたいです。しかも古代魔法士としての技術である体内魔力循環に魔力操作のおまけつきで」
「ねえ、それって下手な現代魔法士よりも魔力を扱えるってことにならない?」
「多分ですけど、いくつかなら魔法を使えると思います。戻ったら適正を見て貰った方が良いかもしれませんね」
あっさりと沙更にそう言われ、ミリアとしては頭の処理速度が追いつかない。
「えっ!?あたしが魔力を使えて、戻ったら属性の適性をってそんなに上がってるの?確かにそれだけの技術が付いてきているのなら、使えるんだろうけど」
「どちらにしろ、白の直刀はミリアお姉さんを選びました。だから、魔力を扱えるようにしたと言うべきかも知れません。それに、ミリアお姉さんは私と会ってからもの凄く強くなってると思いますし」
「それに関しては、セーナちゃんを守るって決めたからかな?でも、エーベルさんに才能を引き出して貰ったからと言うのも結構大きいと思う」
ミリア自身がセーナを守りたいと思ったから、エーベルはミリアの力を引き出したに過ぎない。どちらにしろ、その力をどう使うかはミリア自身なのだから。
実際、白の直刀はミリアの後押しをしている気が沙更にはしていた。
第79話 白の直刀
沙更は、ミリアに白の直刀のことを聞かれて何も知らないことに気付いた。元々、沙更とセーナの魔力から作り出されたもので、それ以上のことを知らない。
実際、紫の大剣とまともにやり合って傷一つない辺り頑丈ではあるのはなんとなく理解出来ていた。そして、白の直刀自体が沙更の世界との繋がりを感じさせている。
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「セーナちゃんも分からないの?」
「私の魔力で生み出されたものですから、普通の剣とは違うのです」
「そう言えば、結構な時間魔力を込めていないけど物質化したままだよね?大丈夫なのかな?」
ミリアとしては、いきなり物質化が切れても困ってしまうからそう言う物の沙更は、維持だけならミリアの魔力が育ってきていることを考えると大丈夫だろうと思う。
「大丈夫だと思います。ミリアお姉さんの魔力を白の直刀が育てて行っていますから」
「えっ!?あたし、魔力なんて無いんだけど?」
沙更の言葉に、ミリアが驚いた顔をする。それもそのはず、冒険者ギルドで登録した際に魔力が無いと言われていたからだ。だが、沙更だけはミリアに魔力があることを見抜いていた。
微弱すぎて冒険者ギルドでは見抜けなかったようだが、古代魔法士としての知識を受け継いだ沙更には無いのかあるのかは分からないわけが無かった。
「余りにも弱いので、多分判定できなかったんだと思うのです。でも、今のミリアお姉さんなら魔力があると認定されると思いますよ」
「えっ、それってどういうこと?それに、白の直刀があたしの魔力を育ててくれてるって?」
疑問符しか出ないミリアに、沙更は事の真相を教えてあげることにした。
「白の直刀は魔力をつかって物質化します。本当なら、私の魔力を注ぎ込んだ方が良いんですがミリアお姉さんに魔力を感じたので、育てることにしたみたいです。しかも古代魔法士としての技術である体内魔力循環に魔力操作のおまけつきで」
「ねえ、それって下手な現代魔法士よりも魔力を扱えるってことにならない?」
「多分ですけど、いくつかなら魔法を使えると思います。戻ったら適正を見て貰った方が良いかもしれませんね」
あっさりと沙更にそう言われ、ミリアとしては頭の処理速度が追いつかない。
「えっ!?あたしが魔力を使えて、戻ったら属性の適性をってそんなに上がってるの?確かにそれだけの技術が付いてきているのなら、使えるんだろうけど」
「どちらにしろ、白の直刀はミリアお姉さんを選びました。だから、魔力を扱えるようにしたと言うべきかも知れません。それに、ミリアお姉さんは私と会ってからもの凄く強くなってると思いますし」
「それに関しては、セーナちゃんを守るって決めたからかな?でも、エーベルさんに才能を引き出して貰ったからと言うのも結構大きいと思う」
ミリア自身がセーナを守りたいと思ったから、エーベルはミリアの力を引き出したに過ぎない。どちらにしろ、その力をどう使うかはミリア自身なのだから。
実際、白の直刀はミリアの後押しをしている気が沙更にはしていた。
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