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古代遺跡の出来事
第38話 地上に向けて2(2019年2月28日修正)
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月の魔女とよばれるまで
第39話 地上に向けて2(2019年2月28日修正)
鉄の剣を修復したら、沙更の魔力に適合して魔鉄の剣となってしまっていた。そのことに、驚くパウエルたち。修復魔法ですら未知の領域なのに、沙更の魔力に適合して材質変化なんて流石に付いていけないのも当然だった。
「まさか、剣がセーナちゃんの魔力に適合したのか!?大切に使っていたからだろうか?」
「リーダー、魔鉄の剣ならそんじょそこらの奴らにひけは取らないだろ。でも、羨ましいぜ。魔鉄の武器はBランク以上の冒険者のステータスだからなあ」
「それにしても、セーナちゃんの魔力で修復したからって素材が変わるって凄すぎるんじゃないかな?」
「セーナちゃんの魔力が桁外れすぎるからだと思うわ。これだけの変化を起こせるってことは、逆も出来るのかしら?」
余りのことに、四人とも若干混乱気味ではあったが、沙更は魔鉄の剣をパウエルに渡した。
「はい、パウエルさん。相棒が直ってよかったです」
沙更から受け取った魔鉄の剣は、パウエルに渡るとその刀身が青く光った。刀身が魔力を纏っている剣は、普通の魔鉄の剣よりも硬く、属性が込められていた。いずれかの属性を付与されている事が多いからだ。
「セーナちゃん、本当にこの剣は俺が使っていた鉄の剣か?魔鉄になっているけれど、それにこの風格今までとは全然違う」
「長くパウエルさんが使っていたからだと思うんです。鉄と魔力って相性悪いのに、私の魔力に適合したみたいで修復した時にはこうなってました」
沙更の言葉に、パウエルは剣を見るしかなかった。冒険者になった時からの相棒であるだけに、長く使い込んでいたのは認める。それでも、魔力に適合して魔鉄に切り替わるなんて思ってもみなかったのだから。
大体において、素材のランクアップなんて早々簡単に起こるものではない。だからこその戸惑いではあった。もし、そんなことが出来る人間がいたら古代に居たとされる錬金術師くらいだろう。
しかも、今までが鉄でいきなりの魔鉄となれば、普通の冒険者ならばかなり喜ぶ代物である。パウエルも喜べるはずではあるのだが、何というか長年の相棒が魔鉄に変わった時点で、思うところがあるようだった。
「うーん、相棒が魔鉄になったと言うことは、もっと頑張れって言われている気がしてきた」
「パウエルさん、長年の相棒だった剣ですからパウエルさんが納得できれば良いのかなと思うのです。鉄のままでお返ししたかったのですが、私の魔力はそう言う意味でも異常です。そういう点で、こうなってしまって戸惑うのもなんとなく理解出来ます」
「セーナちゃんが謝ることじゃない。どちらかと言えば、叱咤された感じだな。剣に相応しい剣士であるかと言われている感じがしてね。これから、追々頑張ってみれば良いかとは思うのだけれども」
パウエルはそう言いつつも腰に青い魔鉄の剣を差した。その格好が元々そこにあったような感じがして、違和感がないのは元の剣と同じ長さだからだろうか?
そんなパウエルの剣を見て、羨ましそうに見るのがガレムだ。それもそのはず、パワーファイターな彼に武器が無いと言うのも酷としか言えないわけで、沙更に修復を頼むのはわかりきっていた。
第39話 地上に向けて2(2019年2月28日修正)
鉄の剣を修復したら、沙更の魔力に適合して魔鉄の剣となってしまっていた。そのことに、驚くパウエルたち。修復魔法ですら未知の領域なのに、沙更の魔力に適合して材質変化なんて流石に付いていけないのも当然だった。
「まさか、剣がセーナちゃんの魔力に適合したのか!?大切に使っていたからだろうか?」
「リーダー、魔鉄の剣ならそんじょそこらの奴らにひけは取らないだろ。でも、羨ましいぜ。魔鉄の武器はBランク以上の冒険者のステータスだからなあ」
「それにしても、セーナちゃんの魔力で修復したからって素材が変わるって凄すぎるんじゃないかな?」
「セーナちゃんの魔力が桁外れすぎるからだと思うわ。これだけの変化を起こせるってことは、逆も出来るのかしら?」
余りのことに、四人とも若干混乱気味ではあったが、沙更は魔鉄の剣をパウエルに渡した。
「はい、パウエルさん。相棒が直ってよかったです」
沙更から受け取った魔鉄の剣は、パウエルに渡るとその刀身が青く光った。刀身が魔力を纏っている剣は、普通の魔鉄の剣よりも硬く、属性が込められていた。いずれかの属性を付与されている事が多いからだ。
「セーナちゃん、本当にこの剣は俺が使っていた鉄の剣か?魔鉄になっているけれど、それにこの風格今までとは全然違う」
「長くパウエルさんが使っていたからだと思うんです。鉄と魔力って相性悪いのに、私の魔力に適合したみたいで修復した時にはこうなってました」
沙更の言葉に、パウエルは剣を見るしかなかった。冒険者になった時からの相棒であるだけに、長く使い込んでいたのは認める。それでも、魔力に適合して魔鉄に切り替わるなんて思ってもみなかったのだから。
大体において、素材のランクアップなんて早々簡単に起こるものではない。だからこその戸惑いではあった。もし、そんなことが出来る人間がいたら古代に居たとされる錬金術師くらいだろう。
しかも、今までが鉄でいきなりの魔鉄となれば、普通の冒険者ならばかなり喜ぶ代物である。パウエルも喜べるはずではあるのだが、何というか長年の相棒が魔鉄に変わった時点で、思うところがあるようだった。
「うーん、相棒が魔鉄になったと言うことは、もっと頑張れって言われている気がしてきた」
「パウエルさん、長年の相棒だった剣ですからパウエルさんが納得できれば良いのかなと思うのです。鉄のままでお返ししたかったのですが、私の魔力はそう言う意味でも異常です。そういう点で、こうなってしまって戸惑うのもなんとなく理解出来ます」
「セーナちゃんが謝ることじゃない。どちらかと言えば、叱咤された感じだな。剣に相応しい剣士であるかと言われている感じがしてね。これから、追々頑張ってみれば良いかとは思うのだけれども」
パウエルはそう言いつつも腰に青い魔鉄の剣を差した。その格好が元々そこにあったような感じがして、違和感がないのは元の剣と同じ長さだからだろうか?
そんなパウエルの剣を見て、羨ましそうに見るのがガレムだ。それもそのはず、パワーファイターな彼に武器が無いと言うのも酷としか言えないわけで、沙更に修復を頼むのはわかりきっていた。
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