僕は君の姿を知らない

翡翠皐月

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それから、2巻の大まかな内容を考えつつ、ハッピーエンドを考えてみた




全く思いつかない。




『あ、ぁぁ、あだちくん………』

自分でもなんだこれはと思うほどの情けない声をだして安達くんを呼ぶ


「どうしたんですかー?!?」

少しびっくりした安達くんがこっちに来てくれた。

『ハッピーエンドって……なんだっけ………』

「あぁ……分からなくなっちゃったから助けてーってことですね」

さすが安達くん。

「と言われても俺も分からないですよこればっかりは…」

だよねー、と空元気な返事をすると、無理は良くないと怒られてしまった。

それから2人で5分ほど唸っていると、安達くんがはっ、としたような気がした

『どうかした?』

「やっぱり穂希さんみえてません???」

図星だったらしい

『見えてないよwww感覚と勘だね』

「鋭いですね…」

『それでー!?何を思いついたのさ~』

「ハッピーエンドにこだわらなくてもいいんですよ」

え?
いや、

え?

「先生の小説はバッドエンドならどん底に落とすし、ハッピーエンドならとことん幸せにしますけど」

「ノーマルエンドを書いてみませんか?」

あーーーー

トゥルーエンド、

ってなんだ、

ハッピーエンド、バッドエンドは分かるけど

な結末の付け方が書いたことのない
自分とっては未知だった

『めっちゃいい案だとは思うんだけど、どう書けばいいのか分からないんだよね、、』

「ノーマルエンドの書き方、ですか……俺なりに少し考えてみます」

少し考えた後にそう返事が来た

『ありがとう、僕も考えてみるよ』

「はい。でも穂希さん、目は使ってなくても体は疲れます。とりあえず、寝て疲れを取ってくださいね、」

安達くんは
少しするとジャスミンのような爽やかな匂いのする部屋の香水を置いて

「少しでも癒されて貰えたら」

と言ってそのまま部屋を後にした。


ノーマルエンド。先程から嫌なほど唱えているこの終わり方はできるのか。


そんなことをうわ言のように考えていると次第に睡魔に飲み込まれていった。
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