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安達誠也は編集者である
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安達くんはとても誠実な人だった。
ぶっきらぼうに表すならバカ真面目ってやつだ。
まぁ、結構ドジな1面多いけど。
冒頭でだって、「アイスコーヒーのホット」だよ?
ほんと面白い子だよね、
「穂希さん~」
遠くから声がした
「この前もらった原稿の事なんですが……」
以前渡していた【君の希望は僕の絶望】は文庫本第1巻が発売されると僕の目標を大きく上回る爆発的なヒットを起こし、即重版が決まった。
やっぱり感想は悠の怒り部分が多く、「ゾクッとした」を貰えたので安達くんの成果だなと感謝している。
続編は点字の打つスピードは早くても打ちミスしていたりなど…まぁ色々不備があったりするので、次の2巻目の内容をざっくりまとめたものを先に安達くん経由で渡していた。
「またまた詰まりそうな要望が来てて……」
『と言うと?』
「ハッピーエンドにして欲しいと、出版社が」
『はぁーーーーーwwww』
【君の夢は僕の絶望】
の題名からハッピーエンドwww
いや、無理でしょ、
「やばいっすよね、、、」
『早めに言ってくれたのが救いってところだけど…』
これは先に最終巻の構想を練り直す必要がある……
いやぁ…………
なかなかに難しい要望を出されてしまった、
と考えつつもやっぱりこれはハッピーエンドになんてなりやしない。
【君】が希望を見つけていく物語ではあるが、それは【僕】にとっての絶望であるのだ。
どうハッピーエンドで落とせと言うんだろうか。
「ハッピーエンドにして欲しい理由というのがですね、」
『うんうん、』
「読者の年齢層らしくて」
『一応ターゲットとしては10~20、あわよくば30代まで響いてもらえればと思ってたんだけど』
「5~40代です」
『40代まで行ってくれたかー、ん、5?5って5歳???』
「そうです」
フリガナが振ってると言っても5歳児が読むような本では無い。小説だし、絵本ならまだしも。
「親御さん世代が読み、それを見た子どもが興味を持って読み聞かせをねだる、というプロセスらしく…」
読み聞かせ
この読書の方法は思いつかなかった、
とはいえ、そんなことを言われたとしてもハッピーエンドは難しい、
『どういう経緯であれ、ハッピーエンドなぁ……』
かなり詰まることになりそうだ
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