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23、公爵邸に帰って来ました
しおりを挟む私が公爵邸へ着くと、ベリアルがすぐに出迎えてくれました。
「マリア様、おかえりなさい。」
ベリアルは私の荷物を持って部屋まで運んでくれました。
「ベリアル、城の中にベルゼブブやマモン、アスモデウスまでいたよ。」
「知っています。鏡の中から全て見ていましたから。」
「城にいたマルキの家族は、みんな悪魔達に魂を喰われていた。」
「はい。」
「今、この国には王がいない。」
「‥‥。」
「前王妃ザギル公爵夫人、いや、アスモデウスにマルキ公爵の事を頼んで来たよ。彼は、丁重に扱えば、様々な秘教を教えてくれる、知的で紳士的な奴だからな。
元の体の持ち主の夫人よりもマルキを大切に扱ってくれるだろう。」
「ご主人様をこの国の王様にするんですか?傾いていつ崩壊するか分からないこの国の王様に‥。それに王妃はどうするんですか。」
「それを公爵とこれから相談するつもりだ。‥‥公爵が理想とする国を、世界を短い間だけでも実現させてやれるんだ。お前も本望だろう?それに公爵やその仲間達も誰にも遠慮する事なく自由に生きられるんだ。公爵も喜ぶだろう。」
「‥私としては、ご主人様の仰せに従うまでです。ご主人様のご判断に任せます。」
ベリアルはそう言って、心なしか少し肩を落とした様子で去って行きました。
私は服を着替えると、すぐに秘密の部屋へと向かいました。描きかけの壁画を描く為です。
私はお城で見た光景や、久しぶりに会ったベルゼブブやマモン、アスモデウスの姿を壁に描きました。
描きながら、一番最初にマリアがこの部屋で描いた壁画を思い出していました。その時の壁画も公爵の考えた色々な怪物が描かれていました。公爵の創作物は、今の私ルシフェルから見ると悪魔の姿そのものでした。
「公爵には、これが見えていたのかもなぁ。」
そう呟きながら、私が油絵の具の筆を取ると、公爵がやって来ました。
私を背後から抱きしめてると、首元から頬にかけてキスを浴びせてきました。
「ルシフェル‥寂しかった。」
「公爵、たった一日なのに‥‥。」
公爵は、私が壁の絵に色を塗る間ずっと背後から抱きついたままでした。
「‥公爵、この怪物達は公爵の想像した生き物なのか?それとも公爵にはこうした怪物達が本当に見えるのか?」
「僕はお城で、この怪物達をたくさん見たんだ。父上も母上も、兄上も皆んな自分だけの怪物達を呼んでいた。あの不思議な儀式でね。父上達は皆んな、あの怪物達‥悪魔達を自分だけの物にして可愛がっていた。だから、僕も君を呼んだんだ。」
「‥そうか。」
「ルシフェル、‥何を描いてる?」
「ああ、これはお城にいる公爵の父上達だよ。この豚が公爵の父上、そしてこのネズミのような尻尾の黒い悪魔は公爵の兄だ。
それに、この鳥頭の女悪魔は公爵の兄嫁、この三頭の怪物は、公爵の母上だ。」
「‥えっ。」
「公爵を虐めたこいつらは、悪魔に体を乗っ取られ、魂を食べられてしまったようだ。城には王族はもはや誰もいない。」
「‥‥。」
「公爵がこの国の王になるか?虐げられた公爵の仲間達と共に理想の国を作るか?」
公爵は、あまりの事に衝撃を受けたのか、黙ったまま私を抱きしめていました。
「‥分かった。僕がこの国の王になる。この国を滅ぼす訳にはいかないから。‥ルシフェル、だからずっと僕の側にいてくれ。君が僕の妻だ。王妃となって欲しい。」
公爵は、そう言って私をお姫様抱っこすると、自分の部屋へと向かいました。
公爵は、私にキスをしたまま、胸を片手で執拗に弄ってきました。そしてもう片方の手で私の秘部を擦りながら、時折指を出し入れしています。
部屋には卑猥な匂いが充満していました。いやらしい水音が響く中、公爵の荒い息づかいも聞こえます。
だんだんと私の息もあがってきました。公爵は自身の逸物を私に突っ込むと、激しく腰を打ち付けてきました。
「‥ルシフェル、もう、出る。」
「‥公爵‥。」
公爵は、一度だけ吐精すると満足そうな顔を浮かべて、私の胸の上ですぐに眠り始めました。
公爵の可愛らしい寝顔を見つめながら、私も朝まで彼に寄り添いながら、眠りにつくのでした。
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