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15、公爵とバルコニーにて
しおりを挟む公爵と私は彼らと別れると、バルコニーへ出ました。バルコニーで私は地球にいた頃の話を公爵にしました。
「私が公爵に召喚される前、まだルシフェルとして覚醒する前は、地球という星にいたんです。そこでは、公爵の母上のように、我が子を虐げる親は罪人として牢に入れられるんです。そして、親に虐められた子供は児童施設に保護されます。私も親に捨てられて、そこにいたんです。」
「地球にいた頃の名前は?」
「宇野優香。女でした。地球では26歳で死んだ事になっています。」
「恋人はいたの?」
「まあ、いた事もありました。」
「寝たの?」
「まあ、色々やる事はやりました。」
「‥‥相手はどんな男?」
「‥普通の人です。公爵みたいに素敵な人ではありませんでしたよ。」
「‥‥。」
公爵が急に黙って拗ねてしまいました。
「‥公爵、妬いてるんですか?」
私は、拗ねてる公爵が何だか可愛く思えて、俯いてる公爵の頭を撫でていました。公爵の髪はさらさらで、絹糸のように滑らかな触り心地でした。
私があまりの触り心地の良さに、夢中で公爵の髪を撫でていると、公爵は突然私の腰を引き寄せキスをしてきました。何度も顔の位置を変えては唇を寄せてきます。おまけに大型犬のように、長い舌で私の口周りや歯を舐めてきたかと思うと、強引に口内に舌を入れてきました。
私は、公爵とバルコニーでこんな事をして、下手にまわりからの注目を集めたくないので、公爵の背中を叩いて抵抗しました。
それでも公爵は、興奮した様子で私の胸を揉み拉き始めました。
私は公爵の唇を噛み、両手で公爵をはねのけました。
「‥‥公爵、どうしたんですか。」
「‥‥ルシフェル、君は僕のものだって言ったろう。君が例え前世であっても、恋人がいたかと思うと何だか嫌な気持ちになるんだ。許さない。」
「‥公爵、安心して下さい。このマリアの体は処女です。何なら今夜にでも、公爵にマリアの体の処女をあげても良いんです。」
「‥体だけじゃ駄目だ。君の心も僕のだ!過去も今も未来もずっとだ!」
公爵のあまりの駄々っ子ぶりに、苛々した私はマリアの演技も忘れて、いつの間にかルシフェルの口調に戻っていました。
「‥公爵、それじゃ駄々っ子だ。公爵は、結局私に何を求めてるんだ。この世界を壊すか?その為に私を呼んだんだろ。母親や兄に復讐したいのか?なら、悪魔の力で今すぐにでも復讐してやる。
それとも公爵だけの家族が欲しいのか?ならもうすでに私達は家族だ。公爵の気がすむまで一緒に暮らしてやる。それに性欲の捌け口が欲しいのなら、いつでも協力してやる。それとも、‥‥まさか私と恋愛がしたいのか?」
「‥分からない。でもルシフェル、君以外をこんなにも欲しいとは思えない。今夜、君を抱きたい。マリアの体のルシフェルを抱きたい。」
公爵は、そう言って私を再び抱きしめてきました。私も公爵の背中をそっと抱きしめました。あまりにも必死に縋ってくる公爵を、私は突き放す事ができませんでした。それどころか、この体を使って慰めてやりたいとすら思ってしまったのです。
今夜公爵とマリアの体が結ばれます。
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