初恋はかなわないけど‥

みるみる

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42、幸せを実感してます

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マキシムの帰国の日から、私は少しずつ自分の荷物をマキシムの家へ運んでいきました。

そして、マキシムの家に私の物が増えていくのを見ながら、いよいよマキシムと一緒に暮らすのだなぁと、しみじみと実感していました。

「マキシム、結婚して一緒に暮らすようになったら、私が毎日料理しますからね。」

「ありがとう、嬉しいよ。」

「一緒に暮らしたら、週末は毎週デートしましょうね。」

「そうだね、楽しみだよ。」

マキシムは、私の言う言葉に全て共感してくれました。

マキシムは優しいし、頼もしいし、こんな理想の旦那様っているんでしょうか。‥私は本当に幸せ者です。

私がニヤニヤしている横で、マキシムは一人深刻な顔をしていました。

「マキシム‥何か心配事?」

「ああ、うん。レミー‥今日の新聞にも出てたけど、フジコさん親子が外国へ逃亡したらしい。‥どうも誰かが逃したらしいんだ。船乗り達の目撃証言もあるから、間違いないと思う。」

「‥‥‥では、もうヒノキ国へは戻って来ないんですよね?」

「‥せっかく国外へ逃げたのに、戻って来るなんて‥よっぽどの事がない限りは無いと思うけどね。」

「よっぽどの事‥‥。」

「まあ、大丈夫だろう。‥それに今は海の上も物騒だからね。」

「‥何かあるんですか?」

「‥これも今日の新聞に載ってるだろうから、もう言える事なんだけど‥。」

「‥‥海で何かあったんですか?」

「ああ。‥最近海で海賊の襲撃事件が頻繁に起きているんだ。」

「‥怖いですね。」


「‥まあ、これから色々対策を考えていくんだけど‥。海の上の事だから、国境や海域が曖昧なんだ。

だから、我が国だけでは対応出来ないから‥‥一応ギリス大国やフラン大国、メディチ王国と『四国海洋協定』と『友好条約』を結んであるんだ。」

「‥‥フジコさん親子、大丈夫でしょうか。」

「‥どうやら他に仲間もいるようだし、多分無事だろう。それに案外、フジコさん親子も海賊の仲間になってたりするかもな。」

「まさか‥流石にそんな事はないでしょう。」

「ああ、流石にそれは無いだろうけどね。」

私とマキシムは、フジコさん親子が外国へ逃亡し、もうヒノキ国へ戻って来ることはないだろうと‥この時はまだそう思っていました。

まさか、フジコさんが本当に海賊の仲間になっていたとは、夢にも思ってませんでした。
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