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14、ダイアン王子の手紙
しおりを挟むダイアン王子が再び外国の学校へ行ってしまってから、半年が経ちました。
ダイアン王子は、私との約束通り毎月欠かさず手紙を送ってくれていました。
手紙には、ダイアン王子の学校での様子などが事細かに書かれていました。そして手紙の最後には、必ず私の体調を気遣う言葉が添えられていました。
「レミー、ダイアン王子の手紙には何て書いてあったの?」
「ダイアン王子、今フラン大国にいるそうです。」
ルビーさんとお茶をしていると、話題は自然とダイアン様のお話になりました。
「フラン大国‥大丈夫かしら?」
「ルビーさん、フラン大国で何か気になる事でも?」
「あそこって最近疫病が流行っているのよね。」
「‥‥そうなんですか、‥ダイアン王子は大丈夫かしら。」
「まぁ、きっと大丈夫よ。」
ルビーさんとそんな話をしてから、二ヶ月後の事です。毎月欠かさず届いていたダイアン王子からの手紙がついに途絶えてしまいました。
「はぁ‥‥。」
「‥レミーさん、図書室に来てため息つくのやめてくれないか。本を読まないなら、帰れば良いのに。」
「‥だって、ここが一番落ち着くんだもの。」
私は何故か今日もお城の図書室へ来てしまいました。そして、いつものように毒舌のマキシム様に話しかけられてます。
「‥‥聞きたくないけど、聞いてあげるよ。何があったの?」
「‥ダイアン王子からの手紙が最近送られてこないんです。」
「‥‥忙しいんじゃないの?」
「‥‥ダイアン王子の滞在してるフラン大国で疫病が流行ってるらしいんです。もしかして、ダイアン王子も疫病にかかってしまったのかもしれないんです。」
「‥万が一にだよ、疫病になったとしても向こうには大きな病院もあるし、何の心配もないだろうよ。まぁ、死ぬような事はないだろうね。」
「‥‥。」
「‥何?何かまだ心配事があるの?」
「‥いえ、ないです。‥読書の邪魔をしてしまってごめんなさい、マキシム様。」
「‥いや、別に。‥‥ここへ来たいなら、また来れば良いよ。」
「‥はい。」
私はモヤモヤした気持ちのまま、図書室をあとにしました。
そして、それから一ヶ月後の事です。
やっとダイアン王子から手紙が届きました。
ですが、その内容は‥‥
『レミー、長い間手紙をかけなくてごめんね。‥実はフラン大国で、疫病にかかって病院で入院していたんだ。あっ、心配はいらないよ。もう元気だから。‥‥だけど、その、言いにくいんだけど‥‥、そっちにはもう帰るつもりはないんだ。僕は学校もやめて、このフラン大国に残る事にした。‥だから、ごめんね。レミー、さようなら。』
「ええーっ!?」
ダイアン王子から届いた久しぶりの手紙は、まさかのお別れの手紙でした。
「何でこうなるの‥‥。」
こうして私の恋は、また迷走するのでした。
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