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7、ダイアン王子とレミー 2
しおりを挟む私がダイアン王子に対し、婚約辞退を申し出てからしばらく経った頃、12歳になったミカエル王子と11歳になったダイアン王子が他国の寄宿制の男子校へ入学しました。
一方、私とルビーさんは自宅で家庭教師を招いて勉強に励みつつも、お城で王妃教育を受けるハードな日々を過ごしていました。
気になる私の婚約辞退の件については、あれから一切何の音沙汰もありませんでした。
そして、3年の月日が経ち、私とルビーさんの13歳の成人のお祝いの会の日に、二人の王子が他国の学校を卒業し帰って来ました。
「やあ。ルビー、レミー、しばらく見ないうちにますます綺麗になったね。」
「そう言うミカエル様こそ、とっても素敵になられて‥。私、ドキドキしてしまいますわ。」
そう言って照れてるルビーさんを、ミカエル王子がどこかへと連れて行きました。ルビーさんの腰にまわされたミカエル王子の手が、何となくいやらしく感じてしまったのは‥‥私の勘ぐり過ぎ?
最近過激な内容の恋愛小説ばかりを読んでいたせいか、どうしても破廉恥な想像ばかりしてしまいます。
‥‥ところで、私の目の前にいるこのクールかつ俺様な雰囲気を醸し出した男性は誰でしょう?
私はとりあえず彼にペコリと小さく礼をし、その場を去ろうとしました。‥が、目の前の男性に腕を掴まれてしまいました。
「レミー、僕を忘れたか?」
そう言って、ニヤリと笑うセクシーな男性は‥‥青髪、黒目の‥まさか‥
「ダイアン王子ですか!?」
「ああ、お前の婚約者のな。」
そう言って、ダイアン王子は私の腰を強く引き寄せて顔を近づけてきました。
誰かの目と自分の目がこんなにも近付いたのは、はじめての経験でした。
「なっ、何ですか。」
「レミー、綺麗になったな。それに‥良いからだに育ったな。」
ダイアン王子はそう言うと、私の体から一旦離れてから、いやらしい目で私を爪先から頭上まで舐めるように見てきました。
私は真っ赤になって、思わず胸元を両手で隠してしまいました。
ダイアン王子は、私のその様子を終始楽しそうに眺めていました。
ダイアン王子は再び私を抱き寄せると、自然な動作で口付けをしてきました。
しかも、短い間に二回もです。
「ダイアン王子‥随分と変わられましたね。」
「‥昔の僕と比べて言ってる?」
「‥はい。別人かと思いました。」
「‥だとしたら、レミー、君のせいかな。」
「‥‥。」
「あの頃の僕は不器用だったから、気持ちをうまく伝えられなくて、君に振られてしまったけど‥‥。」
「‥‥振られる?」
「‥君は、僕の初恋の人なんだ。」
「‥だって、ダイアン王子は私の事を余り物だから婚約者になっても仕方ない‥と言ってたじゃないですか。」
「そんな言い方ではなかったと思うけど‥‥。うん、同じような言葉を言ったね。」
「あの頃の僕は馬鹿だったからね。‥‥でも、今の僕は違う。レミー、君を久しぶりに見て、また恋をしてしまったよ。
僕の初恋はかなわなかったけど、君との二度目の恋は、是非かなえたいと思う。」
そう言いながら、ダイアン王子はまた口付けをしてきました。長く熱い抱擁付きで。
この瞬間、私は不覚にもダイアン王子にときめいてしまいました。
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