初恋はかなわないけど‥

みるみる

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5、二人の王子の語らい

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お城の庭で、二人の王子は剣の稽古をしていました。今日は婚約者候補の女の子達が来ない日なので、二人は朝から剣や語学や歴史などやる事が盛り沢山なのです。

なのに‥二人の王子は、剣の稽古をしてくれてる騎士達の目を盗み、早速逃げ出してしまいました。

「ダイアン、ここなら見つからないぞ。」

「‥兄さん、僕仕方なく付き合って逃げてきたけど‥本当は剣の稽古やりたかったんだからね。」

二人の王子は、庭の端の生垣に身を隠していました。

「‥なんだよ、ダイアンっていつもそうだよな。俺ばっかり悪者にしてさぁ、‥嫌なら嫌って言えばいいのに。」

「‥だって、僕一人で稽古しててもつまらないから。兄さんと一緒が良いんだから、仕方ないよ。」

「‥お前さぁ、いつまでも俺のあとばっかり追いかけてていいのか?いい加減自分の意思を持てよ。」

「‥‥兄さんと一緒にいたいだけなのに。」

「またそんなこと言って‥‥。じゃあ将来俺が結婚したら、お前はどうするんだ?」

「‥そうしたら僕も諦めて結婚するよ。」

「へぇ~、どっちと?」

「‥どっちって‥何の事?」

「いつも一緒に遊んでただろ、ルビーとレミーだよ。」

「うん、ルビーとレミー、確かに一緒にいたね。で?」

「あの二人、俺たちの婚約者なんだぞ。」

「まじか‥。」

「俺はルビーと結婚するよ。俺たち相思相愛らしいからね。ルビーは元気で明るいし、一緒にいても楽しいんだ。だからルビーは、絶対にダイアンには渡さないよ。」

「じゃあ、僕は?」

「レミーがいるじゃないか。」

「レミーかぁ。‥‥彼女は真っ白でふわふわしてて少し苦手なんだ。‥何だか近くに行くと良い香りがするし、それにね、何かの拍子で僕の腕がレミーの胸に触れた時、レミーの胸が少し膨らんでいたんだ。‥それ以来レミーを見ると、何だか後ろめたいというか、気まずいというか‥‥。」

「ダイアン、それってレミーが気になるって事じゃないのか?」

「‥‥うーん、どうかなぁ。どちらかというと、嫌いかもしれない。‥だって、レミーを見てると、何だかムズムズするし、何だか凄く触りたくなるし‥。」

「ダイアンそれって、思いっきりレミーを女として意識してるって事じゃないの?」

「‥うーん‥。」

「じゃあ、レミーが知らない男とキスしてるのを想像してみて。‥どう思った?」

「うーん、凄くモヤモヤする。」

「アハハ、やっぱりレミーの事が気になってるって事だよ。もう認めちゃえよ。」

「‥‥うん、実は何となく気にはなってた。」

「じゃあ、今度からはお互い別行動な。俺はルビーと過ごすから、お前はレミーと過ごすんだ。」

「‥無理だよ!今まで散々無視してきたのに、今更‥‥。僕が話しかけても、レミーが無視するかもしれない。」

「‥お前、男らしくないなぁ。そんな事じゃ、レミーを他の男に取られちゃうぞ。ルビーが言うには、レミーは結構モテてるらしいからな。」

「‥‥分かったよ‥頑張ってみる。」

こうして二人の王子は秘密裏に、お互いの婚約者をルビーとレミー、どちらにするのかを決めたのでした。
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