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4、図書室で
しおりを挟む私は図書室で読書に夢中になりすぎていたようです。‥目の前で、かなり御立腹な様子のルビーさんが、両手を腰に当てて仁王立ちしています。
「ちょっと、レミー!また約束の時間忘れてたでしょ!‥ずっと待ってたのよ。」
「‥時計を見ると、約束の時間を10分も過ぎていました。」
「ルビーさん、ごめんなさい。時計を見てなかったです。」
「ええ、そうでしょうね。‥私の10分は高くつくわよ。」
「‥何でも言う事をききますから、許してくださいよ~。」
私がそう言うと、ルビーさんはニヤリと笑い、私の髪飾りを指差して言いました。
「‥‥なら、この髪飾りの事を詳しく教えて。」
「あっ、これの事ですか?‥王子様達や他の方にも内緒ですよ。」
私はルビーさんに念押しをしてから、髪飾りについて話しました。
「これは、初恋の方から頂いた誕生日プレゼントなんです。」
「あら、レミーったら隅におけないわね。そんな良い人がいたんだ。」
「あっ、別にお付き合いとか婚約とか、そういうのではないんです。‥私には王子様という婚約者がいる予定?だし。」
「‥ったく、王子達何やってんだか。このままだとレミーを他の男にとられちゃうかもしれないっていうのに‥‥。危機感がないと言うか‥何というか‥‥。」
「‥?」
「王子達は私の事を女と思ってないわよ。あなたの事を放って置いて、私を連れて行った先で何してると思う?」
「‥二人してルビー様をひたすら愛でてる?」
「‥そんなロマンチックな事してないわよぉ。‥三人でカエルを捕まえに行ったりしてるのよ。‥私が昔やんちゃだったからって‥ねぇ。嫌になっちゃう。」
「‥大変ですね。」
「‥あの二人、きっと私達の事を婚約者候補って分かってないのよ。ただの遊び相手にしか思ってないのよ。‥‥でね、ミカエル様ってば、私の手のひらに平気でカエルをのせて笑ってるの。‥またその笑顔が天使みたいに可愛いの!」
「‥ルビーさんはミカエル王子の事が好きなんですね。」
「そうなの!もう見た目がどストライクなの!‥なのに、私の事を女の子として見てくれていないのが残念だわ。
‥‥そう言えば、あなたの初恋の君は誰なのよ?」
「‥幼なじみの男の子なんです。ただ、私は婚約者のいる?身ですから、その男の子の名前は言えないんです。」
「‥ふーん、まっ、いずれ分かるでしょうね。」
ルビーさんはそう言って、私の背後に目をやりました。
「‥?」
「‥あなたの初恋の相手のジャックが来たわよ。」
私が背後を振り返ると、ジャックが立っていました。
三人で、軽く挨拶を交わした後、何故かそのまま三人でお話をする事になりました。
ルビーさんは私とジャックの関係について、出会いから今日までの事を事細かにきいてきました。
「分かったわ。あなた達の事は秘密にしておきます。‥と言っても、お二人は心が通い合っているとはいえ、単なる友人関係に過ぎませんから、別に問題はないのよ。‥‥でも、この事を知ったら、面白く思わない人が一人いるかもしれないわね。フフフ。」
私とジャックが小首を傾げてると、ルビーさんは何か企んでいるような小悪魔顔で微笑んでらっしゃいました。
ルビー様‥どうか私の事はくれぐれもそっとしておいて下さいよ‥‥。お願いですよ。‥私は心の中で、そう願っていました。
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