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夫と過ごす久しぶりの夜 2日目

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 私は夫の言う通り、その日は夜までゆったりと過ごす事にしました。

 そして…再び夫と行為を行う為の夜を迎えました。

 相変わらず夫は赤ワインを手にしています。赤ワインは…昨日の残りを持ってきたのか新品のものではありませんでした。

 ドキドキドキドキ…

 毒が入っているかもしれないワインを前に緊張して胸の鼓動の音が激しくなります。

 夫に聞かれてやしないかとヒヤヒヤしながら夫を部屋に迎え入れます。

 前夜と同様に2人でワインを楽しみ、眠ってしまうまえに…と早めにベッドへと向かいます。

 夫との行為は毎回お決まりのパターンでしたし、私は何も考えずにぼーっと夫のなすままに体を委ねていれば良かったのですが…

 この日は何故かちがいました。

 夫がいろんな行為を私に求めてきたのです。

 私はとりあえず夫のいいなりになり、やれと言われた事をやります。

 夫は夫で、いつもとは違う動きを見せました。

 どうして?何か企みがあるのかしら…

 それとも…これから殺してしまう女との行為を、殺す前に少しは楽しもうとでもしてるのかしら。

 私はそんなふうに思っていました…。

 ですが、いつもなら一回で終わる行為がこの日は3回も行われた事にさすがに疑念を感じてしまいました。

 これは…そんな単純なものではないのかもしれない。

 毒というか薬を仕込まれていたのは、私ではなく、夫の方かもしれなかったのです。催淫剤…のようなものでしょうか。

 夫も自分の体の変化に戸惑っているようでしたし…。

 いつも夫の淡々とした表情の顔しか見たことのなかった私は…夫の戸惑う顔や苦痛に歪んだ顔を見て少し興奮してしまいました。

 私にも催淫剤が仕込まれていたのかもしれません。

 怪しいのはあの赤ワイン。

 それに…皇太子に呼び出された小屋からついてきた騎士。

 私達はお互いに望んでもいない行為を何度も行い心身ともに疲れ果てて朝を迎える事になりました。

 そのせいでしょうか…。まだ女の子を産んでからそんなにたっていないにも関わらず私はまた妊娠してしまいました。

 十月十日を無事に過ごし、迎えた出産の日…産まれてきたのは元気な男の子でした。
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