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33、シャーロット様が危険?!
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翌日、本当はこちらから向かわないといけないところをヒッグス様がエマーソン家を訪れてくださった。
私はといえば、一夜にして突然伯爵家の婚約者になったことで、まだあまりうまく呑み込めていないのが現状。
いままで仲間だった屋敷の侍女たちが私に仕えてくれるのだ。急激な立場の変化に全く心が付いていかない。
ご主人様が用意してくださっていたドレスに着替え、お仕着せを棚の奥へとしまい込んだ。仕立て屋さんのいうことには、私が二十歳になるのに合わせて完成するよう大量に注文されていたそうだ。
いつものお仕着せでないドレスを着て、他の使用人にかしずかれる。
「どうしたんだ、エマちゃん。なんだか屋敷の雰囲気がおかしいけど」
するとヒッグス様に驚かれてしまった。どう説明したものかと考えあぐねていたら、ご主人様がさらりとおっしゃる。
「あぁ、そうだ。来月には僕とエマの盛大な婚約式を挙げますので、ヒッグスも出席してくださいね」
「け、結婚っ!」
ヒッグス様は大きな声を出したまま固まってしまわれた。私もまさか婚約式が来月だとは思わずに驚く。
「あ、あのぅ。本当に婚約式は来月なのですか? もしかして屋敷の皆さんでからかっておいででは……あぃたっ!」
背中をつねられ、隣に立つご主人様の顔を頬を膨らませて見上げる。ヒッグス様が慌てて言い返した。
「で、でもそんなの貴族院が許さないんじゃ。だってリチャード、お前は伯爵家を継ぐ一人息子じゃないか」
爵位を継ぐ貴族の結婚は、貴族院と教会の許可を得なければいけない。その問題はどうなるのだとハッとすると、ご主人様が再びあっさりとおっしゃった。
「大丈夫。もう必要な許可はそろっているから。バステア侯爵夫人とカーデシアン卿のおかげです。バステア侯爵は貴族院でも最高権力を持つ方で、カーデシアン卿は教会の枢機卿の弟ですからね」
そういえばご主人様は、彼らには特別な配慮をされていた。
(でもおかしくないですか? これって随分前から考えてないとできないことですよね)
ご主人様と私がこうなったのはこの数日前からのこと。
(まるで私が二十歳になるのを待っていたみたいです。だったらご主人様はいつからこのことを計画されていたのでしょうか)
そう考えると、ご主人様は随分前から私のことが好きだったみたいだ。
急に心臓がドキドキしてきた。そう考えると、外面のいいご主人様が素敵に見えてきてしまうから不思議なものだ。
ヒッグス様にお祝いの言葉をいただいて恐縮する。外面のいいご主人様は、先頭に立ってヒッグス様をもてなした。私ではできそうもないのでとても助かる。
「昨日、あれからリチャードに見つけてもらったって聞いて安心した。本当に心配したんだ。エマちゃんにあんなことをしてしまってすまない」
「あぁぁぁ! いいえ、大したことではありませんから! あのっ、どうしてリチャード様が私を探しにこられたのですか?」
そういえば色々と重なりすぎて忘れていたが、どうしてご主人様がタイミングよくあの公園に現れたのか不思議に思う。
「それは僕も気にかかる。突然手紙でエマちゃんは無事見つけたから心配するなと言われただけだ」
「ちょうど僕もヒッグスに用事があったのです。そうしたら屋敷から大慌てでヒッグスや使用人が出てきたのでそのうちの一人に尋ねたのですよ。運よく僕が君を見つけられて良かった」
(ヒッグス様に用事って……それってどう考えても私を迎えに来られたのですよね)
私はご主人様を横目でみると、ヒッグス様が納得したという顔をして笑顔をひきつらせた。
「そうか。それでエマちゃんがリチャードと結婚か。は、はは、寂しくなるな」
ヒッグス様には本当に申し訳ないことをしてしまった。少し悲しい顔をすると、ご主人様が私の腰を抱いて静かにおっしゃる。
「エマがお世話になった分は僕がきっちり払いますから請求してくださいね。食べたものや使ったものすべて。もちろんエマの着ていたドレスの分もお願いします」
ご主人様はあのドレスのことをかなり根に持っているようだ。あの素敵なピンクのドレスは、もうごみ箱の中に入れられてしまったというのに。
(これももしかして意地悪ではなくて嫉妬なのでしょうか……)
そう考えればつじつまが合う気がする。では今までの嫌がらせは好きな子をいじめる男の子の行動だったというのか。
(わ、わかりにくいですぅ! どうしてもっと素直になれないのでしょうか!)
そう思ったら、結婚という言葉が現実に見えてきてドキドキしてきた。
「シャーロットはハーブリット伯爵に結婚の断りを申し入れたようだ。幽霊の呪いがないと証明できなかったからとね。そのためにリチャードを連れて行ったのに、伯爵は大慌てだったよ」
「よほどシャーロット様が気にいられたようですね。女性関係でそれほど困ってはないはずですが」
ヒッグス様が顔を赤くして困ったような顔をする。
「お前も知っていたのか。まぁでも今はシャーロットだけだったはずだ。他の女性関係はすべて清算したと聞いている」
その話に驚く。まあ私が知っている社交界の情報はすべて貴族名鑑の情報。そんなことまでは書いてないのは当然だ。
(あんな顔をして実は女たらしだったのですね! ぷんぷん!)
「あ、ハーブリット伯爵様といえば、昨日の黒猫祭りの日にレストランでお見かけしましたね。その時は女性ではなく中年の男性といらしていたみたいですよ」
「えっ!」
ヒッグス様とご主人様、同時に驚かれて私の方がびっくりする。
「猫の祭りの日のレストランって、僕がエマちゃんと行った街のレストラン?! あんなところにハーブリット伯爵が来るわけがない。エマちゃん、見間違いじゃないのか?!」
そういわれればハーブリット伯爵様は王族とも御縁のある名門貴族。町の小さなレストランにしかも昼食を食べに行くなどあり得ない。
「そんなはずは、だってあの懐中時計も持っておられましたし……。奥の小部屋でお食事をされていたみたいですから、非公式な何かではないのでしょうか」
「エマ、連れの男性はどんな人だったか覚えていますか? どんな服装でどんな体つきだったのか」
「えっと、確かお若い方でした。二十代後半くらいでしょうか。服装は普通の市民のようでしたけれど……本当に特に何か目立つようなところもない方でした」
「まさかハーブリット伯爵、そんなに金に困ってたのか! 畜生!」
急に顔色を変えたヒッグス様にご主人様がいぶかし気に声をかけた。
「ヒッグス、あなた何を知っているのですか?」
「もう遅いかもしれないけど、とにかくシャーロット様の家に急ごう! 話は道中でする!」
ヒッグス様はすぐに席を立つと、玄関へと走っていく。
「はいっ!」
二人が玄関へと急いだので、私も勢いよく返事をするとお二方が揃って私を振り返った。
「へ? な、何でしょうか?」
「君はここで留守番していてくれっ!」「エマは着いてこないでください!」
ヒッグス様とご主人様に、同時に叫ばれて耳がキーンと痛くなる。
私はといえば、一夜にして突然伯爵家の婚約者になったことで、まだあまりうまく呑み込めていないのが現状。
いままで仲間だった屋敷の侍女たちが私に仕えてくれるのだ。急激な立場の変化に全く心が付いていかない。
ご主人様が用意してくださっていたドレスに着替え、お仕着せを棚の奥へとしまい込んだ。仕立て屋さんのいうことには、私が二十歳になるのに合わせて完成するよう大量に注文されていたそうだ。
いつものお仕着せでないドレスを着て、他の使用人にかしずかれる。
「どうしたんだ、エマちゃん。なんだか屋敷の雰囲気がおかしいけど」
するとヒッグス様に驚かれてしまった。どう説明したものかと考えあぐねていたら、ご主人様がさらりとおっしゃる。
「あぁ、そうだ。来月には僕とエマの盛大な婚約式を挙げますので、ヒッグスも出席してくださいね」
「け、結婚っ!」
ヒッグス様は大きな声を出したまま固まってしまわれた。私もまさか婚約式が来月だとは思わずに驚く。
「あ、あのぅ。本当に婚約式は来月なのですか? もしかして屋敷の皆さんでからかっておいででは……あぃたっ!」
背中をつねられ、隣に立つご主人様の顔を頬を膨らませて見上げる。ヒッグス様が慌てて言い返した。
「で、でもそんなの貴族院が許さないんじゃ。だってリチャード、お前は伯爵家を継ぐ一人息子じゃないか」
爵位を継ぐ貴族の結婚は、貴族院と教会の許可を得なければいけない。その問題はどうなるのだとハッとすると、ご主人様が再びあっさりとおっしゃった。
「大丈夫。もう必要な許可はそろっているから。バステア侯爵夫人とカーデシアン卿のおかげです。バステア侯爵は貴族院でも最高権力を持つ方で、カーデシアン卿は教会の枢機卿の弟ですからね」
そういえばご主人様は、彼らには特別な配慮をされていた。
(でもおかしくないですか? これって随分前から考えてないとできないことですよね)
ご主人様と私がこうなったのはこの数日前からのこと。
(まるで私が二十歳になるのを待っていたみたいです。だったらご主人様はいつからこのことを計画されていたのでしょうか)
そう考えると、ご主人様は随分前から私のことが好きだったみたいだ。
急に心臓がドキドキしてきた。そう考えると、外面のいいご主人様が素敵に見えてきてしまうから不思議なものだ。
ヒッグス様にお祝いの言葉をいただいて恐縮する。外面のいいご主人様は、先頭に立ってヒッグス様をもてなした。私ではできそうもないのでとても助かる。
「昨日、あれからリチャードに見つけてもらったって聞いて安心した。本当に心配したんだ。エマちゃんにあんなことをしてしまってすまない」
「あぁぁぁ! いいえ、大したことではありませんから! あのっ、どうしてリチャード様が私を探しにこられたのですか?」
そういえば色々と重なりすぎて忘れていたが、どうしてご主人様がタイミングよくあの公園に現れたのか不思議に思う。
「それは僕も気にかかる。突然手紙でエマちゃんは無事見つけたから心配するなと言われただけだ」
「ちょうど僕もヒッグスに用事があったのです。そうしたら屋敷から大慌てでヒッグスや使用人が出てきたのでそのうちの一人に尋ねたのですよ。運よく僕が君を見つけられて良かった」
(ヒッグス様に用事って……それってどう考えても私を迎えに来られたのですよね)
私はご主人様を横目でみると、ヒッグス様が納得したという顔をして笑顔をひきつらせた。
「そうか。それでエマちゃんがリチャードと結婚か。は、はは、寂しくなるな」
ヒッグス様には本当に申し訳ないことをしてしまった。少し悲しい顔をすると、ご主人様が私の腰を抱いて静かにおっしゃる。
「エマがお世話になった分は僕がきっちり払いますから請求してくださいね。食べたものや使ったものすべて。もちろんエマの着ていたドレスの分もお願いします」
ご主人様はあのドレスのことをかなり根に持っているようだ。あの素敵なピンクのドレスは、もうごみ箱の中に入れられてしまったというのに。
(これももしかして意地悪ではなくて嫉妬なのでしょうか……)
そう考えればつじつまが合う気がする。では今までの嫌がらせは好きな子をいじめる男の子の行動だったというのか。
(わ、わかりにくいですぅ! どうしてもっと素直になれないのでしょうか!)
そう思ったら、結婚という言葉が現実に見えてきてドキドキしてきた。
「シャーロットはハーブリット伯爵に結婚の断りを申し入れたようだ。幽霊の呪いがないと証明できなかったからとね。そのためにリチャードを連れて行ったのに、伯爵は大慌てだったよ」
「よほどシャーロット様が気にいられたようですね。女性関係でそれほど困ってはないはずですが」
ヒッグス様が顔を赤くして困ったような顔をする。
「お前も知っていたのか。まぁでも今はシャーロットだけだったはずだ。他の女性関係はすべて清算したと聞いている」
その話に驚く。まあ私が知っている社交界の情報はすべて貴族名鑑の情報。そんなことまでは書いてないのは当然だ。
(あんな顔をして実は女たらしだったのですね! ぷんぷん!)
「あ、ハーブリット伯爵様といえば、昨日の黒猫祭りの日にレストランでお見かけしましたね。その時は女性ではなく中年の男性といらしていたみたいですよ」
「えっ!」
ヒッグス様とご主人様、同時に驚かれて私の方がびっくりする。
「猫の祭りの日のレストランって、僕がエマちゃんと行った街のレストラン?! あんなところにハーブリット伯爵が来るわけがない。エマちゃん、見間違いじゃないのか?!」
そういわれればハーブリット伯爵様は王族とも御縁のある名門貴族。町の小さなレストランにしかも昼食を食べに行くなどあり得ない。
「そんなはずは、だってあの懐中時計も持っておられましたし……。奥の小部屋でお食事をされていたみたいですから、非公式な何かではないのでしょうか」
「エマ、連れの男性はどんな人だったか覚えていますか? どんな服装でどんな体つきだったのか」
「えっと、確かお若い方でした。二十代後半くらいでしょうか。服装は普通の市民のようでしたけれど……本当に特に何か目立つようなところもない方でした」
「まさかハーブリット伯爵、そんなに金に困ってたのか! 畜生!」
急に顔色を変えたヒッグス様にご主人様がいぶかし気に声をかけた。
「ヒッグス、あなた何を知っているのですか?」
「もう遅いかもしれないけど、とにかくシャーロット様の家に急ごう! 話は道中でする!」
ヒッグス様はすぐに席を立つと、玄関へと走っていく。
「はいっ!」
二人が玄関へと急いだので、私も勢いよく返事をするとお二方が揃って私を振り返った。
「へ? な、何でしょうか?」
「君はここで留守番していてくれっ!」「エマは着いてこないでください!」
ヒッグス様とご主人様に、同時に叫ばれて耳がキーンと痛くなる。
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