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アルフリードとユーリス
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サクラが王城で倒れて、危険な状態らしい。アルフリード王子に突然呼ばれたアイシスは、すぐに転移魔法で王城に向かった。私は馬車から馬を一頭外し、一人で王城に向かう。馬車で行くより数倍早いからだ。
王城に着いた時にはもうサクラの容態は危機を脱して安定しているようだった。サクラの寝室に行って寝顔を見て安心する。傍に駆け寄りその頬に触れるとまだ熱が残っているようで、普段よりも温かかった。何度も彼女の頬を撫でていると、背後に立っているアルフリード王子が神妙な面持ちで私に言った。
「ユーリス、話がある。ちょっと場所を変えないか」
私には何の話かすぐに予想が付いた。この時ばかりは勘のいい自分に腹が立つ。私がいま一番聞きたくない言葉だ。
私はサクラの頬を撫でつける手を止めないままに、背後のアルフリード王子の方を見もせずいった。
「そうなんですね。サクラが想いを告げましたか・・・」
背後で息を呑む気配がする。私がサクラの気持ちに気がついていることを、知らなかったのか・・・。
「わかっていました。彼女が王城を出て行ったと聞いた時から、覚悟はしていました・・・」
私はできるだけ震える声を抑えながら、サクラの顔を見ていう。
彼女は無垢な子供のような寝顔で小さく寝息をたてていた。
「すまない・・・」
背後からアルフリード王子の言葉が聞こえる。私はその時自分が涙を流している事に、サクラの顔がぼやけていく事で初めて気がついた。
「・・・・申し訳ありませんがこのまま、二人きりでいさせて頂けませんか?」
そう言葉を絞り出すだけで精一杯だった。しばらくして王子はそのまま何も言わずに部屋から人払いをすると、自らも音を立てずに部屋を出て行った。
私はそれから何度も何度も彼女の頬を撫でた。
これが最後なのだと自分に言い聞かせながら・・・・。
王城に着いた時にはもうサクラの容態は危機を脱して安定しているようだった。サクラの寝室に行って寝顔を見て安心する。傍に駆け寄りその頬に触れるとまだ熱が残っているようで、普段よりも温かかった。何度も彼女の頬を撫でていると、背後に立っているアルフリード王子が神妙な面持ちで私に言った。
「ユーリス、話がある。ちょっと場所を変えないか」
私には何の話かすぐに予想が付いた。この時ばかりは勘のいい自分に腹が立つ。私がいま一番聞きたくない言葉だ。
私はサクラの頬を撫でつける手を止めないままに、背後のアルフリード王子の方を見もせずいった。
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そう言葉を絞り出すだけで精一杯だった。しばらくして王子はそのまま何も言わずに部屋から人払いをすると、自らも音を立てずに部屋を出て行った。
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