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第7話 再会そして……
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その人物は突然現れた。中学の時から片思いをして、今でも好きな初恋相手――岩崎朱実。
伊織とのデートの帰りに立ち寄ったコンビニで偶然再会した岩崎さんに声を掛けられた。
「坂柳君! 久しぶりだね」
「お、うん。久しぶり」
ヤバイ! 心臓がバクバクする。それに変な汗もかいてるし――もしかして緊張してるのか?
高校に入って彼女も出来て、いろんな子と関係を持った。もう昔みたいに女子の前で緊張しなくなったと思ってたのに……。
「坂柳君、結構変わったね」
「ま、まぁね。岩崎さんもスゲー可愛いよ」
「えー? ホントかな~」
「マジマジ! 大人っぽくなったっていうか、凄く可愛いと思う」
「ふふ、ありがとう。坂柳君も格好良いよ」
「あ、ありがとう」
(やばいやばい! 岩崎さんにカッコイイって言われた! 嬉しい)
「それじゃ私はそろそろ行くね」
(折角再開出来たのに何も出来ずに終わっちゃう! 何か、何かしないと!)
「ま、待って!」
「ん、どうしたの?」
「折角だから連絡先交換しない?」
(言った……言ったぞ! 中学の時何度も挑戦しようとして諦てた事を! 頼む、断らないでくれ!)
「そうだね。はい、これが私のID」
「ありがとう。登録したよ」
「うん、私もオッケー。何かあったら連絡してね」
「うん!」
連絡先を交換して岩崎さんは帰っていった。俺はその後姿を呆然と見送る。
中学一年の時に一目惚れして以来ずっと好きだった。その思いは今でも変わらず、俺は岩崎さんが心の底から好きなんだと改めて実感した。
それからの毎日は何かと理由をつけて岩崎さんにメッセージを送り、他愛もない話をした。だけどそんな他愛もないやり取りでさえ俺には楽しくて仕方なかった。
ある日、俺は思い切って二人で会おうと提案した。別にデートとかではなく、ただ単純に岩崎さんに会いたかった。
岩崎さんからの返事は「じゃあ明日駅前の喫茶店でどうかな?」というもので、拒否されなかった事に安堵した。
(こんな事に一喜一憂するなんて思いもしなかったな)
待ち合わせ当日、万が一遅刻したらマズイと三十分前に喫茶店に入った。というのは建前で、早く岩崎さんに会いたかったからだ。
店内に入ると既に岩崎さんが居たので焦って注文を済ませて岩崎さんの元まで行く。
「ごめん、早く来たつもりだったけど待たせちゃった?」
「ううん、全然大丈夫。来るのが早いからビックリしたよ」
「それは……実は会うのが楽しみで早く来ちゃった」
(思わず言っちゃったけどきもい奴だと思われないだろうか?)
「ふふ、そうなんだ。実は私も楽しみで早く来ちゃった」
と微笑みながら言う岩崎さんを見て、俺の心拍数が跳ね上がる。
(え? どういう意味? 楽しみってどういう意味?)
心を無理矢理落ち着かせて席に着く。それからは普段と変わらず他愛もない話題で盛り上がった。
昔みたいに緊張して話せないなんて事も無く、順調に岩崎さんとの距離が縮まっているのを実感していると、席を通りかかった女子から声を掛けられた。
声の主の方を向くと、そこには伊織が立っていた。
「聖人くん、何してるの?」
「中学の時の同級生で岩崎さんっていうんだ」
「そんな事聞いてない。その岩崎さんと何をしてるの?」
(やばいやばい! 折角良い雰囲気だったのにどうしてこうなるんだ!)
「はじめまして、聖人くんの彼女の端中伊織っていいます」
「どうも、岩崎朱実です。坂柳君、彼女居たんだね」
「え、あ、うん……」
「じゃあ私はそろそろ帰るね。バイバイ」
そう言って岩崎さんは店から出ていった。最後の『バイバイ』が永遠の別れの挨拶の様に感じる。いや、実際そのつもりで言ったんだろう。
伊織とのデートの帰りに立ち寄ったコンビニで偶然再会した岩崎さんに声を掛けられた。
「坂柳君! 久しぶりだね」
「お、うん。久しぶり」
ヤバイ! 心臓がバクバクする。それに変な汗もかいてるし――もしかして緊張してるのか?
高校に入って彼女も出来て、いろんな子と関係を持った。もう昔みたいに女子の前で緊張しなくなったと思ってたのに……。
「坂柳君、結構変わったね」
「ま、まぁね。岩崎さんもスゲー可愛いよ」
「えー? ホントかな~」
「マジマジ! 大人っぽくなったっていうか、凄く可愛いと思う」
「ふふ、ありがとう。坂柳君も格好良いよ」
「あ、ありがとう」
(やばいやばい! 岩崎さんにカッコイイって言われた! 嬉しい)
「それじゃ私はそろそろ行くね」
(折角再開出来たのに何も出来ずに終わっちゃう! 何か、何かしないと!)
「ま、待って!」
「ん、どうしたの?」
「折角だから連絡先交換しない?」
(言った……言ったぞ! 中学の時何度も挑戦しようとして諦てた事を! 頼む、断らないでくれ!)
「そうだね。はい、これが私のID」
「ありがとう。登録したよ」
「うん、私もオッケー。何かあったら連絡してね」
「うん!」
連絡先を交換して岩崎さんは帰っていった。俺はその後姿を呆然と見送る。
中学一年の時に一目惚れして以来ずっと好きだった。その思いは今でも変わらず、俺は岩崎さんが心の底から好きなんだと改めて実感した。
それからの毎日は何かと理由をつけて岩崎さんにメッセージを送り、他愛もない話をした。だけどそんな他愛もないやり取りでさえ俺には楽しくて仕方なかった。
ある日、俺は思い切って二人で会おうと提案した。別にデートとかではなく、ただ単純に岩崎さんに会いたかった。
岩崎さんからの返事は「じゃあ明日駅前の喫茶店でどうかな?」というもので、拒否されなかった事に安堵した。
(こんな事に一喜一憂するなんて思いもしなかったな)
待ち合わせ当日、万が一遅刻したらマズイと三十分前に喫茶店に入った。というのは建前で、早く岩崎さんに会いたかったからだ。
店内に入ると既に岩崎さんが居たので焦って注文を済ませて岩崎さんの元まで行く。
「ごめん、早く来たつもりだったけど待たせちゃった?」
「ううん、全然大丈夫。来るのが早いからビックリしたよ」
「それは……実は会うのが楽しみで早く来ちゃった」
(思わず言っちゃったけどきもい奴だと思われないだろうか?)
「ふふ、そうなんだ。実は私も楽しみで早く来ちゃった」
と微笑みながら言う岩崎さんを見て、俺の心拍数が跳ね上がる。
(え? どういう意味? 楽しみってどういう意味?)
心を無理矢理落ち着かせて席に着く。それからは普段と変わらず他愛もない話題で盛り上がった。
昔みたいに緊張して話せないなんて事も無く、順調に岩崎さんとの距離が縮まっているのを実感していると、席を通りかかった女子から声を掛けられた。
声の主の方を向くと、そこには伊織が立っていた。
「聖人くん、何してるの?」
「中学の時の同級生で岩崎さんっていうんだ」
「そんな事聞いてない。その岩崎さんと何をしてるの?」
(やばいやばい! 折角良い雰囲気だったのにどうしてこうなるんだ!)
「はじめまして、聖人くんの彼女の端中伊織っていいます」
「どうも、岩崎朱実です。坂柳君、彼女居たんだね」
「え、あ、うん……」
「じゃあ私はそろそろ帰るね。バイバイ」
そう言って岩崎さんは店から出ていった。最後の『バイバイ』が永遠の別れの挨拶の様に感じる。いや、実際そのつもりで言ったんだろう。
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