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第四章~代償と恋路~
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潤んだ瞳で見つめられ俺は動けなくなる。
楓の顔が少しづつ近づいて、吐息が掛かるまで近づいた時
「何かあったのか?」
俺の言葉に楓が止まる。
俺はそっと楓を離す。
すると楓が
「それ……こっちのセリフ」
「どうして?」
俺の問いかけに楓は泣きそうな顔で
「さっきお腹触った時、痛そうな顔したから私の知らない所で何かされたのかなって」
しまった。我慢したつもりだったけど顔に出てたのか。
「何も無いって。昨日風呂場で滑って転んだんだよ」
と言った瞬間、楓は俺の服に手を掛け、強引に脱がそうとする。
「な、何やってんだよ」
「何でもないんだったら見られても平気でしょ」
そう言いながら服を無理やり引っ張られる。
まるで小さい子の服を脱がす様な感じで服が捲り上がる。
そして露わになる身体。無数の痣がそこにはあった。
その身体を見て楓が
「なに……これ……」
驚きで震えながら身体を見ている。
そして堰を切った様に質問してくる。
「どうしたのこれ? どうすればこんな事になるの? 誰にやられたの? ねぇ?」
「お、落ち着けって」
「落ち着いてなんていられないよ! どうして! ねぇ、どうして!」
「いや、これは……」
「どうして何も言ってくれなかったの!」
最後にそう言い、泣き崩れる。
楓を心配させない為に黙ってたのが完全に裏目に出た。
俺は楓を落ち着かせる為に優しく語り掛ける。
「楓、聞いてくれ」
「……グス、ヒック」
「前に言っただろ? こうなる事は覚悟してるって」
「でも……ヒック、こんな事されるなんて……グスッ」
「犯人の顔は覚えてる。いつか復習してやるさ」
最初は不特定多数と思っていたが、俺にちょっかい出してきてるのは三人だけだった。
そいつらの事を調べると、同じ学年の奴等で、過去に楓にフラれている事もわかった。
「いざとなったら情けないけど中居達に助けを求めるさ」
「情けなくなんかない! こんなになるまで弱音一つ吐かないんだもん!」
「楓にそう言って貰えると勇気が出るよ」
「友也君は強すぎるよ……、どうしてそんなに強くいられるの?」
どうして……か。
俺はそっと楓を抱き寄せて
「楓が居るからかな。一人だったら折れてたかもしれない」
「でも私の所為でヒドイ事されてるんだよ?」
「それ以上に楓の事が好きだからな」
少し強く抱きしめて
「でも、少し疲れたかもしれない」
俺の言葉に楓はバッと俺の顔を見る。
「それって……」
再び瞳に涙が溜まっていく。
「だから今日は楓に甘えてもいいかな?」
俺の言葉を受け、キョトンとしている。
「辛くなったらいっぱい甘えるから覚悟しとけっていっただろ?」
そう言うと、思い出したのか「あ!」と声を挙げた。
そして今度は楓が俺を強く抱きしめる。
「うん、いっぱい甘えて。して欲しい事あったら言ってね」
「ああ」
お互いがお互いを強く抱きしめ合う。
楓の匂いや温もりが俺を包む。
そしてどちらからともなく唇を重ねる。
楓の唇は柔らかく、涙の所為だろうか、少ししょっぱかった。
俺は今、楓に膝枕されながら頭を撫でられている。
太ももの感触が伝わり、あまり落ち着かない。
楓は自分の子供をあやすかのように慈愛に満ちた表情をしている。
そして少しづつ語り出す。
「昨日の佳奈子達を見て、無性に友也君が恋しくなったの」
「俺も同じだよ」
「今日家に呼んだのはね、理由は色々あるんだけど……」
「うん」
「えっと、友也君と一つになれたらって……」
やっぱりですか!?
っていうかこの状態でそんな事言わないで! 緊張してきた。
「そしたら友也君の今の現状知っちゃって……」
そういってまた悲しそうな表情をする。
俺は起き上がり楓の瞳を見つめる。
そして今度は俺からキスをする。
「これだけ甘えさせて貰ったし、俺はもう大丈夫だから」
「うん……」
「それに今はこれが精一杯かな。その、一つになるとかはもうちょっと待ってて欲しい」
「それ、女の子のセリフだよ」
「はは、確かに」
「わかった、待ってるから」
「ありがとう」
それからまた甘えさせて貰った。
今日の出来事を思い返しながら帰路に着き、終始ニヤニヤが治まらなかった。
家でも何とか抑えようとしたがどうしてもニヤついてしまう為すぐに部屋に引きこもる。
「俺に勇気があればあのままシちゃってたんだよなぁ」
と独り言ちているとスマホの通知音が鳴る。
楓からかな? と思い画面を見ると
〈今から部屋に来て〉
と柚希からの呼び出しだった。
いつもならもっと遅い時間なのにと思いながら柚希の部屋へ行く。
ドアをノックすると直ぐに柚希が扉を開けて俺を強引に引っ張り部屋の中へ入れると
「お兄ちゃんにはこれから二股掛けて貰います!」
と、いきなり言ってきた。
どこか怒っている感じがするが
「何いってんだ? そんな事出来る訳ないだろ」
と反論すると
「あっそ、好きにすれば? ただめぐがどうなっても知らないから」
と感情の消えた目で言い放った。
楓の顔が少しづつ近づいて、吐息が掛かるまで近づいた時
「何かあったのか?」
俺の言葉に楓が止まる。
俺はそっと楓を離す。
すると楓が
「それ……こっちのセリフ」
「どうして?」
俺の問いかけに楓は泣きそうな顔で
「さっきお腹触った時、痛そうな顔したから私の知らない所で何かされたのかなって」
しまった。我慢したつもりだったけど顔に出てたのか。
「何も無いって。昨日風呂場で滑って転んだんだよ」
と言った瞬間、楓は俺の服に手を掛け、強引に脱がそうとする。
「な、何やってんだよ」
「何でもないんだったら見られても平気でしょ」
そう言いながら服を無理やり引っ張られる。
まるで小さい子の服を脱がす様な感じで服が捲り上がる。
そして露わになる身体。無数の痣がそこにはあった。
その身体を見て楓が
「なに……これ……」
驚きで震えながら身体を見ている。
そして堰を切った様に質問してくる。
「どうしたのこれ? どうすればこんな事になるの? 誰にやられたの? ねぇ?」
「お、落ち着けって」
「落ち着いてなんていられないよ! どうして! ねぇ、どうして!」
「いや、これは……」
「どうして何も言ってくれなかったの!」
最後にそう言い、泣き崩れる。
楓を心配させない為に黙ってたのが完全に裏目に出た。
俺は楓を落ち着かせる為に優しく語り掛ける。
「楓、聞いてくれ」
「……グス、ヒック」
「前に言っただろ? こうなる事は覚悟してるって」
「でも……ヒック、こんな事されるなんて……グスッ」
「犯人の顔は覚えてる。いつか復習してやるさ」
最初は不特定多数と思っていたが、俺にちょっかい出してきてるのは三人だけだった。
そいつらの事を調べると、同じ学年の奴等で、過去に楓にフラれている事もわかった。
「いざとなったら情けないけど中居達に助けを求めるさ」
「情けなくなんかない! こんなになるまで弱音一つ吐かないんだもん!」
「楓にそう言って貰えると勇気が出るよ」
「友也君は強すぎるよ……、どうしてそんなに強くいられるの?」
どうして……か。
俺はそっと楓を抱き寄せて
「楓が居るからかな。一人だったら折れてたかもしれない」
「でも私の所為でヒドイ事されてるんだよ?」
「それ以上に楓の事が好きだからな」
少し強く抱きしめて
「でも、少し疲れたかもしれない」
俺の言葉に楓はバッと俺の顔を見る。
「それって……」
再び瞳に涙が溜まっていく。
「だから今日は楓に甘えてもいいかな?」
俺の言葉を受け、キョトンとしている。
「辛くなったらいっぱい甘えるから覚悟しとけっていっただろ?」
そう言うと、思い出したのか「あ!」と声を挙げた。
そして今度は楓が俺を強く抱きしめる。
「うん、いっぱい甘えて。して欲しい事あったら言ってね」
「ああ」
お互いがお互いを強く抱きしめ合う。
楓の匂いや温もりが俺を包む。
そしてどちらからともなく唇を重ねる。
楓の唇は柔らかく、涙の所為だろうか、少ししょっぱかった。
俺は今、楓に膝枕されながら頭を撫でられている。
太ももの感触が伝わり、あまり落ち着かない。
楓は自分の子供をあやすかのように慈愛に満ちた表情をしている。
そして少しづつ語り出す。
「昨日の佳奈子達を見て、無性に友也君が恋しくなったの」
「俺も同じだよ」
「今日家に呼んだのはね、理由は色々あるんだけど……」
「うん」
「えっと、友也君と一つになれたらって……」
やっぱりですか!?
っていうかこの状態でそんな事言わないで! 緊張してきた。
「そしたら友也君の今の現状知っちゃって……」
そういってまた悲しそうな表情をする。
俺は起き上がり楓の瞳を見つめる。
そして今度は俺からキスをする。
「これだけ甘えさせて貰ったし、俺はもう大丈夫だから」
「うん……」
「それに今はこれが精一杯かな。その、一つになるとかはもうちょっと待ってて欲しい」
「それ、女の子のセリフだよ」
「はは、確かに」
「わかった、待ってるから」
「ありがとう」
それからまた甘えさせて貰った。
今日の出来事を思い返しながら帰路に着き、終始ニヤニヤが治まらなかった。
家でも何とか抑えようとしたがどうしてもニヤついてしまう為すぐに部屋に引きこもる。
「俺に勇気があればあのままシちゃってたんだよなぁ」
と独り言ちているとスマホの通知音が鳴る。
楓からかな? と思い画面を見ると
〈今から部屋に来て〉
と柚希からの呼び出しだった。
いつもならもっと遅い時間なのにと思いながら柚希の部屋へ行く。
ドアをノックすると直ぐに柚希が扉を開けて俺を強引に引っ張り部屋の中へ入れると
「お兄ちゃんにはこれから二股掛けて貰います!」
と、いきなり言ってきた。
どこか怒っている感じがするが
「何いってんだ? そんな事出来る訳ないだろ」
と反論すると
「あっそ、好きにすれば? ただめぐがどうなっても知らないから」
と感情の消えた目で言い放った。
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