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夢の始まり

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父に連れられ、観ていたライブ。

華やかな衣装を身にまとい、美しく舞うアイドル。

一目見た瞬間、彼女は心を奪われた。

自分もアイドルになりたい!

純粋に彼女は、アイドルになることを夢みた。

ライブ会場からの帰り道、コンビニに立ち寄り、父におねだりして、一冊のアイドル雑誌を買ってもらった。

家に帰り、わくわくしながら雑誌を見る。

華やかなアイドルたちの姿が、たくさんあった。

彼女は夢中で雑誌を見る。こんな子になりたい。
こんな衣装着てみたい。

彼女の夢はどんどん膨らんだ。

まだ未成年の彼女は、学校に通う。

気の合う、お友達と、今をトキメクアイドルたちの話しをして、盛り上がったりした。

アイドルになりたいと思っているだけじゃ、アイドルになんて、なれない。

ある日、彼女は、母に自分の思いを打ち明けた。

真剣に訴える彼女

母は本気でアイドルになりたいと言う娘に、現実の厳しさを教える。

だが彼女は絶対に折れなかった。

根負けした母は、協力する事を約束した。

彼女は、まず、どうしたらアイドルになれるか調べた。

そして、オーディションがあることを知った。

母に話し、応募してもらい、
オーディションを受けることになった。

オーディションには課題がある。

できない自分に腹を立てたりしながら、無我夢中で練習した。

オーディション当日、彼女は、朝から緊張していた。

会場に着くと、同い年くらいの志望者が、たくさんいる。
彼女は怖じける気持ちを振り切り、オーディションに挑む。

審査員の目も怖い、鋭い質問もとんでくる。

緊張のあまり、自分でも、なにを言っているのか、わからなくなったが、一生懸命がんばった。

結果は不合格
彼女は部屋で泣いていた。
夕飯になっても食卓にこない娘を心配して、母は部屋へ行く。

泣いてる娘を母は、おもいっきり、叱りとばす。
「受かるまで、受ければ良い。」
そう言って母は部屋からでていった。

それから彼女は、毎日、自己練習をする。
アイドルのDVDを見て自分も歌って踊る。

そうして過ごしていたある日、またオーディションがあることを彼女は知った。

次は必ず受かる!そう彼女は決意してオーディションに挑んだ。

数日後、一通の手紙が届く。
オーディションを受けた会社からだった。
ドキドキしながら彼女は手紙を見る。

合格した。
彼女らしくない大声で、喜ぶ声が部屋に響いた。
 
後日
母と一緒に会社へ行き、契約書を書く。
緊張と嬉しさで震える手を抑えながら書いた。

彼女に待っていたのは、学校と練習の日々。
友達と遊ぶことをせず、ひたすらに練習した。

レッスンを施してくれる先生は厳しかった。

後に厳しい先生で、世間に知れ渡る、鬼怒まりこだった。

他のアイドルの玉子もいるなかで、鬼怒は、彼女を特に厳しくする。

それは、他の子より、純粋で真剣な彼女を、見抜いての事だった。

彼女は毎日、罵声のような怒号まじりの声を浴びせられながら、必死に食らい付いていった。

そんな日々を過ごしていた時、彼女に嬉しい知らせがきた。

ついにデビューする事が決まった。

彼女は喜ぶ。ついに自分もアイドルの仲間入り。

そう思うと胸が熱くなり、嬉しい悲鳴をあげたくなった。

新人アイドルになった彼女に待ち受けていたのは、なかなか売れない厳しい現実だった。
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