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カナ様のお楽しみ

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それから数日後…。

やっぱり、ぼろアパートでくつろぐ愛にカナ様は決めつけて言う。


「ゆく。」


愛は、またか?と…、ちゃっちゃか着せられ、ぱっぱか連れだされ、うんもすんも言えず、あっというまに着いちゃった。


「となり街の駅…前…。」


愛は、まさか?と思った。カナ様を見る。

カナ様は案の定指を指す。


ハッピーバーガー…。

次はここでなにをする気だと思う愛。

恐怖で足がすくむ愛を、カナ様は早く入れ!と背中を足で押す。

ご入店の愛とカナ様。

(相変わらず女の子多いなぁ~。)

やっぱり聞こえる、ひそひそ声。

(いやだぁ。黒マントよん。)

ひきつる店員さんの笑顔。

(その格好で…。)

愛は、なにしにきたんだろ?はぁ~。とため息。

その時、悪口三人衆も店に来た。

「それでさー…。」

「まじ?きも」

「うける。わは。ん?」

愛とカナ様を見つけ、声をかけてきた。

「あれ?愛さん。」

「うわぁ、またお会いしましたね。」

「今日もお仕事ですか?」

「スタッフさんこんにちは。」

愛は、そうなの~とごまかす。

ひなたは愛を誘った。

「もしよかったら一緒に食べません?」

スタッフカナ様は、おっしゃる。


「よいぞ。」

愛は、え?まじ?と思う。

喜ぶ悪口三人衆。

頼んだポテトやジュースを持って、長椅子のある大きめの所へみんなで座る。

「ちょっとせまいねー。」

「大丈夫。私細いもん。」

「どこがだよ。わは。」

きゃぴきゃぴいろんな話しをする女の子?たち。

カナ様はしゃべらないので愛が、適当に話しを合わせる。

盛り上がっている所で、カナ様が魔道冷蔵庫から、こそっとみやげ寿司を膝のところで召還した。

カナ様は、ドンとみやげ寿司をテーブルにおく。

風呂敷を開き魚三と書いてあるふたを開ける。

それを見た愛。

(それは?みやげ寿司。なんで今ここで食べるかな?よくわからんな、ほんと。)

はるか、ひなたは、お寿司?変わったスタッフさんだなと思った。

えみこが反応した。

(そっ、そのふたに書かれているのは、魚三!なぜ、スタッフさんが高級寿司を?すごい、すごいネタのオンパレード!うわー。)

カナ様は、どれにしようか悩むふりをする。

えみこは考える。

(スタッフさんが、ここで?嫌違う、皆さんでよろしければだ!やったぁ。さぁスタッフさん早く。)

カナ様は、一貫お口に放り込む。

えみこは、よだれをふく。

(そそそ、そうだよ。わかるよーうんわかる。自分が食べたいやつをせめて食べてからだよね?わかるよ。さぁ、スタッフさん。皆さんでと。)

カナ様はどんどん食べる。

えみこは涙目になる。

(まだ?ですか?魚三の寿司が目の前にあるのに食べれないはあまりにも、あまりにもー。ひどい、ひどすぎる。これではもう私は、ふぁ…。)

カナ様は、ごちそうさまでした。

えみこは無気力になる。

(食べて…しまった…ぜ…んぶ。)

えみこは灰になった。

引く3人。

なにも喋らなくなったえみこをとりあえず無視しておいて、はるかが愛に聞く。

「ねぇ?愛さん、かずくんと共演したことある?」

愛は、教えてあげる。

「あ、あぁ?かずくんね。あの人ゲイだよぉ。」

はるかは怒る。

「そんなわけないじゃない!カッコいいかずくんが。愛さん。ちょっとひどいよ。」

カナ様は、魔道カメラで隠し撮りした写真をはるかに渡す。

はるかは、なによ?と写真を見る。

(これは?かずくん?男性と腕組んでホテル?嘘よ私、かずくんと結婚したかったのに。かずくん…。はは、はひ。)

はるかは、灰になった。

愛とひなたは、引いていた。

なんとか、この場を盛り上げようと、ひなたが愛に話しかける。

「あっ、愛さんは彼氏いないの?」

愛は答える。

「いっ、いないよ。興味ないし…。」

ひなたは言う。

「彼氏いると楽しいよ。愛さんも作っちゃえば?」

カナ様は魔道ハンディカムを再生してひなたに渡す。


ピッ。


ひなたは、なによ?と言いハンディカムの再生動画を見る。

(はぁぁー。な、なにやってるの?よしつき…。)

再生動画は音声もでる。

「ちょ…やめ…あ…ん…あぁ…」

え?ちょちょ、ちょっとやめて!と焦る愛。

ひなたはショックを受けた。

(よしつき…最低…。)

ひなたは、灰になった。

ピクリとも動かない、悪口三人衆。

「…あ!もう仕事いかなきゃ~あは…。」

愛は、その場からそそくさ逃げた。

カナ様は、すべて回収して、愛のあとを追った。

「良い見せ物だったわ。」


少し店から離れたところまで来た愛。

「そういうことだったのか。はぁ。」

カナ様が来る。

愛はカナ様に言った。

「こんなことするためにいろいろともぉー。」

カナ様は、おっしゃる。

「我は苦しむものを望む」

愛は陰湿すぎるわ!とカナ様に言ってやった。

    
カナ様と愛は、ぼろアパートへ帰った。



ある日の事


あ~今日は、お休み。なに買いに行こうかな?と朝起きて考えてた、愛。


カナ様は言う。


「遊園地」


愛は、なにをまた言うのよこいつはと思ったが、小さい頃連れていってもらった記憶が、よみがえる。

今は、女だし別にはしゃいでも大丈夫かな?と思った。

「良いですよ、いきますか?」



そう言って、カナ様と愛は、タクシーで、遊園地へ向かった。


「懐かしいなぁ。」

小さい頃に連れていってもらった遊園地では、ないが、愛はワクワクした。


入場券とフリーパスを買い、園内に入る。

ジェットコースターや、観覧車など、いろんな乗り物に乗って遊ぶカナ様と愛。

「楽しい。」

「…。」

「早いぃー。キャー。」

「…。」

「う、すごく高い、でも良い眺めだなぁ。」

「…。」


「…。」


おまえ楽しんでるか?とカナ様に聞く愛。

カナ様は、うむと言ってスタスタ歩きだす。

どこに行くの?と追いかける愛。

カナ様は、ホラーハウスの前に立っていた。


(うぅ…お化け屋敷…。)

愛は、おまえがだろと思いながら入るのをためらう。

カナ様は、入って行く。


あ?ちょっと待ってとカナ様のあとを追う愛。

ホラーハウスの中は、薄暗くひんやりしている。

愛は、カナ様の少し後ろを歩く。

(うぅ…怖い…。)

(…。)

余裕のカナ様。

バチ

バタン

キャー

効果音とお化けの人形が、愛を驚かす。

「うわぁぁ。」

「もういい、もういいって。」

カナ様は真顔で歩く。


ある通路では、人がお化けの被り物して待機していた。

(お、きたな。あれ?黒マントだれだ?いたかな?まぁいいや。脅かしちゃえ。)

カナ様と愛の前に、脅かし役が、わぁ!と声をだして現れる。

「…。」

「ぎぃゃあぁー。」


腰を抜かし、しりもちをついた愛。

カナ様は、無言で脅かし役を見る。

「…。」

脅かし役は必死にカナ様を怖がらせようとし、カナ様に近づく。

(あれ?全然驚かない。後ろの女の子は良いリアクションなのに。この黒マントの人なんか怖い…。)

脅かし役はカナ様に怯える。

カナ様は、質問する。


「これが、死者か?」

脅かし役は、被り物の事を言っていると思い、はいと答えた。


カナ様は、にやける。


「見るが良い。」


カナ様は、闇から召還する。


愛は、気づいた。脅かし役の後ろにいるものを。

「うっ…後ろ…。」

指を指す愛。

脅かし役が後ろを振り向くと、恐ろしい死者がいた。

「けけけ。」


「うおわぁあああー。」


脅かし役は、一目散に逃げた。

カナ様に近づく死者。

「けけけ。」

カナ様は、死者にデコピンをくらわし消す。

「…。」

愛は、しりもちをついた状態でカナ様に聞く。

「おまえが…呼んだの?」

カナ様は、答える。

「我は大魔道師。たやすい。」

愛は、あらためてカナ様の恐怖に怯える。

カナ様は、愛に顔を近づけて笑う。

愛は、ものすごく怖くなり、走って外へ逃げる。

(やっぱりあいつは本物だ。どうしよう…。)


カナ様は、逃げて行く愛を見つめる。


「逃げることはできぬ。」


ホラーハウスから、外にでた愛は、絶望した。

(なっ、なにこれ?嘘だ…。)


あちらこちらをうろしく死者たち。遊園地内はパニックになり、お客さんたちが逃げまどう。

(ど…どうしよう…。はっ?)


死者たちが、愛を見つけ近づいてくる。

「うわぁーたすけてぇ。」


遊園地の出口に向かう愛。

出口の近くで、後ろに死者を従え、立ちはだかる。カナ様。


「どこへいく?愛。」


出口をふさがれた愛は、園内に戻り死者から逃げる。

追いかける死者たち。

捕まったら終わりだと必死に逃げる。

あちらこちらにいる死者から逃げていると、ボート乗り場にきてしまった。

死者たちは、愛に近づく。

もう、前には道がない。

振り返り死者たちを見ながらあとずさりする愛。

目の前に迫る死者たち。

「も、もうだめだぁー!」



どっぼぉ~ん。


愛は、水に落ちてしまった。


「あ!なにやってんだこの娘。」

「大丈夫ですか?お客様?」


園内スタッフに引き上げられる愛。

スタッフはアイドル愛に気づく。

「大丈夫ですか?あら?愛さんですよね。」

「どなたかといらしゃってます?」

愛は、なにがなんだかわからない。

お連れがいるならお呼びしますよ、とりあえず事務所に来ますか?と言われたが、お断りし、謝罪して
帰る事にした。

出口に向かう愛は、不思議だった。みんな普通に楽しんでいる。


出口には。にやけたカナ様がいた。

愛は、恐怖で足がすくむ。


カナ様は、教えてあげる。


「すべては、まぼろし。」


愛は、パニックになってよくわからない。

カナ様が言う。

「幻覚を見せてただけだ。」

「おまえは1人で騒いでいたのだ。」

少し考え、意味がわかった。

周りから見たら1人で、勝手に怖がって、騒ぎながら走り、1人で水に落ちていき、なにしてるんだ?この娘と思われていた。


愛は、ほんとに性悪最低魔道師だと思った。


カナ様は、おっしゃる。


「本物呼んでやろうか?」


愛は、遠慮しておきます。本当に申し訳ございません。とカナ様に謝罪した。

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