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第2章

第133話 宿場町

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休憩を終え移動を開始する。

前衛は俺とユウキ、間にデバンたち6人で後衛にカラルとルーミエを配置する。前方からの敵は、火魔法攻撃で先制攻撃して足止めと戦力を半減させておいてからの剣での物理攻撃を行う。何度かモンスターとの遭遇したが夜には99層の宿場町に到着する。

今日通過した第8ダンジョンと違い町の雰囲気が良い。

「やったー、到着!」
女性メンバーも無事に到着できたことを喜んでいる。
「ありがとう、アキトさん。これは少ないが成功報酬だ」
と言って、成功報酬として1枚の金貨を手渡してくれる。

「いいのか?」

「ええ、こんなにすんなりつくとは思わなかったし、俺たち15人でもかなり苦戦する道のりだったはずだ。それを4人で楽々と突き進むんだもんな……。俺たちはしばらくここで滞在してフロアボスが出てくるまで待機する予定だ。アキトさんは?」

「俺たちもこの辺りの宿で1泊するよ」

「……宿は高いから、うちのカンパニーの客室を使えないか聞いてみるよ」

「お、そうしたらお世話になろうかな……」
そんなことで、デバンのカンパニーに今晩は世話になることになった。

宿場町のフロアボスドアの近くにあるカンパニー専用宿泊施設に入っていく。さすが、ダンジョンを管理しているカンパニーだけあって、天井の高さには制限があり4階までしかないが、その分横に広い。
1階はギルドホールのような作りになっていて、カウンターがあって、掲示板にはクエスト情報は張り出されている。奥は食堂や武器、防具などの手入れを行えるスペースがあるようだ。更に奥は通りに面した道具屋などのスペースだった。2階より上が宿泊施設になっている。聞くところによるとフロアボスの出現時期が近いため150人ぐらいが宿泊しているそうだ。
「なかなか雰囲気のいいところじゃない」
人が多く、少し緊張感もありながら、みんなの顔がいきいきしている。そんな様子を眺めながらカラルも少し嬉しそうだ。

「お兄ちゃん、もちろんフロアボス戦には参加するんでしょ?」

「タイミングがあえばね。今日はここでお世話になるとしても、宿場町の宿で3日ほど滞在してみるか」
「さんせーい」
ここ5日以内にフロアボスが発生するという予報が出ている。

予報に合わせて冒険者が集まり、最大戦力でモンスターを倒す。戦いで得たドロップアイテムを売りさばき、必要な道具類などを購入したり、地上へ戻るためのパーティが組まれたりとファンタジー世界の小さな経済活動を感じることができて楽しい。

実際にその生活をしろと言われると辛いかもしれないがチートを隠しながら、体感できるのは幸せなのことだ。

デバンたちとその日の夕食を共にして、それぞれの部屋に戻る。
「アキト、お風呂に入りたいわ」
部屋に戻るなり、ルーミエがかわいらしくお願いをしてくる。
「あたしも」
「わらわも」
と、女性たちはみんな風呂に入りたいようだが、客間なので水浴びをする場所はない。

床の強度をみると、かなり弱く、100kg以上を置くと床が抜けてしまいそうだ。

極私的絶対王国(マイキングダム)で床から浮かせて、湯船を置き、髪と体を洗ってから栓をしてお湯をためる。お湯につかったあと栓を抜き、湯船と人を極私的絶対王国(マイキングダム)から出す。
お湯がたまった極私的絶対王国(マイキングダム)はアイテムボックス内に入れて、ゴミ箱に入れるということをルーミエに提案する。
「ありがとう。アキト1番、カラル2番、3番ユウキ、最後にわたしの順番でいきましょう」

「えー、一緒には入れないの~?」
と不満げにユウキが声をあげる。

「部屋が狭いから今日は無理ね、ダンジョン内なら問題ないのでしょう。アキト?」
「そうだな、組み合わせで排水問題とか一緒に入るとかは解決できるが、広いところじゃないと無理かな~」
「ぶぅ~……あっ!」
ユウキはすねていたがすぐに何か思いついたようだ。
「あたしはお湯に入らなくても、いいから髪だけ洗ってほしいな、いいでしょ?お兄ちゃん?あたしも洗ってあげられるし!」
「わたしも」
「わらわも」
ルーミエとカラルが声をあげる。
「わかったよ、俺がひとりずつ髪を洗ってあげるから、俺の髪を洗うのはじゃんけんか何かで決めてくれ」

「やったー」と勝負に勝った、ユウキが笑顔で高らかにVサインをしている。
そんなこんなでドタバタしながらも楽しい時間が過ぎていき、そして風呂にも入りさっぱりした俺たちは健全に眠りについた。
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