チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

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第1章

第九十七話 乱舞

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3人の女性が向かう先でモンスターが次々と倒されてはカラルのダンジョンに取り込まれていく。

ルーミエの二刀流は、四肢を切断し、動きを止めてとどめを刺すことができる。ユウキの大剣による攻撃も強力で急所を当てることで一太刀で動きを止めることが可能だ。2人で協力すれば数秒で10m以上あるドラゴンを倒すできるようだ。

カラルも霊格の炎ゴールジュとシルヴィを出して、次々と倒していく。意思を持つ炎は自ら敵を探し、駆逐する。思い出したように俺は霊格の炎のアズアフィアをしばらくぶりに出す。

「この街のすべてのモンスターを駆逐してくれ」

「ああ、久しぶり暴れてくるぞ」

この街だけでも3000体がいるが、これだけの数を3人と3体の炎で倒すことは時間がかかるが難しいことではない。時間短縮するために俺はここから一番遠いところにいるモンスターを極私的絶対王国(マイキングダム)で捉えて、次々と絶命を命じていく。今回は彼女たちにほとんどを任せておいて、俺は逃がさない程度に倒しておくか。

目まぐるしく情報が書き換わる戦術管制画面(タクティクスコンソール)を興味深げにのぞいているゾンヌフ。俺の頭の中で感じていることを具現化して映しているので書いてある文字は日本語だ。

読めない情報であってもモンスター一覧統計情報の画面の数字が減っていき、モンスター種類によっては行が消えていくのでそれを眺めているだけでも街のモンスターが減っていることは分かる。

不思議に思っていても、聞かずに邪魔をしないように戦況を見つめるゾンヌフ。
ほんの30m先では女性3人による殺陣(たて)を思わせるような美しい戦闘が繰り広げられている。

ゆっくりと街の中へ進行していく。全ての攻撃をかわすか、はじき返していてほとんど傷を負わない。怪我を負ったとしても、俺の継続治癒魔法ですぐに傷は治っていく。ここまで強いと魔人以外のモンスターは問題なく倒せそうだ。



およそ1時間ほどの戦闘ののち、全てのモンスターは殲滅できた。

近接戦闘がメインのルーミエとユウキは返り血を多く浴びて武器と防具が血まみれだ。ルーミエが防具をはずしながら2本の剣を足元に刺して一息ついている。
「あと1つくらいの街なら、攻略できそうなくらい体力はあるわ」

「そうだね、まだいけそうな感じだよ。お兄ちゃん」

「わらわは主に魔法での攻撃と霊格の炎のおかげで体力はまだまだありますわ」

「みんなお疲れ様。今日の所はこれで終わりだ。お風呂の準備をするから3人で入ってくれ」

ゾンヌフが見ているため、俺は天井だけ透明で後の面は黒塗りの箱魔法を展開する。その中に湯舟にお湯を注ぎ風呂を用意した。
彼女たちが脱いだ防具を極私的絶対王国(マイキングダム)で直接手で触らずお湯とタオル使って汚れを落としていく。

ゾンヌフがようやく口を開いた。

「アキト、彼女たちは本当に王女なのか?」

「そうだよ、陛下も認めてたじゃないか」

「確かにそうなのだが、もはや最上級の冒険者の戦い方だったぞ」

それもそうだ1時間以上休みなく動き続けて、モンスターを倒していく姿は圧巻だった。

「強さの秘密は詮索はしないでやってくれ。それとここからがカガモン帝国との交渉となるのだが…」

ゾンヌフはゴクリと唾を飲み込んだ。

「彼女たちがあれだけ強くても、エソルタ島全土を攻略するにはまだまだ時間がかかるし、魔人の存在がある」

「魔人を我が軍で倒すのか?」

「いや、数だけ集めてもかなわない敵だ。魔人についてはカラルか俺で倒すことになるだろう」
「兵をどれくらい用意すれば魔人は倒せる?」
「並みの戦力ではだめだな…。彼女たちのような冒険者たちを集めて何とかなるレベルかもしれない」
「それほど強い敵をお前1人では倒せるのか…」

「そこは見てもらった方がいいだろう。それでだ、エソルタ島については彼女たちの”願い”で俺は奪還に向けて動いている。もしこの奪還ができた後なんだが、できればカガモン帝国に復興の支援してほしいと思っている」

「ああ…なるほど。それで先ほど交渉と言ったのか」

「そうだ、これからの戦いの中で俺たちの戦闘能力の評価をお前の中でしてくれ。そして支援してもらう代わりと言っては何だがその力をカガモン帝国として今後ある程度は自由に使ってもらって構わない」

「おいおいアキト、そういうことはもう少し人を見てから言った方がいいぞ」

「ゾンヌフはそんな悪い奴じゃないだろう?」

「まあ…返答に困る質問ではあるが…」

「そうだな…特に難しい話じゃないんだ。なんでもかんでも協力するわけじゃない。相手の国を力で支配をすることには俺は協力しない、攻め込まれている国に味方する。とでもいえば分かりやすいか?」

「弱者側に立つということだな、その真偽も自分で見極められるか?」
騙されてしまわないか、心配してくれているのか…。

「情報収集なら任せろ。誰よりも正しい情報を手に入れる自信はある」

「そうか、その力を悪しきことに使われないというのであれば安心だ。俺もお前の力を利用して他国を手に入れるようなことは考えていない」

ゾンヌフとは短い付き合いで、やはり思った通りの人間のようだ。個人的な利益に走らず、国益につながる判断ができる。おそらく皇帝もおなじだろう。もちろんそんな甘いことばかりを言っていては国の運営は難しいのだろうが…。

「陛下とは既に話がついている。何年先になるか分からないがエソルタ島を奪い返した後、ここをカガモン帝国領として扱い保護をする。住民たちの意思を尊重して戻りたいものは島に戻し、カガモン帝国内に残るのであれば生活支援を行う。島に戻った者に関してはその規模にもよるが、1つの国として独立できるだけの力が付くまで領地扱いの支援をするがそれでどうだ?」

支配するためではなく、守るための領地化か…。

「…異存はない。さすが俺の友だな」

「机上だけでの話では何事もうまくはいかない。これからも様々な困難があるかと思うが、よろしくな。アキト」

俺たちは力強く握手をした。

その横でカラルとルーミエとユウキのお風呂でキャッキャッと騒ぐ声が響く。箱の中を想像した俺たちはニヤニヤしてしまい、格好良く話を締めることができず、2人で苦笑いしていた。
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チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい(小説家になろうへのリンク)続きは小説家になろうに掲載しています

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