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第1章
第八十八話 検討会 その二
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まず近距離攻撃については妖刀ロウブレンがある。冒険者ラッテが使っていた剣で、どんなものでも切ることができる最強の剣だ。本当に不思議な剣だなと思い、アイテムボックスから出してまじまじと見つめているといつものように分析能力が働く。
”賢さ”の数値を上げたことで分析能力にも影響が出ていた。以前はなかった”硬度”という表記が出ている。文字通り硬さを表しているようだ。
表示は9999となっているが、カウントストップということだろうか……。
初めて買った黒剣を分析能力で見てみると硬度は420と表示された。
目の前にいるカラルの艶やかな肩を分析するとその硬度は50だったのだが、強いとか弱いとかを別にして裸の女性に対して硬度ってどうかとも思い苦笑いをする。
アイテムボックスから数種類の金属の剣を出して、硬度を調べてみると金属は400くらいから1200くらいの硬度だということがわかった。
「カラル、魂宿剣を貸して」
「はい、どうぞ」
硬度の表示はなかった。
カラルが持っている魂宿剣は青黒い物体が剣の形に擬態しており、確か魔力や精気を使った剣だったか……物質ではない物などは計測できないのかな。
ミスリル製の剣と普通の鋼の剣との差は800程度あり、それがぶつかりあっても硬度の低い方の剣が欠けたり、ヒビが入ったりする程度だ。
しかし妖刀ロウブレンとミスリル製の剣との硬度の違いは8000以上ある。このくらい硬度の違いがあれば、ハサミで紙を切るようにすっぱりと切れてしまうのだろう。
「ありがとう、戻してくれていいよ」
「は~い」
近接戦闘はクロックアップと妖刀ロウブレンとで当面は問題ないという結論に落ち着く。
次に中距離攻撃について考えてみよう。鏡に映し出しているものを丸ごと消し去る強力チートアイテムである”常世の姿見”には三回という回数制限があることがわかった。もっと攻撃にバリエーションを持ちたいので新たにその方法を考えなければならない。できれば宝具ストレージのアイテムではなく俺自身の魔法による攻撃がいい。
少し離れた空中で圧縮火炎球(マグマボール)を展開する。
分析能力で見るとやはり魔法ということで硬度は表示されない。それでもこの圧縮火炎球(マグマボール)はどのくらいの硬度のものに対して有効なのかということは知りたい。
少し考えて、箱魔法で高硬度の箱を作る。以前も同じものを作り、それを暴食の炎であるアズアフィアがうまそうに食べていたことを思い出した。
箱魔法の硬度は4670となっている。対魔人との戦闘であれば一撃で倒したいので相手の急所を貫くことをイメージする……となると形状は必然的に槍になった。
ゆっくりと圧縮火炎(マグマ)の槍を箱魔法に押し付けてみるが、当然のように槍の炎がぐにゃりと曲がった。
カラルもその様子を眺めている。
少し距離を置き勢いをつけてぶつけてみる。今度は曲がることなく爆発が起こる。高質化された箱魔法を見てみると少しヒビが入っているようだ。
魔力を注ぎ、箱を修復する。速度があると威力が増すが、貫くというのは炎には難しいな。
もっとシンプルに考えよう。
カラルの炎の攻撃は霊格の炎であるシルヴィとゴールジュの力を使って、攻撃をしている。俺もそれを真似て、アズアフィアの力を借りて、青い圧縮火炎球(マグマボール)を形成する。
これを箱魔法に結構な速度でぶつける。
先ほどの槍よりも威力は強かったようで、箱は大破した。続いて同じものを十個作って連続してぶつけるとズドドドドドド……と、爆音を上げ箱魔法を完全に破壊した。
魔人に対して一撃必殺は今のところ無理だが、手数で勝負するのもありなのかもしれない。
とにかく奴らは動きが速く、防御力もかなり高い。そうなると極私的絶対王国(マイキングダム)で動きを一時的に止め、強化版圧縮火炎球(マグマボール)での絨毯爆撃をすることで消費MPも最小限に抑えられる。それにそう簡単に無くなるようなMPの量ではなくなってきた。
”賢さ”の数値を上げたことで分析能力にも影響が出ていた。以前はなかった”硬度”という表記が出ている。文字通り硬さを表しているようだ。
表示は9999となっているが、カウントストップということだろうか……。
初めて買った黒剣を分析能力で見てみると硬度は420と表示された。
目の前にいるカラルの艶やかな肩を分析するとその硬度は50だったのだが、強いとか弱いとかを別にして裸の女性に対して硬度ってどうかとも思い苦笑いをする。
アイテムボックスから数種類の金属の剣を出して、硬度を調べてみると金属は400くらいから1200くらいの硬度だということがわかった。
「カラル、魂宿剣を貸して」
「はい、どうぞ」
硬度の表示はなかった。
カラルが持っている魂宿剣は青黒い物体が剣の形に擬態しており、確か魔力や精気を使った剣だったか……物質ではない物などは計測できないのかな。
ミスリル製の剣と普通の鋼の剣との差は800程度あり、それがぶつかりあっても硬度の低い方の剣が欠けたり、ヒビが入ったりする程度だ。
しかし妖刀ロウブレンとミスリル製の剣との硬度の違いは8000以上ある。このくらい硬度の違いがあれば、ハサミで紙を切るようにすっぱりと切れてしまうのだろう。
「ありがとう、戻してくれていいよ」
「は~い」
近接戦闘はクロックアップと妖刀ロウブレンとで当面は問題ないという結論に落ち着く。
次に中距離攻撃について考えてみよう。鏡に映し出しているものを丸ごと消し去る強力チートアイテムである”常世の姿見”には三回という回数制限があることがわかった。もっと攻撃にバリエーションを持ちたいので新たにその方法を考えなければならない。できれば宝具ストレージのアイテムではなく俺自身の魔法による攻撃がいい。
少し離れた空中で圧縮火炎球(マグマボール)を展開する。
分析能力で見るとやはり魔法ということで硬度は表示されない。それでもこの圧縮火炎球(マグマボール)はどのくらいの硬度のものに対して有効なのかということは知りたい。
少し考えて、箱魔法で高硬度の箱を作る。以前も同じものを作り、それを暴食の炎であるアズアフィアがうまそうに食べていたことを思い出した。
箱魔法の硬度は4670となっている。対魔人との戦闘であれば一撃で倒したいので相手の急所を貫くことをイメージする……となると形状は必然的に槍になった。
ゆっくりと圧縮火炎(マグマ)の槍を箱魔法に押し付けてみるが、当然のように槍の炎がぐにゃりと曲がった。
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もっとシンプルに考えよう。
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チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい(小説家になろうへのリンク)続きは小説家になろうに掲載しています
『異世界に呼ばれて来た25歳DTの俺はキャバ嬢風の闇主様にすべてを捧げたい』
ストーリー:「え!?勇者的活動NG? 誰かを救おうなんて、思ってないですよ」
転移した異世界で闇主様からチート冒険者やうざい2頭身アニマルの排除を任された主人公の25歳童貞野郎。
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対人最強チート魔法と超破壊力の万能バットを駆使しながら、脱童貞を夢見つつ、あてもない異世界ブラック紀行が今始まる。
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