チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號

文字の大きさ
上 下
89 / 182
第1章

第八十八話 検討会 その二

しおりを挟む
 まず近距離攻撃については妖刀ロウブレンがある。冒険者ラッテが使っていた剣で、どんなものでも切ることができる最強の剣だ。本当に不思議な剣だなと思い、アイテムボックスから出してまじまじと見つめているといつものように分析能力が働く。

 ”賢さ”の数値を上げたことで分析能力にも影響が出ていた。以前はなかった”硬度”という表記が出ている。文字通り硬さを表しているようだ。

 表示は9999となっているが、カウントストップということだろうか……。

 初めて買った黒剣を分析能力で見てみると硬度は420と表示された。

 目の前にいるカラルの艶やかな肩を分析するとその硬度は50だったのだが、強いとか弱いとかを別にして裸の女性に対して硬度ってどうかとも思い苦笑いをする。

 アイテムボックスから数種類の金属の剣を出して、硬度を調べてみると金属は400くらいから1200くらいの硬度だということがわかった。

「カラル、魂宿剣を貸して」

「はい、どうぞ」

 硬度の表示はなかった。

 カラルが持っている魂宿剣は青黒い物体が剣の形に擬態しており、確か魔力や精気を使った剣だったか……物質ではない物などは計測できないのかな。

 ミスリル製の剣と普通の鋼の剣との差は800程度あり、それがぶつかりあっても硬度の低い方の剣が欠けたり、ヒビが入ったりする程度だ。

 しかし妖刀ロウブレンとミスリル製の剣との硬度の違いは8000以上ある。このくらい硬度の違いがあれば、ハサミで紙を切るようにすっぱりと切れてしまうのだろう。

「ありがとう、戻してくれていいよ」

「は~い」

 近接戦闘はクロックアップと妖刀ロウブレンとで当面は問題ないという結論に落ち着く。

 次に中距離攻撃について考えてみよう。鏡に映し出しているものを丸ごと消し去る強力チートアイテムである”常世の姿見”には三回という回数制限があることがわかった。もっと攻撃にバリエーションを持ちたいので新たにその方法を考えなければならない。できれば宝具ストレージのアイテムではなく俺自身の魔法による攻撃がいい。

 少し離れた空中で圧縮火炎球(マグマボール)を展開する。

 分析能力で見るとやはり魔法ということで硬度は表示されない。それでもこの圧縮火炎球(マグマボール)はどのくらいの硬度のものに対して有効なのかということは知りたい。

 少し考えて、箱魔法で高硬度の箱を作る。以前も同じものを作り、それを暴食の炎であるアズアフィアがうまそうに食べていたことを思い出した。

 箱魔法の硬度は4670となっている。対魔人との戦闘であれば一撃で倒したいので相手の急所を貫くことをイメージする……となると形状は必然的に槍になった。

 ゆっくりと圧縮火炎(マグマ)の槍を箱魔法に押し付けてみるが、当然のように槍の炎がぐにゃりと曲がった。

 カラルもその様子を眺めている。

 少し距離を置き勢いをつけてぶつけてみる。今度は曲がることなく爆発が起こる。高質化された箱魔法を見てみると少しヒビが入っているようだ。

 魔力を注ぎ、箱を修復する。速度があると威力が増すが、貫くというのは炎には難しいな。

 もっとシンプルに考えよう。

 カラルの炎の攻撃は霊格の炎であるシルヴィとゴールジュの力を使って、攻撃をしている。俺もそれを真似て、アズアフィアの力を借りて、青い圧縮火炎球(マグマボール)を形成する。

 これを箱魔法に結構な速度でぶつける。

 先ほどの槍よりも威力は強かったようで、箱は大破した。続いて同じものを十個作って連続してぶつけるとズドドドドドド……と、爆音を上げ箱魔法を完全に破壊した。

 魔人に対して一撃必殺は今のところ無理だが、手数で勝負するのもありなのかもしれない。

 とにかく奴らは動きが速く、防御力もかなり高い。そうなると極私的絶対王国(マイキングダム)で動きを一時的に止め、強化版圧縮火炎球(マグマボール)での絨毯爆撃をすることで消費MPも最小限に抑えられる。それにそう簡単に無くなるようなMPの量ではなくなってきた。
しおりを挟む
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい(小説家になろうへのリンク)続きは小説家になろうに掲載しています

異世界に呼ばれて来た25歳DTの俺はキャバ嬢風の闇主様にすべてを捧げたい
ストーリー:「え!?勇者的活動NG? 誰かを救おうなんて、思ってないですよ」
  
転移した異世界で闇主様からチート冒険者やうざい2頭身アニマルの排除を任された主人公の25歳童貞野郎。
 
 その途方もない目的達成のご褒美はなんとキャバ嬢のような盛り髪のセクシーな闇主様みずから、卒業のお相手をしてくださるとか!? 
 
対人最強チート魔法と超破壊力の万能バットを駆使しながら、脱童貞を夢見つつ、あてもない異世界ブラック紀行が今始まる。
感想 24

あなたにおすすめの小説

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。 目覚めると彼は真っ白な空間にいた。 動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。 神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。 龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。 六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。 神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。 気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~

楠富 つかさ
ファンタジー
 地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。  そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。  できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!! 第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...