チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

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第1章

第八十三話 魔人との対峙 その二

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 両腕を切断され、そのまま血液は垂れ流し状態だったが、魔人は極私的絶対王国(マイキングダム)で束縛されているにもかかわらず、出血を自ら止めた。

 それに構わずに俺は質問をする。

「なぜこの世界を襲う?」

「俺たちが欲しているから支配するだけだ」

「何が目的だ?」

「この世界自体の力」

 地脈などのエネルギー的な力のことなのだろうか……。

「お前たちの世界には無いのか?」

「あるにはあるが少ない。だから他の世界を支配しようとしている」

「なぜこの島から出て行ってほかの国を支配しない?」

「単に効率が悪いだけだ」

「支配して数年経つが、その”力”とやらは手に入ったのか?」

「すべてとはいかないようだ、ほそぼそと俺たちの世界に流している」

「それがあの魔法陣か?」

「そうだ」

「力の強い魔人は魔法陣を通り抜けることができないと聞いている。お前はあの魔法陣をどうやって通り抜けたんだ?」

「生贄だよ」

「この島の人か……」

「ああ、俺たちがこの世界に来るためには大量にお前たちの魂を必要とする」

 それであと二千人しかいないのか……。大体聞きたいことは聞けた。

「俺はこの島に生息するすべてのモンスターと魔人——お前を含めた十二人をすべて倒す。どうせ話し合いで解決できるような相手じゃないんだろう?」

「当たり前だ、弱肉強食だろ?力がない弱いものは虐げられる、圧倒的な力の差があるのなら当然の話だろう」

 そうだろうな……。魔人が言っていることは分からないでもない。俺たちも家畜に対して同じようなことをしているのだから……。

 魔人からみると、このお世界のどんなに強い奴でも蟻ほどの戦力にしか感じていないのだろう。

 蟻が何万、何十万と徒党を組もうとも大差がない。知性があろうとも弱いものは強いものに捕食され、利用されるというのが世の常であり、願いや祈りは通じないただひたすらに無慈悲な世界だが、それが現実だ。

 しかし魔人たちに侵略された世界では俺は自由に生きることはできない。虐げられるなんてまっぴらごめんだ。そんな奴らは逆に殲滅してやるよ。だから……

 ——俺の邪魔をするな。

 魔人の両腕に回復魔法をかけてやる。腕が生えてきて驚く魔人。

「お前にもう一度チャンスをやる。俺もこの世界で自由に生きたいんだよ、だからお前たちには絶対に負けるわけにはいかないんだ。剣を取れ」

 俺は極私的絶対王国(マイキングダム)で奴の使っていた二メートルはあるロングソードを目の前に置いてやる。

「くくくく……酔狂な奴だな。わざわざ勝ちを捨てるなんてな……」

 束縛解放……。

「なんとでも言え、お前では俺には勝てないことを証明してやるよ」

 低速クロックアップ発動。

「……ほざけ、寝言は死んでから言うんだな!」

 魔人は突っ込んでいく俺を認識していて、しっかりと脳天を目がけてロングソードを振り下ろしてくる。高速クロックアップに切り替えると、剣の軌道がはっきりと見える。剣の真ん中あたりをはねあげるつもりで妖刀ロウブレンを切り上げると、滑らかに金属が切れていくという、金属どうしては絶対にあり得ない光景を見ることができた。

 どのような法則で金属が紙のように切れてしまうのか説明もできないが奴のロングソードは真っ二つ折る。

 魔人が驚いて呟いている。

「なんつー剣だよ」

 アイテムボックスから同じようなロングソードを出してきて、構えなおしている。

 俺はもう一度、魔人へ突っ込んでいく。奴はこの高速クロックアップの速度にはついてこられないようで防御体勢を取っていない。

 そして首を横一文字に切る。魔人の何段もあるHPバーが一瞬で失われる。
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チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい(小説家になろうへのリンク)続きは小説家になろうに掲載しています

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