チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

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第1章

第七十二話 お偉いさん

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 翌朝。日の出とともにカガモン帝国の役人と兵隊がぞろぞろとやってきた。

 緊張感が漂う中、代表者の貴族の男性と俺と役人とで話をする。

「陛下の勅命で参りました。宰相のゾンヌフです」

 ぶっ!!宰相来ちゃった!?しかも皇帝が動いちゃっているよ?ノイリさんパネぇっす……。

分析能力発動……。
◇ ◇ ◇
ゾンヌフ レベル52 剣士 178センチ 体重68キログラム 34歳 宰相” 
◇ ◇ ◇

 ちょっとイケメンの若い宰相だ……。貴族の男は深々と頭を下げる。

「ありがうございます。私はカノユール王国のアカネアと申します。私たち十八名はこちらのお方に助けていただきここにいます」

 アカネアっていうんだ。そういえば自分が名乗り出でていないから、名前すら聞いてなかったな。

「……我がカガモン帝国はエソルタ島のカノユール王国とイメノア王国とは、昔より親密な交易をさせていただいておりました。
 アカネア様をはじめ十八人の皆さまについては丁重に受け入れるようにと陛下より指示がでております。当面の住まいは簡易の宿舎ではありますが、そちらを解放いたします。また、皆様のこれから働き口や住いのことについても専門家がご相談に乗りますのでご安心ください」

 三人での話はスムーズにまとまった。宰相ゾンヌフの秘書がそのことを声高々に伝えると、歓声が起こった。

「今回の件では色々と手配いただき、ありがとうございます」

 宰相に礼を述べる。

「いえいえ、当然のことをしたまでです。……それにしてもゴージャスな仮面ですな……それは売っているのですか?」

 アレ?宰相さんが変なところに食いついてきたよ。

「売り物ではございませんが、お気に召されたのでしたら、この仮面をのちほどお届けに参りますことをお約束いたします」

「おおっ!それはありがたい。できましたら二ついただきたい。ぜひよろしくお願いします」

「話を戻しますが……島にはまだ多くの生き残りがいる可能性があります。彼らの受け入れはできますでしょうか?」

「……我が帝国の民となられることを約束してくださるのであれば、受け入れます。民は我が帝国の力の根本。優秀な人材を育て、我が帝国の発展のためであれば我々も尽力いたしますぞ」

 おお、良いこと言うな宰相。皇帝の方針がいいのか?ともあれ安心して任せられそうだな。

 最後に宰相ゾンヌフ、アカネアと固く握手をして、別れを告げる。

 そして俺とカラルは一旦海へ飛び立って。遠回りしてレイラたちの待つ宿に戻ってきた。



 ノイリに通信指輪で連絡をする。

「ノイリ……カガモン帝国に連絡とってくれてありがとう」

「いいえ、当然のことをしたまでですよ」

「それで皇帝の勅命で宰相がやって来て本当にびっくりしたよ」

「ふふふ、私ができることでアキトさんでもびっくりさせることがあったんですね」

「あははは、すごいよなノイリは……」

「いいえ、それは私の力ではなくて、先代や遥か昔から続く遠夜見(とおよみ)の巫女たちの実績のおかげだと思います。今回の出来事で私も巫女の力の大きさに改めて気づかされました……」

「そうだったんだ……」

「だから私も先代たちに負けないように、もっともっと勉強してお役に立ちたいと思います」

「そうだな。神託があったらすぐに俺にも知らせてくれよ。びっくりするぐらいサクッと解決して遠夜見(とおよみ)の巫女の実績作りに貢献するからな!」

「ええ、その時はぜひお願いしますね」

 一人でカムラドネに残ってみんなのために頑張ってくれている。ありがとうノイリ。



 宿に戻ってエソルタ島での出来事をみんなに話したところルーミエがぽつりとつぶやいた。

「捕らわれている人はまだいるかもしれないのね……」

「ああ、街はたくさんあるからその可能性は高いな。当面ここイドン拠点として活動しようと思うのだけどいいかな」

 エソルタ島の現状を聞いてあまり、みんな浮かれていられない気持ちになっていた。それに一泊金貨五十枚は高すぎる。どうしても泊まりたがっていたレイラも一泊もすれば充分だったのだろう。

「私たちは充分にこの宿を楽しんだわ。でも高いから、どこか良いところに家を借りましょうよ」

「そうするか、じゃあレイラ、ユウキ、ルーミエの三人は貸家を探してくれ。時間があれば俺やカラルも手伝うよ。……それとルーミエ、アカネアって貴族の男を知っているか?」

「ええ。ひょっとしてご無事でしたか!……王都から逃げ延びて各地を転々として、カノユール王国の最後にたどり着いた街がコウルンでした。その後にイメノア王国に入ったので……」

 とはいっても今更、元王女と再会したとしても伝えるべき言葉は特にないよな……。喜ばしい出来事だが、何故かしんみりしてしまう。

 あ、そうだそうだ、アレをみんなに見せなきゃ!
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チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい(小説家になろうへのリンク)続きは小説家になろうに掲載しています

異世界に呼ばれて来た25歳DTの俺はキャバ嬢風の闇主様にすべてを捧げたい
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