チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號

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第1章

第六十七話 セイレーン

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 海底を探索中に捉えたセイレーンは極私的絶対王国(マイキングダム)で一気に引き上げたことにより、目が飛び出し口からも袋のようなものが出ていて瀕死の状態にあったが、回復魔法で回復させた。

 何度かせき込んだ後、怯えながら瞳に涙を溜め、こちらを見ているセイレーンに俺は問いかける。

「無理に連れてきて悪かったな。いくつか質問をしたいのだが……」と言いかけたときだった。

『♪LaaLaaRuuuuuaaaa~Eeeeeaaaaaa~』

 何やら歌を歌い始めた。

 セイレーンといえば歌で冒険者たちを魅了して、海の中に引きずりこむエピソードをすぐに思い出す。

 まあ、こちらが勝手に捕まえたのだからしょうがないか。しかしその魅了にかかってやる義理はない。

『♪RuuuuFuuuuu』

 少しイラッとしたので高音域で気持ちよさそうに乗ってきたところを海に沈める。

「うぶぶぶぶ……」

 セイレーンだし溺れないよな?

 じたばたして極私的絶対王国(マイキングダム)から逃げようとしている。少ししてから引き上げる。ムッとしながらもこちらを睨んでいたが、今度は泣き始めた。

「ぐすっ……ぐすっ……うぇぇぇぇぇぇぇ」

 また海につける。

「えべべべべべべ……」

 話が進展しないので海の中で束縛を解除するが、みすみす逃すつもりはない。いったん住処へ返して別の奴と接触する作戦に切り替える。

 束縛を解くと、猛スピードで海底に向かって泳ぎ始めた。極私的絶対王国(マイキングダム)で追跡すると海底に裂け目があり、その中に入っていった。中は通路が張り巡らされているのと光があってあたりを認識できるようになった

 さっきのあいつは入口近くにいた他のセイレーンに海上であった出来事を必死に訴えているようだ。

 もっと偉い感じの奴いないかな?

 その場から離れて、さらに住処の奥の方を探索すると、宝石を付けた奴が個室にいるので分析能力で確認する。

◇ ◇ ◇
Lv329 セイレーン ラウン 320歳
◇ ◇ ◇

 極私的絶対王国(マイキングダム)での発声は水の中でも有効のようで、芝居じみた言い回しで語りかける。

「……ウン……ラウンよ……」

「何者?」

「……そなたに新たな力をさずけようぞ……」

 適当なことを言ってみる。

「え!?」

「その前に聞きたいことがある……」

「はい」

 戸惑っているが、話が聞いてくれるようだ。

「はるか昔に失われたある剣を探している……この海域に落としたらしいのだが何か心当たりはないか?」

「ははっ……それならば、存じております。はるか昔より海底に突き刺さりし剣、近づくものがあれば問答無用に攻撃し、何人たりとも訪れることの出来ない場所がございます」

 すげー簡単。一発で情報得られたー!興奮を抑えながら、さらに詳細を聞き出す。

「……それは何処(いずこ)にあるのか?」

「ここより北西へいったところに小高い丘があり、剣は塔のように盛り上がった岩の先に突き刺さってございます」

「わかった……礼として新たな力を授けよう……」

 セイレーンの頭や肩をトントンと軽く叩くが、もちろん何の効果もない。

「これより五日以内には新たな力が備わっていようぞ」

 これもまったくのデタラメだ。

「ありがとうございます」

 何とかなるもんだな。

「よしっ!大体の場所はわかった。カラルいくぞ」

「ふふっ、一瞬誰と会話しているのかと思いましたが、こんな短時間に聞き出すことができるなんて……本当に素晴らしいお力ですわ」

 セイレーンたちの住処を出発地点にして北西の方角に向かって海底の地形を探りながら、移動する。

 セイレーンの情報通りの海底の中に不自然に突き出た岩があった。そしてその頂上には剣が突き刺さっている。

 たまたまこの岩の上に刺さったのだろうか?もしかして、剣も必死にもがいて海面に出ようとしているのか?

 そんな推測はさておき、ぶっこ抜いてやりますか!
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チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい(小説家になろうへのリンク)続きは小説家になろうに掲載しています

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