チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號

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第1章

第五十一話 帰宅

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 転移魔法陣を通り抜けたあとは、カムラドネの上空でMPが回復するまでしばらくカラルの腕の中で休む。カラルは心配そうに俺を抱きかかえているが、身体的な損傷は全くない。精神的に疲れているだけだ。

 カラルの持っている強力な武器のおかげで無傷の完全勝利で魔人を倒せた。一緒にいる時で本当によかった。

「ありがとう、カラル。もう大丈夫だ」

 箱魔法を展開して乗り込む。

「もう異世界転移魔法陣は使えないな……」

「危なかったけれど……さすがアキト様です」

 箱魔法に対して光魔法で見えないようにしてもらい、巫女の屋敷の庭に着地した。出発前に連絡を入れておいたので庭にはレイラ、ルーミエ、ユウキ、ノイリ全員が庭で待っていた。

 見えない状態で着陸して、光魔法での偽装を解いたため、急に眼前に現れることとなり、みんな一斉に驚いていた。が次の瞬間にレイラが抱き着いてきて、続いてほかの3人も寄ってくる。

「みんな色々と心配かけたな……」

 ユウキが背中から抱き着いてきた。本当に甘えん坊だな。

「お兄ちゃん、本当に反省しているの?レイラやルーミエなんて昨日の夜眠れなかったんじゃないかな?あたしはばっちり眠ったけどね」

 そんなに心配をかけてしまったか……。

「積もる話もあるでしょう、お昼を用意していただいているのよ。カラルさんの歓迎会も兼ねているからお酒も飲み放題よ!」

 テンション高いなルーミエ。屋敷の中へワイワイと言いながら入っていく。



 ずらりと並んだうまそうなごちそうを前に、ユウキが司会でカラルに挨拶を振った。

「それじゃあカラルから一言、ご挨拶をお願いしまっす!」

 カラルは部屋を用意してもらい、着替えをしたという設定で、露出の少ないおとなしめのドレスを身にまとい、とても高貴な女性に見える。ベッドの上とはまるで別人だ……。

「みなさん、今日はこのような席をご用意いただきありがとうございます。そして戻ってくることが遅くなってしまったことをお詫びします。話は長くなるのですが……実はアキト様よりわらわの戦闘能力が知りたいとご希望があり、戦うこととなりました」

「アキト、いくら強いとはいえ女性に対して失礼じゃないの?」

 レイラは俺を責めているが、代わりにカラルが答えた。

「アキト様には人の強さを評価する何かをお持ちなのでなのでしょう。それでわらわの戦闘能力を見抜かれたのだと推測するのですが、違いますか?」

「その通りだよ、カラルが一番戦闘能力が高くて、次に俺、ルーミエ、ユウキ、レイラ、ノイリの順になるな」

 スリーサイズもわかってるよ~。なんて口が裂けても言える雰囲気ではない。

「で、結果はどうだったんですか?」

 ノイリが聞いてきた。

「1勝1敗の引き分けで終わったよ」

 カラルは続ける。

「お互い死力を尽くしての戦いを終え、アキト様は大変お疲れでしたので、近くの街で休むことになり帰りが今日になってしまいました」

「前にもカムラドネからナリヤまで初めて行った時もそうだったわね。魔法を使いすぎるとつかれてしまうものなの?」

「わらわにはわからないのですが、顔色もずいぶん悪かったので大事をとりました。そのおかげで翌日朝にはすっかり良くなられたようです」

 レイラが心配そうに俺の頭を撫でている。カラルは契りのことは隠していくつもりだな。それならこちらもやぶさかではないぞ。利害は一致した。そのまま、そのまま……。

「それとですね——」

 あっ、言っちゃうの?やめてー!

「異世界転移魔法陣で帰還するときのことです。みなさんも魔人についてアキト様から聞いたことがあるかと思いますが、先ほど向こうの世界で遭遇しました」

 ほっ。そのことか。

「そうなんだ、今後は異世界転移魔法陣は使わないほうがいいな」

「アキト様は全力でわらわのことを守りながら、最終的には魔人を倒して帰ってこられたのですが、お加減はいかがですかアキト様?」

 カラルのここでのスタンスをこの挨拶から感じ取る。清楚にそして時には少し崩したくらいの感じで行くようだ。

「精神的に動揺はしたけど、今は落ち着いているよ。ありがとう」

「それは何よりですわ。……それではみなさん今後とも仲良くしてくださいね」

 ユウキが音頭をとり、宴は始まった。

「それじゃあ、かんぱーい」

「「「「「かんぱーい」」」」」
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チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい(小説家になろうへのリンク)続きは小説家になろうに掲載しています

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