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第2章
第百七十六話 レイラとイチカと俺
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イチカの夜泣きで目を覚まし、授乳してゲップをさせ、ウトウトし始めたと思ったらまた泣いて、今度は俺がおむつを替えて、抱っこして部屋の中を歩き回っていると、ようやくすやすやと眠り始めた。
「うふ、やっと寝てくれたね」
寝息を立てているイチカを二人でのぞき込む。産まれて間もないときは二人してあたふたしながらあやしていたが、数日も経てば随分と慣れたきたものだ。
レイラから手を絡めて、恋人つなぎをする。お互いの距離が近づき、目を閉じキスを交わし、耳元でささやく。「今日からもう大丈夫だよ……」
思いがけない一言でドキドキしてしまう。そういうことは体のことを考えて、もっと先になるかと思っていたが、どうやら回復魔法のおかげですっかり体は元通りでちょっとくらい無茶してもいいよって、いたずらっぽくほほえむ。そんな彼女に俺の方が気後れしてしまっている。それを見透かしているのか、レイラからベッドへ引き込んでいく。
久しぶりの彼女の匂い、体の柔らかさを五感のすべて使いゆっくりと確かめる。快楽を貪り合うような激しいものではなく、くすぐり、楽しむようなスキンシップの中、「大好き」、「愛してる」と何度もささやかられるとより一層の彼女の魅力に引き込まれてしまう。レイラにはすべてをさらけ出してもそれをすべて受け止め、包み込んでくれる安心させてくれる。
「アキト、なんだか前よりも随分たくましくなったよね。無茶していない?」
俺の体にくっついて、二の腕や胸筋あたりを指でなぞる。
「ここ半年くらいで精神的にも、肉体的にも強くなったかな。ラッテたちが仲間になったし、カラルもいるからそんなに無茶しなくなるかなって思ってたけれど……」
ここ数日留守にしていたわけをレイラに順を追って細かく話していく。うなずいたり、時にはクスクスと笑いながら話を聞き、気まぐれに俺の体の敏感な部分を刺激したり、キスをしたりしてくれる。
「それでオゥルって子がうちにいるんだね」
「悪いやつじゃないと思うんだ」
「で、エルフの国を探しに行くんだ」
「心配かけてごめん」
「いいの、そういう困っている人がいると助けるところも好きだから……でも絶対に帰ってきてね」
前にいたの世界では”絶対”というのはありえなかった。しかし今いる世界は俺の力であれば、できないことはないと感じている。父親になり、何があっても君を守るという守るって約束もしたし、絶対に帰ってこなければならない。
「うん、必ず帰ってくるよ」
それから、カムラドネの街の状況を聞いた。やはり悪魔の塔がなくなり、冒険者たちが随分と減ったようで、商店が何店舗か閉店になったとのことだ。やはりこの世界の経済はモンスターとの戦いで生まれる報酬を元に回っている。
「レイラが嫌じゃなかったら、街の近くにダンジョンを作ることができるけれど、いいかな?」
「カラルじゃなくてアキトが?」
「うん」
「そんな事もできるようになってるの?」
戦いやいろんな状況に置かれたことで自然とできることが増えてきた。
「アキトやカラルの作ったダンジョンならいいよ。それに悪魔の塔のことは本当に怖かったけれど、アキトと会えるきっかけにもなったし、カラルから悪魔族の生態やからくりをきいたら納得しちゃって、トラウマとかなくなったから大丈夫だよ」
レイラのお許しが出たので明日にでもカラルに相談して準備に取りかかろう。どんな構造にしようかな。そういえば悪魔の塔のたて穴使おうかな、いつまでも大穴開けておいたらイチカが落ちちゃうかもしれないし……。
「あ~もうダンジョンのことを考えてる~」
そんなことをいいながら俺の上に覆いかぶさる。久しぶりだったのもあるが、俺よりもレイラが積極的なのが嬉しかった。
ユサユサと揺れるレイラの肢体、下から手を伸ばし頬に手を当てる。俺の胸に当てていた手を重ねるように押し付ける。しばらく見つめ合うと分析能力が発動してしまった。
◇ ◇ ◇
レイラ
Lv646 HP2209/MP1092
強さ:693、守り:490、器用さ:542、賢さ:962、魔法耐性:276、魔法威力:702 ボーナス:303
◇ ◇ ◇
カラルとは違った形の契約だが俺とスキンシップを取ることで強さを分け与えることがレイラ、ルーミエ、ユウキ、ノイリとはできるようになった。レイラは妊娠していたのでルーミエやユウキとはレベルの上がり方は少なかったけれど、今日みたいに積極的に体を重ねることを続ければすぐに追いつくはずだ。
それでも嫁を戦力とはみていないが、家にいて自分を守れるくらい強くなってもらえると家をあけることの多い俺としては安心だ。
「どうしたの?」
レイラのステータスを見てぼんやりしていた俺を気にしてレイラの動きが止まる。ふと思っていた言葉が漏れる。
「イチカを無事に生んでくれてありがとう」
「こちらこそ、そばにいてくれてありがとう」
見つめ合ったあと停止していた快楽を求める動きは激しく、ときにはまったりとしながら、イチカの次の夜泣きが始まるまで続いたのだった。
「うふ、やっと寝てくれたね」
寝息を立てているイチカを二人でのぞき込む。産まれて間もないときは二人してあたふたしながらあやしていたが、数日も経てば随分と慣れたきたものだ。
レイラから手を絡めて、恋人つなぎをする。お互いの距離が近づき、目を閉じキスを交わし、耳元でささやく。「今日からもう大丈夫だよ……」
思いがけない一言でドキドキしてしまう。そういうことは体のことを考えて、もっと先になるかと思っていたが、どうやら回復魔法のおかげですっかり体は元通りでちょっとくらい無茶してもいいよって、いたずらっぽくほほえむ。そんな彼女に俺の方が気後れしてしまっている。それを見透かしているのか、レイラからベッドへ引き込んでいく。
久しぶりの彼女の匂い、体の柔らかさを五感のすべて使いゆっくりと確かめる。快楽を貪り合うような激しいものではなく、くすぐり、楽しむようなスキンシップの中、「大好き」、「愛してる」と何度もささやかられるとより一層の彼女の魅力に引き込まれてしまう。レイラにはすべてをさらけ出してもそれをすべて受け止め、包み込んでくれる安心させてくれる。
「アキト、なんだか前よりも随分たくましくなったよね。無茶していない?」
俺の体にくっついて、二の腕や胸筋あたりを指でなぞる。
「ここ半年くらいで精神的にも、肉体的にも強くなったかな。ラッテたちが仲間になったし、カラルもいるからそんなに無茶しなくなるかなって思ってたけれど……」
ここ数日留守にしていたわけをレイラに順を追って細かく話していく。うなずいたり、時にはクスクスと笑いながら話を聞き、気まぐれに俺の体の敏感な部分を刺激したり、キスをしたりしてくれる。
「それでオゥルって子がうちにいるんだね」
「悪いやつじゃないと思うんだ」
「で、エルフの国を探しに行くんだ」
「心配かけてごめん」
「いいの、そういう困っている人がいると助けるところも好きだから……でも絶対に帰ってきてね」
前にいたの世界では”絶対”というのはありえなかった。しかし今いる世界は俺の力であれば、できないことはないと感じている。父親になり、何があっても君を守るという守るって約束もしたし、絶対に帰ってこなければならない。
「うん、必ず帰ってくるよ」
それから、カムラドネの街の状況を聞いた。やはり悪魔の塔がなくなり、冒険者たちが随分と減ったようで、商店が何店舗か閉店になったとのことだ。やはりこの世界の経済はモンスターとの戦いで生まれる報酬を元に回っている。
「レイラが嫌じゃなかったら、街の近くにダンジョンを作ることができるけれど、いいかな?」
「カラルじゃなくてアキトが?」
「うん」
「そんな事もできるようになってるの?」
戦いやいろんな状況に置かれたことで自然とできることが増えてきた。
「アキトやカラルの作ったダンジョンならいいよ。それに悪魔の塔のことは本当に怖かったけれど、アキトと会えるきっかけにもなったし、カラルから悪魔族の生態やからくりをきいたら納得しちゃって、トラウマとかなくなったから大丈夫だよ」
レイラのお許しが出たので明日にでもカラルに相談して準備に取りかかろう。どんな構造にしようかな。そういえば悪魔の塔のたて穴使おうかな、いつまでも大穴開けておいたらイチカが落ちちゃうかもしれないし……。
「あ~もうダンジョンのことを考えてる~」
そんなことをいいながら俺の上に覆いかぶさる。久しぶりだったのもあるが、俺よりもレイラが積極的なのが嬉しかった。
ユサユサと揺れるレイラの肢体、下から手を伸ばし頬に手を当てる。俺の胸に当てていた手を重ねるように押し付ける。しばらく見つめ合うと分析能力が発動してしまった。
◇ ◇ ◇
レイラ
Lv646 HP2209/MP1092
強さ:693、守り:490、器用さ:542、賢さ:962、魔法耐性:276、魔法威力:702 ボーナス:303
◇ ◇ ◇
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それでも嫁を戦力とはみていないが、家にいて自分を守れるくらい強くなってもらえると家をあけることの多い俺としては安心だ。
「どうしたの?」
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チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい(小説家になろうへのリンク)続きは小説家になろうに掲載しています
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